セクハラ対策と少子化対策

第1話

セクハラ対策と少子化対策

とある広告会社が、厚生労働省から、セクハラ対策ポスターと少子化対策ポスターの製作を請け負いました。広告会社の板場佐美男（いたば・さみお）が、出来上がったセクハラ対策ポスターと少子化対策ポスターの文言を並べました。

セクハラ①女性が不快に感じたら、それはセクハラです。男性が不快に感じても、それはセクハラではありません。

少子化①少子化の元凶は草食男子。猛アタックで女を落とせ、日本男児！

セクハラ②露出の多い服装は、男を誘うためじゃありません。

少子化②露出の多い服装は、男を招く合図なり。チャンスを逃すな日本男児。

セクハラ③ブサメンが女性を誘うのはセクハラです。イケメンにはブスを誘う義務があります。

少子化③男は顔じゃない。不細工男も遠慮は要らぬ、大和撫子は日本男児の誘いを待っている。

セクハラ④女性をいやらしい目でじろじろ見るのはセクハラです。

少子化④ 恋の始めはアイコンタクト。まずは女の目を見つめるべし！

セクハラ⑤しつこい男はストーカー。何事も諦めが肝心。

少子化⑤「嫌よ嫌よ」も好きのうち。足りぬ足りぬは、粘りが足りぬ。諦めません、勝つまでは。

セクハラ⑥女性の体に触れるのは痴漢です。

少子化⑥会話の次は手をつなぎ、肩を抱き寄せスキンシップ。

セクハラ⑦みだらな行為は恥ずかしい。女性が性交許諾書に押印しない場合、強制性交等罪に問われます。

少子化⑦愛の営みすばらしい。据え膳食わぬは男の恥。

セクハラ⑧荻野式、危険日避けて、安全日。

少子化⑧荻野式、受胎日狙って、愛の営み。

セクハラ⑨コンドーム、つけて性病、避けましょう。

少子化⑨子宝が、欲しけりゃ捨てろ、コンドーム。

板場佐美男は、「そういえば三宅久之が『セクハラとは、好きな人にしてほしいことを、嫌いな人からされること。』って言ってたなあ。男は一体、どうすりゃいいんだよ。まあ、この国はどうにもならねえだろうなあ。」と思いました。