第6話 パーティードール③

 レディは何度か深呼吸を繰り返し、気息を整えてから会場の重い扉を開けた。

 次第はそろそろ終盤で、来賓席に座る偉い方が閉宴の挨拶を述べるところだった。このあと斗真がスピーチをして、主役は退場となる。

 斗真はスピーチのときに会場を何となく見るだろう。目に留まらなくても良い、でも――

 ふと会場内を見ると十子の前に中西が立っていた。堂々として場馴れした彼女のほうが、レディよりもずっとその場に似つかわしいと、劣等感めいたものを抱きそうになって、すぐさまレディは首を振った。

 気後れしてどうする。だったら最初から話を受けなければよかったじゃないか。

 レディは背筋を伸ばし、胸を張った。前を鋭く見据えて堂々と歩き始めると、数秒もしないうちに会場内の空気感が変わった。十子の隣でただぼんやりと立っていた時よりも、たくさんの人の視線を感じるような気がした。


 十子に向かって歩くレディに対し、十子は扉側に背を向けて立っていたので、その向かいに立つ中西のほうが先に気がついた。

「あら? まりあさんどうなさったのかしら」

「はい?」

 中西は印象の変わったレディを驚きや羨望のこもった目線で見つめた。十子がなんのことかわからないと言いたげな顔をすると、中西が扉の方を指差す。

「ほら、ドレスを着替えてらっしゃって」

「――」

 十子が中西に促され扉の方を見ると、そこにドレスを着替え、髪型や小物類までそれに合わせたレディが立っていた。



 清楚な純白のドレスと、銀色にきらめく宝飾品。立体的にまとめられたアップスタイルの髪型。高いヒールにはオレンジのバラが詰め込まれていて、歩くたびに揺れるテールカットの裾から覗いては鮮やかに彩る。

