第8話 白き独白

 言い忘れていた。他言は厳禁であると。


 しかし流石に周りに言いふらすような真似はしないと鷹を括っていた。

建物.......いやそれはきっと道場と呼ぶのだろう。先に戻ったシュラスはミズキと何かを話している.......聞き耳を立てたつもりなどはないが、聞こえてくるワードの動揺を隠せない。


「シュラス、待て。聞き間違いで無ければ貴様は今私が竜であると.......。」


「あれ、言っちゃ不味かった.......?

ごめん、いや申し訳ないです.......。」


 シュラスが慌てて訂正しようとしているが、一度吐き出された言葉が無かったことにする事はまぁ無理だろう。

私がミルラと共に過去に戻れば話は別だが、ミズキにも何れ話さなくてはならない可能性もあった話である。仕方が無いと、思わずため息が漏れる。


「まぁ、良いか。ただし次こそは他言厳禁であるからな。」


 シュラスは壊れた玩具の様に首を縦に振る。

幸いそこには他の門下生の姿も無く、この事を知らないのはミズキとレーネだけだったのが不幸中の幸いだろう。考えてみると私が竜であるということ自体は、この大陸の中だけならそこまで大きな問題とはならない.......が、下手な誤解や争いごとに巻き込まれたくはないと考えれば知られないのが利口だろう。


「龍神様.......だったのですね.......。

我々の無礼を.......」


「ああ良いって。変わらず、私はただの門下生ということで頼む。」


 我の強そうな女性だと思っていたミズキですらも、竜神という単語一つでここまで変わるのだ。私は別に権力のために竜をしていた訳ではなく、ただ竜であっただけなのだからわざわざ態度が変わるというものに抵抗がある。


「つかぬ事を伺いますが、龍神様は何故人の身に?

以前からそのようにして人間界の様子を伺いにいらっしゃっていたということなのでしょうか?」


 入口付近に腰掛けていたレーネが口を開く。


「そこまで固くならなくても良い。

私がいま人のなりをしているのにはある理由があるのだが.......詳しく話すとややこしくなる。

一言でいうならば、四大陸にそれぞれいる竜人を討ち取らねばならぬということだ。」


 少々飛躍しすぎたか、全員表情が固まっている。実際全てを話そうとするならば、私の事に加えて他の竜の事やミルラのことまで話さねばならない。それは流石に面倒というものだ。

やれやれ、どうしたものか。


 なるほど、バレてしまうと面倒事が増えるというデメリットがあることも学べた。


「つまり、龍神様は首都の人間でも無ければサブ湖に裸でいたというのも、記憶喪失であるというのもその事に関係あるのですね?」


「あぁ。記憶喪失であるというのは説明が面倒であった故ついた嘘だ。騙すような真似をしてすまないな、レーネよ。」


「いえ、心配してましたので本当に良かったと思っております.......。」


 ふむ。これが罪悪感というものか。目の前で涙を流すレーネに、若干の申し訳なさを覚える。


「つまるところ、ヴァイスは他の竜に勝つためにアタシに剣術を習いに来たってことかい?

ん〜教えるのはいいが、竜相手にアタシなんかの剣が通用するのかね。」


 う〜んと分かりやすく頭を抱えるミズキ。


「何を言うか。先程私に通用してたではないか。

少なくとも無駄ということはないだろうな。」


「あ、それもそうだったね。」


 本気で失念していたとでも言うように、ミズキは笑ってた。それ程私にオーラがないということなのかと思うと、流石に少しは悲しくなるものだ。


「ここまで知られてしまえばもう変わらないだろうから、話すとしようか。

シュラス、木刀で軽く私を斬って見せよ。」


 私は袖口の石をゆっくり握る。仄かな温かさが体全体を包む。正直驚くほど心地が良く、浸っていたくなりそうだ。

そんな気持ちを振り払い、私は軽く構える。


「分かった。」


 シュラスは手に持った木刀を肩口から振るう。しかし、コッという音。私の肩を捉えた木刀は硬質化した私の皮膚に弾かれる。


「やっぱ、アンタすげぇな。正直壁でも叩いてるような感覚しかしないぜ.......。」


「私はこの竜の欠片と呼ばれる石に触れることで、元の体の力を断片的に引き出すことが出来る。

今のは皮膚の硬質化で、この通り例え真剣であっても弾いてくれるという訳だ。」


 コツコツと、自身の胸元を叩いてみせる。


「そのような力があるならば、剣術など不要じゃないのかい?

