第8話 パンツレスラー空人


落ち着いて少し休憩をしてから三時間くらいブルース先生のこの世界の情勢や価値観、常識などを詳しく教えてもらった。



一応纏めてみよう。



・この世界にも人は居るらしい。他にもエルフやドワーフ獣人、空にハーピィ翼人などが、海には人魚や魚人もいる。人族以外は纏めて亜人と呼ぶ。それと別枠で魔族、魔人が居るとのこと。恐ろしく強いらしい。


色んな種族が居るとは夢が広がるな…!けど、魔人には注意しないと。魔物も魔族に含まれるがそれとは別に幻獣も存在する。



・各種族はそれぞれ国家を持っていて独自の文化を持ち生活しているそうだ。



・まず魔法は誰しもが扱える。魔物は生まれてから1日経てば使えるのが普通らしい。



魔物ってすげぇんだなとただただ感心してしまった。



・この周囲には森の反対側に三日ほど進むと人族の国が、森の中にはエルフの集落があるらしい。


どうやら俺はエルフに接触するかもしれない。仲良くできるだろうか。



・転移した時、右に見えた岩山は鉱山でドワーフの国家がある。


ドワーフも興味深いなあ。少し落ち着いたら見に行くのも有りだろう。



・スキルは神の与えた加護であり、個人個人に違う能力が与えられる。



・自分のステータスを見ることが出来るらしい。



これには素直に驚いた。ますますゲームっぽい!でも自分の強さが数字で表れるのはちょっと気が引ける。けど、それが自分の今の強さなのだ。



・現在俺が居る森の手前の川を南とし岩山は東、高い山が見える方は西でこの草原は大陸のほぼ中央にあたる。



この草原は各種族の争いの場として使われているとのこと。



・森の中にはダンジョンが存在するらしい。ちなみにブルースはこの森出身らしい。


ブルースライムはグリーンスライムの別種でその違いは水辺に住んでるか森に住んでるからしい。



ブルース先生の授業はかなり為になった。博識である。



「ブルース、さっき言ってたステータスの開き方を教えてくれ。」



『ステータスオープンと呟けば出るでござるよ。』



マジか、めっちゃ簡単じゃん。よ、よし、


「ステータスオープン」



目の前に半透明の長方形の板が表れる。そこにはこう記載されていた。






名前 ソラト・ユウキ(結城 空人)


レベル9


年齢 20才


職業 拳闘士


称号 魔物の主 異才の料理人 漂流者



能力


物理攻撃力 パンツレスラー


物理防御力 紙装甲


魔法攻撃力 歪みねぇな


魔法防御力 豆腐


敏捷 うさぎさん


運 そこそこ



所持 異界の通信具 異界の通貨 異界の運動着



テイム ヒューマスライム《ブルース》


魔法 氷魔法


スキル 地図 怒り


耐性 飢餓



神から一言 まぁ、その…ごめん(´・ω・`)間違えて殺しちゃった(てへぺろ…そっちの世界で強く生きて(´p・ω・q`)♪






そっと閉じる…なんだこのステータス。おかしいだろ…?おかしいだろぉー!!パンツレスラー並みの物理攻撃力っなに?魔法攻撃力歪みねぇなっておい!!絶対ニコ○コユーザーだろ?!


なんだよ敏捷うさぎさんて?



小学生が俺の能力書いてんの?



何?神様のイタズラなの?どゆこと?



おいネ申ィッ!なんだよ強く生きろって?!えっ?まじでどゆこと?



「な、なあ…ブルース。普通は攻撃力とか敏捷って数値で表れるんだよな…?」



『そうでござるよ?何かおかしな点があったでござるか?』


おかしな点しか見当たらないんだが…どうすりゃいいんだろ俺。



ブルースが俺の事を見ている。心配してくれるのか?この世界は俺に厳しすぎるのかもしれない。だけどお前だけが心の拠り所だよ。



『その…テイムの能力で主殿の感情が直接伝わってくるので察するでござるが拙者は主殿に使えることが出来て果報者にござる!』



とブルースに言われた。


なんだこの子、完璧超人かよ…!



俺はブルースをまた熱く抱擁した。



『あ、主殿~…く、苦しいでござる~!でも嫌じゃないでござる…。あうぅ…』



少し怒りは安らぐ。うちのスライムは可愛めだった。


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