1-7

「梢」

「はい?」


 理恩は梢を一瞥してから「おまえが接点をつくれ」と軽く言ってのけた。


「な、なんで私が」

「この中で一番一軍とやらに近い外見をしてるのはおまえだけだろ」


 一番というか、この中に一軍入り出来そうな人間は梢以外、皆無だ。


 理恩に顎で使われるのは癪にさわるが、明るい高校生活を送る為に自分が何か出来るのならやるしかないと、ゴクリと生唾を飲み込んだ。


「……どうすればいいの?」

「取り敢えず、そうだな。告ってこい」


 梢は勿論、全員が目を見開いた。


「…………はああ!?」


 小比類巻梢、16歳。


 前途多難な高校生活の幕開けである。


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