第玖話 彼は一若くんとその他

ワタシは一若くんの推薦によって、清須城きよすじょうの台所の取り仕切りっていうのを始めた。


料理は好きだし、ワタシも得意だからはりきっちゃった。お給金が沢山貰えたら秀くんに良い着物を買ってあげたいしね。


そー言えば、この前帰ったらちょっとすっきり表情をしてたからきっと良い事があったかも知れないわ。秀くんが嬉しいとワタシも嬉しいし。


「秀与、薪の量がかなり減ったみたいだな。かなりお偉いさんから反響が良いぜ」


ワタシが考え事をしていると、いつの間にか背後に来ていた一若くんから声を掛けられる。


そうそう!ワタシが働いてる場所、勿体無いくらい薪をバカバカ入れちゃって勿体無い!って叫んじゃったの。


で、ワタシがちゃーんと数じゃなく質なのよって教えてあげれば薪の量も減って周りの人から御礼を言われちゃった。


「で、今日はどうしたの?」


「ん、ちょっと顔を見に」


疲れた表情をした一若くんがこっそりとワタシを抱き締めてくる。そう言えば、今はお城の石垣修理が中々進まないって、嘆いてたわよね?


「一若くん、大丈夫?」


「んー、秀与見たら元気でたぜ?兎に角、色々あるがどーにかするわ、秀与も頑張れよ?」


笑った一若くんがワタシの唇に触れるだけの口付けをする。


ちょっとお疲れモードかしら?


「………お世話になったし、秀与頑張っちゃう!」





※※※





台所の仕事を終えたワタシは、とある場所へ。そこは一若くんが悩みに悩んでいる、石垣修理の場所。


前にチラッと見た時と今日見たのと修理は余り進んでいないみたい。作ってる人達を見ると、うん、凄い筋肉っ、ふふ、オイシソウ。


ワタシは作業する人達の方へと向かう、表情を見るとやる気があるか、ないかで言ったら無いように見える。こういうのって、競い合わせてご褒美貰えるとやる気って出たりするのよね?


「すみません、良いですかぁ?」


甘える様な声を上げて、ワタシは作業している人達に声をかける。


「あ?何だ?」


ぶっきらぼうな物言いだけど、貴方の視線がワタシの大きなおっぱいに向けられてるのは知ってるのよ?


「あの、作業してる人達で食べて下さい」


相手に擦り寄って、ワタシは台所から余った食材で作ったものを差し出す。それをみた作業する人達は輝かしいまでの笑顔を見せ、作業を一旦中止してワタシの方へ寄ってくる。


ふふ、掴みはオッケーよね?


「ありがとうよ!」


「そんな、気にしないで下さい。皆さん、頑張って下さってますからー。それで、ちょっとご相談があるんです」


この中で比較的偉そうっぽい人に擦り寄って、お強請りタイム。


これで、一若くんの仕事が減ればって思いワタシは提案する。


ずばり!組分けして作業を早く終わらせた組には、ワタシからのあまーい、エッチなご褒美をプレゼントっていう話を。


案の定、この話に乗った作業する人達、競争して作業時間が短縮、一若くんが悩んでいた事を解決した。


ふふ、ご褒美?勿論、一番早く終わらせた人達全員でワタシがエッチな事をしてあげたわよ。気持ちイイのは大好きだし。


因みに、一若くんにその事が伝わっちゃって、嫉妬?かしら、激しいまでに一若くんにエッチな事を沢山されちゃったわ。


え?計算?ふふ、それはなーいしょっ。

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ひでよビッチ 紫斬武 @kanazashi

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