第4話合格をくれた高校

内心馬鹿にしていたような高校だし、ほとんどの生徒が第一希望を不合格になって来ている高校だ。

第一希望に合格して華々しくスタートを切った学校の雰囲気とは、違う。

しかし、私は息子の制服の採寸の時、周囲の諦めきった顔に、とてつもなく怒りが湧いた。

ある生徒が

「こんな低レベルの高校」と言う。

「入学おめでとうございます」という言葉に対し

「おめでとうなの?」と笑った母親がいたこと。

どんなに抵抗しようが

この世でたった一校、合格をくれた高校なのだ。

人のふり見て我がふり直せ、だ。

私は沈んだ息子に長い手紙を書いた。


高校の三年間はとても早い。

一気に通り過ぎて行く。

一番大事なこと。

それは、まだ高校受験くらいじゃ成功も失敗もない、ということ。

合格と不合格は

天国と地獄だと、そんな苦さを味わったのは確かだろう。

しかし、こんなところじゃ、まだまだ。

次にどんな人生にしていこうか、

舵取りをしていくのは

自分なのだ。

こんなところで落ち込んでる場合じゃない。

人生は長い。

まずは、提案。

ルックスをこれ以上できないくらい磨こう。

筋トレくらいできるでしょう。

これ以上できないくらい、きれいになって新しい自分を、スタートさせよう。

第一希望落ちて、ルックスが悪かったら何より自分が一番つまらないからね。


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