 全体的にクールな印象でまとまっているそれは、先程まで"可愛らしい方"と言われ続けたレディの評価を覆すほど、洗練されていて美しい。

 まるで別人のように大人っぽくなったレディの堂々とした姿に、十子は言葉を失って、近くに来ても何も言えなかった。


 十子と対峙したレディは、軽く身体を曲げて頭を下げた。まずは十子にドレスを汚してしまったことを謝るところからだ。

「十子さん申し訳ありません」

「まりあさんそれは? わたくしの用意したドレスは?」

 ドレスについて問いただす十子に、レディは顔を上げた。

「部屋に。汚してしまったので、斗真さんが用意してくれたドレスに着替えてきました」

「……なんてことを……」

 十子が苦虫を噛み潰したような顔をしていると、その隣の中西が対照的に笑った。

「まあ、斗真さんが? 中々見かけない形のロングドレスですね。羨ましいわ!」

「はい。あの、すごく素敵なドレスですよね?」

 レディの言葉は思ったまま素直な感想だった。

 単純にレディにとっても好みのドレスではあるが、込められた斗真の気持ちが"素敵"の一言に尽きた。

「ええとっても。まりあさんはお肌が白いから白のドレスでも見劣りしませんね」

 社交辞令にしては十分過ぎる褒め言葉をスラスラ述べる中西の横で、十子がみるみる表情を変えていく。

 手はわなわなと震えていて、十子が湛える氷の微笑は、暗い深淵のような形相に至り、美しい唇を若干歪ませている。

「まりあさん。……本当に汚してしまったのね?」

 レディは、「はい」と短く答えてから、困り顔で笑う。

「飲み物をうっかり浴びてしまったんです。クリーニングしてお返しします。本当に申し訳ありませんでした」

 レディにそう頭を下げられてしまっては、十子もそれ以上言えなかった。汚れたドレスを着て過ごしなさいなどと、口が裂けても音には出来ない。隣には中西もいるのだ。

「そう……せっかくのお仕置きが台無しね……」

「えっ?」

 お仕置きってなんのことですか、とレディが問いかけようとしたその瞬間、会場の扉が勢いよく開いた。

 焦って誰かを探している様子の佐々木がレディを見つけるやいなや、駆け足で走り寄ってきた。

「ミスレディ!」

「佐々木さん」

「行きますよ」

 佐々木はレディの腕を捉え、エスコートと言うには少々強引にひいて行こうとする。

 しかし急に十子から離れるわけにはいかないレディが難色を示した。

 佐々木は、わざとらしく今気づいたという素振りで十子に目をあわせ、頭を下げた。

「十子様失礼します。斗真様からの命令で、彼女を迎えに来ました」

 佐々木の言葉から、十子はこの一連の流れが斗真の差し金だと曲解し、わかりやすく顔に苛立ちを滲ませた。

「――へぇそう、好きにして頂戴。わたくしは外の空気を吸ってくるわ。中西さんご一緒にいかが?」

「は、はい。それではまりあさん、私も失礼しますね」

 二人はレディの返事を待つまもなく、足早にその場を去っていってしまう。

 十子に対し面従腹背の思いがある佐々木は、立去る十子の背中に、内心で舌を出しつつレディの腕を引いた。

 レディは、理由は不鮮明だが十子を怒らせたことだけは理解できた。やはりドレスを汚してしまったことがいけなかったのだろうか。

 的外れな予測をしながら佐々木に導かれるまま、会場の奥へと向かった。





「レディー! こっちこっち!」

「蘭?」

 レディが佐々木に連れられて会場の奥へと向かうと、コンパニオンの衣装を着た蘭が手を振って待っていた。

 佐々木は蘭に軽く「あとを頼みます」と言うと忙しいのか慌ただしく踵を返す。

「ねぇそのかっこ……コンパニオン?」

 蘭はマリンカラーのタイトなドレススーツに身を包んでおり、首元にはスカーフも巻かれていた。

「そーバイトしてたんだけど、斗真さんに見つかっちゃってさぁ。それよりこっち来て」

「こっちって……こっちは舞台袖じゃ……」

 佐々木が掴んでいたときよりも、更に遠慮なく蘭はレディを舞台袖へと引っ張っていく。

「スピーチ終わったら斗真さん退場だから」

「ん? うん、そうね?」

 何を当たり前なことを、とレディは式次第を脳裏に思い浮かべた。

 斗真は挨拶の後退場して、会自体が一度終了する。そして、二次会会場へ流れる人は流れる。

 勿論主役の斗真は行くことになるだろう。ついていくべきだろうか、どうしよう。

 レディがこの後のことを想像しながら尻込みしていると、蘭はとんでもないことを宣い始める。

「レディはここから壇上に上がって……」

「え、壇上にあがる……?」

「そのまま斗真さんにエスコートされて退場するの」

 そう言って振り返った蘭は、レディの焦りや戸惑いをよそに、天真爛漫に笑った。

 その天使のような無邪気さにレディは一瞬言葉を失う。しかしすぐさま自分が何をしなくてはいけないのかを理解して、一気に全身を緊張が襲った。

「っはぁ!? 無理無理無理! 目立つ! なんで急にそんな!」

「ははは、蘭も思ったー。レディ目立つの得意じゃないもんね」

 へらりと笑ったあと急に頬を引き締めて蘭は壇上を目配せする。

「でも斗真さんは今一人だから、レディから行ってあげないと」


 一人。レディはその一言を飲み込んだ。肺ではなく、きっと心臓に近いどこかに。

 レディは知っている。一人ぼっちの不安を。苦しさを分け合えない孤独を、誰より良くレディは知っているのだ。

 そしてそれはきっと親友の蘭も良く知っている。

「蘭ね、バイトのこと何も言わない代わりに、レディを見つけて助けてあげてって斗真さんに言われたの。でもゆう……佐々木さんが、レディは強い女性(ひと)だから大丈夫だって」

