2月26日

ボルヘスの『伝奇集』全部は読んでないが、「バベルの図書館」を教わって手に取ったが「トレーン・ウクバール・オルビス・テルティウス」(覚えられん)は再読したくなる程度には好きやな。ちゃんと理解できてないところがあるが。



「翌日、ビオイがブエノスアイレスから電話してきた。百科事典46巻にあるウクバアルに関する項目を見ているという」というのが妙に好きである。昨日話した辞典のことを遠方から電話をよこして、他の版にはみられない項目を電話の向こうで今まさに見ているというのが、ひたひたと架空が現実に来る感覚。



転生したニーチェがツイッターで炎上する物語



ゴッホの切られた耳、盲の父の排泄に伴う瞳の上向、松果線=太陽を直視する目、ヴェスビオ山



横這いの動物のなかで、植物の太陽へと直立するに似る男根直立型の人のかたち、月との性交、潮の干満、雲へと結実する上昇と、雨となり結実する下降のピストン、蒸気機関



毎日その日を140字に集約してみる。悪戦苦闘するでしょう

  ※実行してません



自罰的嘔吐

嘔吐の意味論



渋沢孝輔なら「夾竹桃の道」の最期が嘔吐。サルトルの「嘔吐」は知らない。夢想、誰にも興味をもたれない夢想



エントロピーの極大した後生。みすぼらしい、散漫な、思慮浅い生。死んでると知らない地縛霊



僕にはもはや何もないのだ

僕は空手空拳だ


中原中也(うろおぼえながら)



終わっているのでなにも終わらせられない絶望を無気力と呼ぶ



社会参加できなさに途方に暮れて純然な趣味へ走ろうとしていたが、趣味世界への参加にも絶望感を覚えつつあり、今が晩年あるいは死後と思いつつある



嘔吐は死後としての現在の確認



嘔吐は死後としての現在への抵抗



周囲への気遣いを払って自己に立ち返ろうとするが居留守する唖者自己



書き付けた途端つまらなくなる言葉。自分を書けていない。浮動して苛々してばかりいる。糸杉の春の一列。つまらない。



井の蛙はそれでも空を知るとか。届かない空をね



私ひとりの景色はただ私ひとりに与えられた景色だと安住できればいいのを、共有をもとめるから手足が切り落とされる。そのうち首もとぶ

もちろん、切り落としているのは自分だし、断崖を登りも迂回もできないのも自分のしていることだ



人から貰ってばかりで心苦しい。同情でのみ生かされている感覚



書いても自分に嫌われた自分の機嫌がとれない



辞めたいけど辞めてどうするかというと、「どこ行ってもあることだからな」と返ってくる。生き方がないってことかと、はいという



ただ生きてるだけの生は苦痛だな。貰う助言や誘いや援助を生かせず今はひたすら心苦しい。ただ生きてるだけならまだしも疎外が起きざるを得ないことをしないといけないことにさらに落とされる。



雑踏で自転車ごと倒れたホームレスのおじさん、どうしてるかな。ただ手を貸しただけなのに、泣いて喜んでくれたおじさん。「俺のこと忘れんとってくれ、俺も兄ちゃん忘れんから」と言った13年前を覚えているよ。



憐憫をのみ売り歩き売れ残る



視野狭窄、連合弛緩



しかし またこうした僕の状態がつづき、僕とても何か人のするようなことをしなければならないと思い、自分の生存をしんきくさく感じ、ともすると百貨店のお買上品届け人にさえ驚嘆する。そして理窟はいつでもはっきりしているのに気持の底ではゴミゴミゴミゴミ懐疑の小屑が一杯です。


中原中也/憔悴



路傍の自分をつまみあげる



焦燥感だけがある。あんまり強風でなんもかも吹き飛んでいく



多弁な肉体に対して自己は聾者



自己肯定感の低さで並ぶ者を友達と称したが、牢内の慰めであって、錠を外すことを予めに諦めているから、独りに息を詰まらせる。肯定感の上がるはずもなく、牢のなか私ひとりがすえている。



肯定感をもつための創作趣味がむしろ削りにくるときは寝るしかないか



小林登志子『古代オリエントの神々』チョロ読み

「イスラエル人の祖先は、定住農耕民の周囲を流浪する人々であった」から農夫カイン(定住)に牧夫アベル(流浪)は勝って神の愛を受ける。で、同様にバベルの塔にも定住民へのマウントとりの側面があったんでは、と思ったりした。塔=定住として。

といっても、バベルの塔の話をちゃんとは知らないので、ほんとに連想で、かなぁ?と思っているだけだから、突っ込み待ちのような突っ込み怖いような



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