見たところアンタ、剣を構えるよりも鈍重であろうとなんであろうとその体で戦う方が強いと思うね。」


「あぁ。それは百も承知だが、残念なことにこの力は無限には使えないようで持ってせいぜい2分.......いや、実際にはもっと短いかもしれない。」


 袖口から漏れる温かさがだんだんと薄れてゆく感覚に私は若干弱気になる。実際問題、戦ってる途中で力が切れてもう戦えませんでは困るどころの話ではないのだから。


「なるほどね。分かったよ。

アンタはそれを補うために基礎の戦闘力を鍛えたいってことね。」


「そういうことだ。そして、私はこの大陸にあと三つほど転がる欠片を集めることを当面の目標としている訳だがその合間を縫ってミズキには指導してもらいたいと考えている。」


「ん。よく考えてみれば、アンタの他にもあと三人いる竜もその力が使えるって訳なんだろう?

やっぱり心配になるねえ。」


「理解が早いな。他の竜達が例えば私より早く欠片を集め切って責められては一溜りも無い。

そういう訳で、少し厳しくても構わないから出来るだけ早急に鍛えてもらいたいというわけだ。」


「アタシには荷が重い.......とは思うけど、そういうの燃えるタチなのよね。分かったよ。アンタを鍛えられるだけ鍛えてやるわ。


ただし、剣術もそうだけどアンタが最後に頼ることになるのはきっと体術になるでしょうから、そっちもね。スパルタになるから、覚悟しなさいな。」


 ミズキはそう言うと、今日はおしまいと言うかのように奥の部屋へと歩き出す。


「あ、そうそう。寝床がなければアンタ達四人ここで部屋貸してあげるからね。」


 ミズキは今度こそ奥へと消えていった。


「師匠のスパルタは本当にキツイからな.......。

頑張れよヴァイス.......。」


 シュラスは少し怯えるようにそういう。きっと、よっぽどなのだろう。


「こういう時に言うべき言葉.......望むところだ.......かな。」


「いや。本当に.......うん。頑張れ。」


 どうやら本当に怖い目に遭っていたようだった。

時刻はまだ昼を回ったくらい。道場の周りは着いた朝方に比べかなり騒々しさを増してるように感じる。


「これからどうしようか。俺も首都くるの久々だし、少し回りたいって思ってるんだけどどうする?」


「もし、宜しければ私は一度生家に戻りたいと考えています。朝には心の準備が必要と言ってしまったのですが、やはりあとに伸ばす程に行きにくくなるかと思いまして。」


「では、私はミルラについて行くことにしよう。

レーネとシュラスは折角の首都だ。遊んでくるといい。夜にまたここでということにしよう。」


 どこかうずうずしていたシュラスは、私の言葉を聞くなりキーラの手を引いて外へと飛び出して行った。


「ミルラの生家、ここから遠いのか?」


「いえ、それほど遠くはありません。きっと行こうとすれば一時間も掛からずに着くことでしょう。」


 ミルラはゆっくりと外へ歩みを進めるので、私もその少し後ろを歩く。

大通りへ出ると大量の人間が忙しく動いている。


「ここから少し北西に抜けますと馬車に乗ることが出来ます。馬車でしたら十分と掛からず着きますので今回はそうしましょう。」


 ミルラは大通りを横切るように進む。そして見えてきた拓けた広い道には馬車が行き交っていた。


「シレラフまでお願い出来ます?」


「あいよ、乗りな。」


 ミルラは銀貨を一枚手渡す。そして私たちは馬車に乗り込んだ。


 ガタガタと揺れる。朝方まではよほど深い眠りについていたのか気づかなかったが、あまり乗り心地が良いとは言えない。

 しかし、その速度は歩くに比べて遥かに早い。そして周囲の景色を見る暇もなく、気づけば郊外の小さな街へと着いていた。


「ここですこの街です。少し歩けば私の生家があります。」


 馬車を降りたミルラはゆっくりと歩く。その足取りはとても重そうで、後ろから眺める私にもその感情の一端が伝わってくるようだった。

ゆっくりゆっくり歩く。


 そして見えてくる。低い家々が建ち並び、心地よい活気を感じる。


 そして、ミルラはその中で平凡な一軒の前に止まる。木造の平屋は一軒のように見えるが、すぐ横に連なる家にも繋がっている。


「少しいいですか。やっぱり少し.......少しだけ心の準備が.......。」


 見ればミルラは震え膝は既に地面につきかねんと揺れる。それを何とかして押さえつけている。

私は待った。私がどうしようとすること自体が、彼女のその意思を踏みにじってしまうようで。


 ミルラは苦しそうに大きく息を吐く。そして、声もなくチャイムを押した。重い空気には時間をゆっくり進める効果があるようで、押した後のアクションまでの時間がとてつもなく長く感じた。


 中からは一人の女性が出てくる。


「ミルラ様.......ミルラ様ですね!?