「私は、強くなんか――」

「じゃあなんで着替えてきたの?」

「それは……」

 レディが俯くと、壇上の方から斗真の声が聞こえてきた。

 彼は今後の展望などを、ユーモア混じりにスピーチするので、会場からは笑い声が上がってきている。

「斗真さんすごいね。うちらと五個しか違わないとは思えない。多分いっぱい大変なの我慢してるよ、頑張ってる」

「そう、ね」

 勿論知っている。同じ家に住んでいながら近頃は忙しくてまともに顔を合わせる暇さえなかった。

 彼は役割の重みをきちんと受け入れ、相応の努力をしている。

「レディは、助けてあげないの?」

「……ねぇ蘭」

 ――あの時、十子が訪れた時、断ろうと思えば、断れたような気がする。

 たとえその場では難しくても、あとから斗真を通してお誘いを辞退することは出来た。

「私なんかでも、斗真の役に、立てると思う?」

 頼るだけではなく力になれたらいい、そう思ったから十子からの申し出を受けた。断りきれなかっただけではない。レディは自分の意思でここに来たのだ。

「そりゃもうばっちりだよ」

 斗真のスピーチも佳境に差し掛かった。蘭はタイミングを見計らい、レディの背中を押す。

「わっ……」

 壇上に躍り出たレディを斗真が明らかに驚いた顔で見つめた。

「……レディ?」

「あっ……えっと、その」

 上手い言葉は出てこない。何も考えられない、頭の中は真っ白で。

 レディはただおずおずと、爪がオレンジに染まった手を差し出した。

 ――お願い、私の手を取って。

 そう、心の中で祈りながら。





 レディの手を取りエスコートして退場した斗真は、足早に自分の控え室へレディを誘導すると、なすがままになっている彼女を自分の膝の上に乗せて、乱暴にその唇を奪った。

「んっ……」

 これまで、比較的紳士にレディへ接してきた斗真が、突然情熱的になった。

 事態に頭が追いつかないレディは呼吸さえおぼつかなくなっている。

「はっ……ぁ、な、なんでキスするの」

「だって、嬉しすぎて」

 斗真はたまに、心から愛しくて仕方がないとでも言いたげな顔をする。今がそれだ。

 この顔をされるとレディは真っ直ぐ視線を合わせられなくなる。

 視線を逸らすか、言いなりになるかのどちらかの選択肢しかなくなってしまう。

 しかし斗真の膝の上で抱きかかえられた今の状態では、最早心の抵抗は無意味と言っても過言ではないだろう。

「レディがあんまり可愛いから止まらなくなる……。着替えてきてくれたんだ? だから会場から姿を消してたんだね」

 斗真のその言葉から、レディを気にして見ていたことが分かって、レディは胸が締め付けられるような気持ちになった。

「せっかくの、ドレスですもの……着なきゃもったいないわ。安物じゃないし」

 斗真はそうだね、と柔らかく微笑んだ後、レディの目じりに唇を寄せ、頬、上唇を舌でなぞる。

「んっ、お化粧落ちちゃう……」

「大丈夫。綺麗だよ」

「そういう問題じゃないわ……あ……」

 小さな口争いの最中にも、斗真はレディの首筋を啄む。

 斗真に触れられる度、レディの身体は勝手に仰け反ってしまう。自分の意思ではどうにもならない。バランスを崩しそうになるのを斗真の太い腕が支える。


 斗真はレディの手を捉えると斗真の好きな色に染まった爪に何度も口付けを落とした。

「――ねぇ、いつの間に爪までオレンジに染めてくれたの?」

「この方が靴の薔薇に合うから……」

「本当にそれが理由? 君は僕の好きな色を知っていたはずだよ……」

 ――とっくに、見抜かれているのね。

 斗真はレディの右手の人差し指を、かぷりと食んでみせた。

 彼色に染めた指先が、綺麗な唇に食べられる瞬間は、あまりにも倒錯的で、認識さえ揺らぎそうになる。

 従って、全てを受け入れてしまいたくなる――これは感情なのか、本能なのか。

「嫌ならもっとちゃんと抵抗しないとダメだよ、レディ」

