第28話 傘

 こんばんは。

 この前雨が降った時に、もう何年も使っている傘が雨漏りしている事に気が付きました。


 傘を差しているのに、なぜか濡れる、と不思議に思っていて、傘の差し方が悪いのか、とずっと思っていたのですが、どうやら傘自体が雨漏りしてるやんか、と気が付いたのです。開いた傘を差して、よく見ると、ちょうど真ん中のとこから水滴が伝っていました。だだ漏れです。


 よくぞまあ、これまで気が付かずに傘差してたもんやと我ながら呆れますが、新しい傘を買うにも、雨が降っていない日には傘の存在自体を忘れているので買い忘れてしまいます。おかげで、雨漏りする傘をまた持っていく羽目になるのですが、差すまで思い出さないという迂闊さで、毎回濡れる羽目になります。


 若い頃に、凄く気に入った傘があって、高いけれど思い切って買ったものがありました。今どこを探しても似たようなものすらありません。

 そのお気に入りの傘は、土砂降りの雨の日に友達に貸して、電車に乗っている間に雨が上がり、その電車に置き去りにされて、忘れ物センターにも届かなかったというなんとも悲しい運命をたどりました。

 誰か気に入って持っていったのかな。どこかで大切に使われているのなら、文句はないのですけど。


 傘って、雨が降らないと、その存在を忘れてしまいますね。


 昔、アメリカに留学していた頃、アメリカ人は傘を差さなかったので(そこの地域だけかもしれませんが)、傘を持たない生活に慣れた時期があります。

 もともと、滋賀県育ちで自転車に乗ることが多い生活で、自転車漕ぐ時には傘じゃなくてカッパを着ていたので、傘の出番はあまりなかったのですが、日本にいた時以上にアメリカでは傘の存在が忘れ去られていました。


 それが、今や徒歩の生活。傘がなけりゃ、濡れネズミ、いや体は熊なみに大きいですけど、とにかく、傘は必需品。

 新しい傘を買うかな、と思いつつ、日中になったらきっと忘れてしまうんだろうな、と思います。


 と、ここまで書いてきて、思い出しました。

 傘が必要になった時に困るから、折り畳み傘を買った記憶が。それに日傘も雨天対応のものを買ったな、と。

 なんや、思ったより傘あるやんか。

 なんともお騒がせな傘のお話でした。

 

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