修学旅行と恋愛

 互いに複雑な背景を抱えている二人が、ひょんなことから顔を合わせて初夏の京都を舞台にデートを楽しむ。
 ただそれだけなら良くある恋愛小説だった。
 本作で秀抜なのは、『隠し事』や『すれ違い』が隠された題材として修学旅行に絡めてある点ではないだろうか。主人公達が善良で誠実なだけに余計にその葛藤が浮き彫りにされる。
 読み進める内に迷路の奥深さが際立たってくるような良作である。
 

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