少々お待ちくださいませ。」


 初老であろう白髪の女性は慌て、叫び家の中へと帰って行った。そして女性はもう一人女性を引き連れて戻ってきた。


 母親なのだろうか。見た目の印象は若い。しかし、漂う雰囲気からそう永くないということが予想できる。それ程まで病的に疲弊しているようだった。


「ミルラ.......ミルラなのかい。」


「はい。お母様。」


「もう帰ってくることはないと思っていたわ。

おかえりなさい。貴女には話したいことが沢山ある.......のだけれど、そちらの方は?

まさかとは思うけど.......。」


「ええ。その通りです、お母様。」


「.......本当なの?

本物なの.......かしら。いいわ。お二人共まずはお上がりなさい。」


 女性は丁寧に私たちを招き寄せる。ミルラの怯えようから想像してた様子とは違い柔和な雰囲気を漂わせる彼女は、酷く重い足取りで白髪の女性の肩へと掴まった。


「ヴァイス様、お上がりになってください。」


 ミルラは私の手を引く。私はミルラの後に続いて家の中へと入った。内部はとても自然な造りで、木材の柔らかい温かさとそこから差し込む陽の光の雰囲気はとても良く感じられる。

豪華では無いものの、どこかに裕福さを感じさせる不思議な魅力があった。


「今ご主人様を呼んできますので、お二人は御くつろぎになってお待ちください。」


 白髪の女性は、二枚の座布団を敷く。置かれたテーブルの正面にミルラの母親。そして隣にもう一枚の座布団が敷かれている。

私は、ミルラが母親を避けるように座った為に必然的にミルラの母の正面へと座る。


「龍神様.......で宜しいでしょうか。少々お待ちさせてしまう無礼をどうかお許しください。」


「あぁ。そうさな。私は如何にも竜神であるがそう畏まらなくても良い。」


 幾度となく繰り返したやり取り。


「お待たせしてしまって申し訳ない。」


 着物姿の男がゆっくりと歩いてくる。180は越えてるであろうそのその大柄な男はミルラの正面へと座る。


「私はイルヴルと申す者で、こちらは六代目のリーシェラ。


そしてまずはお礼を。ミルラが世話になったようで、本当に感謝をする。

そして、謝罪を。我が愚女が本当に迷惑を掛けてしまったようで申し訳ない。」


「いえ。寧ろ私が付き合わせる形となっている故こちらこそ感謝したい。


自己紹介させて頂くが、私はヴァイスと申す。

主が一族には既に通じているとは思うが、私はこの地の竜として創造された者だ。今は一介の旅人となっているがな。」


「話は我が従僕から聞いております。そしてそう聞かされたからには、こちらとしては謝罪をさせて頂きたい。


この身は婿として迎えられた身である故に直接の血族ではない.......しかし、我らが先祖がこの地の主たる龍神殿に無礼を働き、尚もこうしてその力を使用させてもらってることに深い謝罪を。


