第13話 こんな広さの場所の地図なんて大雑把に決まってる

アシン城の城下町はとても大きい。

首都と言える存在だろうし当たり前なのだが、どうしてもファンタジー世界の王都って小さいイメージがあるのよな。

ファンタジー世界ってだけで未開拓な地が多くて街の外はモンスターや賊が跋扈してるようなイメージが先行してしまう。

こういった考え方を偏見って言うんだろうけど、どうしても固定化されてしまっている概念は急に直すことは出来ない。

この関所から見て正面の広い通りは出店や宿屋などの施設で賑わっている事から正面通りと呼称しよう。

城下町側の門番に地図はないか尋ねる。

「兵士さん、この町の地図って置いていますか?」

「あるぞぉ。ほい、お嬢ちゃん可愛いからタダであげるよ」

「わぁ!ありがとうございます、兵士さん!」

「なんか困ったことがあったらいつでも声をかけてくれよな?」


フ...。

ちょろいぜ。

念願の地図に目を通してみると衝撃の事実が浮かび上がる。

「この地図...大雑把過ぎて分かりにくッ!」


よくよく考えれば異世界ファンタジーの定番と言える世界で現代人の言うまともな地図というものが作れるわけもないし無料でもらえる訳がないのだ。

これを知った俺はわざわざ兵士に話しかけなくても良かったかなと思ったのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

最近転生が流行っていると聞いて 白ノ宮 @sironomiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