後編

食材の準備も終え、俺は幼馴染が来るのを待っていた。


ピンポーン


「は、は~い」


俺はゆっくりとドアを開ける。


白いワンピースに、いつもの長い髪をポニーテールにしていた。


正直めっちゃ可愛い。


「...どうぞ」


「お、お邪魔します...」


彼女もそれなりに緊張してるようだ。


「久しぶりに来た」


「そうだね、二、三年ぶりか?」


「二年と三ヶ月ぶりだよ」


少し顔をムッとさせながら言ってきた。


(なぜか怒られてる?俺なんか怒られることしたっけ?あ!さっき変なこと口走ってたわ...)


彼女に荷物を下ろしてもらって、キッチンに集合する。


「あれ?エプロン無いの?」


そう、今さらだが一緒に料理をするのが初めてというわけではない。


小中学校の頃はよく料理をしていた。


最近はなかったけど。


「ほい、どうぞ」


俺はエプロンを彼女に渡す。


「ありがと」


彼女が着替えている間に、俺はしっかり手を洗った。


さあ、調理開始だ。


まずはキャベツを切る。


(サンドイッチだから千切りというよりは手で千切った方がいいかもしれない)


その間に彼女は卵をとき、スクランブルエッグを作っていた。


(さすが、手際がいいな)


俺はソーセージを切っていき、小さな皿に乗せていく。


「トマトとかもつける?」


「そうね、あ、後、味の足しにマヨネーズもかけよっか」


俺はあらかじめ耳を切ったパンを二人分取り出す。


そこに彼女と一緒に食材を乗せていった。


「「完成!!!」」


二人でハイタッチをする。


笑顔が溢れてくる。


(やっぱり、楽しいな...)


俺と彼女は向かい合って席に座りながら、野菜の詰まったサンドイッチを食べていた。


「ねえ?」


「ん?なに?」


「さっき言いたかったのって本当はサンドイッチ作ることじゃなかったんでしょ?」


(さすが幼馴染、お見とうしだったようだ)


「本当は何が言いたかったの?」


彼女は口をモグモグさせながら聞いてくる。


俺は唾を呑みこみ、立ち上がった。


そして、彼女の近くに行く。


「笑わないで聞いてください」


「は、はい...」


俺は少し逡巡してから口を開いた。


「俺はお前のことが好きだ、さっきは恥ずかしくて変なこと口走っちゃったけど、これが本当に伝えたかったことです」


彼女は少し固まっていたが、その後すぐにニヤリとした。


「私、そんなに可愛い子じゃないよ?」


「顔で決めてる訳じゃない」


「結構めんどくさがりだよ?」


「俺はこう見えて世話焼きだから、大丈夫」


「でも、私...」


「ね、ねえ!!」


俺は彼女の肩を掴んだ。


「俺じゃあ、ダメかな?」


「...ない」


「え?」


「ダメじゃない!!」


「おお!!」


少しビックリした。


彼女の顔が赤くなっている。


「俺でも良いですか?」


「また、おいしいサンドイッチを一緒に作ってくれるなら良いよ」


「もちろん!!!」


今日のサンドイッチがいつもより美味しく感じられた。

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サンドイッチ 白ラムネ @siroramune

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