我らの身は全て龍神様に捧げても良いと。我ら一族はそう考えております故、お望みとあれば我らの命全て龍神様に捧げる所存。」


 二人.......いや、ミルラも含め三人は私の眼前で頭を擦る。この世界へと飛ばされた直後にも味わった感情である。


「頭をあげよ。私は別に貴様らへと怒りなど持ち合わせては居らんのだよ。

百年。それだけの月日は私の人間への怒りをほぼ鎮火させたと言っても良いだろう。

そなた達はこれまで通り暮らしてればそれで良い。ただし、捧げると言うのであればそが娘は私の為に働いてもらいたいと考えている。


片目がないというのは何分不自由なもので、唯一この世界で代わりを務められるのはミルラだけなのだ。

それだけを許して頂けるか?」


 驚いた表情。これも何度も見た。

しかし実際に人間に対しての怒りは自身が驚くほどにすっぱりと消えているのだから、そうとしか言い様がなかった。


「我が娘。龍神様のお役に立てるとあらば是非。」


 イルヴルは深く頭を下げそういう。


「既にミルラには承諾を得ている故。」


「私は.......私はミルラが龍神様が来ると言った時、信じることが出来なかった愚かな母親です。

どうか、娘を宜しくお願いします。」


「了解した。」


 見ればリーシェラは涙を零している。


「ミルラよ、積もる話。家族だけで話したい話もあるだろう。私は席を外すとしよう。」


 私はそう言って立ち上がる.......が、手を引かれる。


「お待ちください.......。」


「龍神様、私は話さなくてはならないことがあります。もし、お手数をお掛けする許しを頂けるのであれば是非お座りになって下さい。」


 良くはわからないが、私は起こした膝をゆっくりと沈めまた腰を下ろした。

先ほどよりも空気が張りつめたような気がした。


「一族の女。私の一族の長女には例外なくこの瞳の力が受け継がれております。

そして受け継いだ後にその母はその眼の力を失うことになります。一族ではその事を娘が親になるまでは伝えてはならないというルールがあります。


これにはいくつかの理由があり、一つが私利私欲のためにこの力を使うことの防止があります。

もし、娘が生まれた後には使用ができないと知れば娘を産もうとしないこと、産む前に私欲を満たそうとする可能性があるからと考えられたそうなのです。


そしてもう一つ。龍神様はお気づきかと存じますがこの力、少なくとも人の身には余る力でございます。

私は眼の力を使う毎に寿命を失ったかと思います。私の母も早死で私が十を数える頃にはこの世を去っておりました。


この瞳の力では赤子の未来を見ることが出来ないために、他人から聞く以外では知る由がありません。

そして私もこの通り、既に死に体でいつ死ぬかも分かりません。このことは、自身の娘には絶対に伝えてはならないと決まっていたのですが、私は伝えてしまいました。


ミルラは小さい頃から空の景色が見えると申しておりました。そしてそれは次第に変化して行き、遂には龍神様が見えるなどと言うようになってました。

私はそれを信じることが出来ず、娘の辿るであろう未来を伝えてしまいました。

その後娘とは疎遠になり、いつしか龍神様と会うためにとわざわざ南のラウラ鉱山まで一人で行くと言い出して出て言ってしまいました。全ては私が悪いのです。


私は.......私はその力を自身の欲望のために何度も使ってしまったのですから。

私はきっと娘が憎かったのでしょう。私が巫女として祀られるための要因であった未来視を取り上げた娘が。


私は、生きているうちに龍神様に会えてよかったと思えております。どうか、この一族が龍神様に対して果たしてきた誠意を踏みにじり初代にすら劣らない欲望に踊らされたこの醜い女を龍神様のその御身によって葬って下さいませ。」


 それはきっとミルラへの自身の独白なのだろう。向きは私を向いてるが、その心は完全にミルラを向いてるようだ。止め処無く溢れるその涙はきっと偽りのものでは無いということだけは伺える。


 ミルラは辛そうに、その嗄れた声に耳を傾けていたが彼女は凛としてその母を見つめていた。少女かと思えば、歳を感じさせぬその強さには私も些かながら驚かされた。重い空気。口を開くことさえはばかられるような空気がこの部屋を支配している。

だがしかし、私は言わねばならない。


「人間。私達竜や神とは違い短い期間しか生きられぬ人間。だからこそその短い期間を輝かせたいと思うこと自体は、私は罪とは思わぬ。


貴様も、そして私の瞳に傷を入れた先祖も目の前に生涯をかけても手に入らぬ幸福があると知ってしまったことが運の尽きだったのだ。

たとえ私であったとしても、それは抗うことが出来るか不安になるほどの誘惑である。


それ故に私は貴様を責めることも、殺すこともしない。ただし、貴様は貴様であり娘に過多干渉すること自体は罪となるということは分かるであろうな。

故に、私ではなく許しを乞うのであればミルラに委ねるべきだろうと私は思う。」


 私はそう言って、少し身を引いた。リーシェラが目線を上げることは無い。頷きひたすらに涙を零しているだけだった。


「お母様。お母様が罪を犯したと言うのであれば、私も同罪でございます。

私は龍神様と会いたいという自身の欲望のためにこの力を使い、この家を捨てたのですから。


本来許しを乞うのは私だと思うのです。本当に申し訳ございません、お母様。」


 ミルラが俯くことはなかった。しかしそれでも瞳から零れ落ちる雫がゆっくりと膝元を濡らしていく。


「龍神様.......どうか、どうかミルラを宜しくお願いします。そして可能であればもう私のような善くない女を生み出すことがないよう、返却を.......。ミルラには.......。」


 嗄れた声はそこで途絶えた。


「善処しよう。」


「ありがとうございます。」


 リーシェラはそう言うと糸が切れた人形のように音もなく横へと倒れた。

倒れたリーシェラをイルヴルが受け止める。体力の限界のようだ。


「申し訳ございません。今日はもうここまでで宜しいでしょうか?

我々はいつでもここにおります故何かあれば来て頂ければと.......。」


 イルヴルは一礼すると、リーシェラを抱えて襖の奥へと消えていった。

私とミルラは、彼女の生家を後にすることにした。


 ゆっくりと歩いて道場へと向かう。お互い交わす言葉はなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る