第34話 くろぼう

 こんばんは。

 私は京都に住んでいますが、両親が福岡の人間だったので、「くろぼう」という九州銘菓(?)が好きで、よくおやつに食べていました。


 くろぼうは福岡のおばあちゃんが送ってくれていたのですが、最近どこのスーパーでも売っているので気軽に買うことができて嬉しいです。

 昨日も知人がどっさり入ったくろぼうの大袋をプレゼントしてくれて、よだれがいっぱい、いえいえ、嬉しくって涙がいっぱいでした。


 そもそも、くろぼうってなんぞや?と思われるかもしれませんので少し説明を。

 くろぼうは黒糖でコーティングされた小麦粉のカステラのようなクッキーのようなお菓子です。

 伝わったでしょうか。

 気になる方はお菓子売り場へゴーです。


 さて、このくろぼう。お茶と食べてもいいし、珈琲でもおいしい。お抹茶は試したことはありませんが、何にでも合うお茶請けです。

 食べると黒糖の甘さがほんわり口の中に広がります。甘いんだけど、優しいお菓子です。ついつい何本も手が伸びちゃう。

 菓子袋の裏面をチェックして、是非九州で作られたものを食べてみて下さい。


 そんな止められない「くろぼう(黒棒)」ですが、実は私は黒糖が苦手。濃い甘い、のクラクラする感じがあまり好きではないのですが、くろぼうは好き。

 何なのでしょう、このわがまま種別。

 黒糖のお菓子はこれ以外あまり食べません。黒糖蒸しパンも手を出さないです。それに黒蜜も好きじゃない。

 それだけくろぼうが美味しいってことなのでしょうか。

 そうなると、ますますくろぼうが愛しく思えちゃいますね。


 そんな私のくろぼう愛は一時期途絶えていました。

 くろぼうが美味しくない、と衝撃を受けた時期があるのです。

 乾燥してぱさぱさの、おいしくないくろぼう。

 そしてそれは、私の苦手なただの黒糖ではないのか、という疑い。


 背を向けた相手に、再び向き合ったのはお土産のくろぼうを食べた時のこと。もちろん、スーパーに売っているそこらへんのもの。

 おいしい。

 しっとり、柔らかな甘さがじんわり口に広がっていく。

 癒される甘いお菓子、くろぼうの復活です。


 今では揺らぎないくろぼう愛にも、そんな過去があったのです。

 たまに「ばなな」に浮気しますが。

 ちなみに「ばなな」はバナナの味がする白あんの入った、あのカステラです。

 あれ、大好き。

 くろぼうがチャーミングなクラスメイトなら、「ばなな」は永遠のマドンナです。

 あ、既にくろぼうが負けてしまっている……。

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