 そんなこと、言われなくたって分かってる。抵抗したいのに出来ないから、困っているのだ。

「いじわるを言わないで、お願い……」

 高揚した頬をそのままにレディが懇願すると、斗真は困った顔をしてからレディの背中を手のひらで撫ぜた。

「レディそれは逆効果って言うんだよ、煽ってるの?」

「ちがう! 違うわ、勘弁して」

「僕に触られるのが嫌? 気持ちよくない?」

「そんな二択を迫らないで……」

 どうしたらいいのか分からない。どんな言葉、表情で斗真を冷静にできるだろう。

 このまま情熱に身を任せたら、きっと少し前に触れ合った時のような快楽がレディを支配してしまう。何も考えられなくなってしまう。まるで何もかもをなぎ倒していく嵐のように。

「でもそれは……きっと良くない……」

 レディの悲痛な声に、斗真は何度か呼吸して、心を休めた。

「ごめんね、意地悪した」

 斗真はそれだけ言ってレディの鼻の上に、鳥が啄むような小さいキスをひとつ落とす。


「んっう」

「でもきっと噂になっちゃうよ。あんな風に壇上から降りたらね」

「そう、よね。どうしよう……私やらかした?」

「全然。僕的には最高」

「――被後見人として、え、エスコートされただけで……」

「そんな風には誰も見ないと思うけどなぁ。まぁいいよ、レディがそうしたいなら」

 斗真はレディの唇を奪った。言い返す余裕を奪うかのように舌を絡める。

 さっきごめんって言ったばかりなのに、きっと反省が足りてないのだ。

 レディは顔をなんとか背けてキスから逃れる。

「も、もうキスは、ダメ……」

 レディが両手で斗真の胸を押すと、やっと斗真はレディから少し距離をとった。

「わかったわかった。二次会は移動だから、僕は着替えてから向かう。レディも一緒に――ああでもごめん、僕が乱しちゃったから、髪直したほうが良いね。アンナを呼ぼう」

「わ、私が部屋に行けば良いんじゃない?」

「ダメ。もう呼んでる」

 いつの間にスマホを操作したのか、斗真はアンナにメッセージを入れて、既に手配していた。

「ああそう……」

「待ってる間、キスする? 髪直しちゃったら出来ないし」

「しない!」

 レディが語気を強めて首を横に振ると、斗真は面白そうに笑った。からかわれている。


 しばらくその状態でアンナが降りてくるのを待っていたが、段々レディの方が恥ずかしくなってきた。

 ソファに座る斗真に、跨るような形で座っている自分が、あまりにもはしたなく思えたからだ。

 レディは遠慮がちに斗真に問いかける。

「ど、どいてもいい? わたし、きっと重たいでしょ?」

「全然? ああ、照れてるの?」

「そ、そういうわけじゃ」

 図星をつかれレディが俯いていると、斗真の手が、ロングドレスの裾をまくり、太ももを撫でるように触りはじめた。

「んー? やっぱりアンナの美容のおかげかなぁ……前に触ったときよりレディあちこち本当に綺麗になったね。肌なんかもうすべすべ……」

「ちょっと!」

 斗真の手がどんどん危ういところに迫っていく。

 アンナでさえエステで触れるかどうかギリギリの所にまで手が迫る。

「触ったら傷つけちゃいそう」

「どこの話してるの! ひゃ……あっ」

 すっ、と指先で臀部と脚の境目をなぞられレディの声が裏返った。

「可愛い声。ねぇレディ――あ」

 斗真が急に真顔になって出入口の方を見た。レディも釣られてそちらを見るとメイド服を着たアンナが顔を赤くして立っていた。


「アンナ!」

「斗真様、呼びつけておいて何やってるんですか?」

「ふふ、ごめんね」

「"ふふ、ごめんね"じゃありません!」

 全く悪びれた様子のない主人の謝罪に怒気を込めた声でアンナが言い返し、すぐさま呆れた様子でため息をついた。

「……鏡台をお借りします。レディはこちらに」

「あ、ありがとう」

 アンナに促され、やっとレディは斗真の膝から降りる。そして鏡台に向かうと乱れた髪や化粧直しに取り掛かった。

「残念、じゃあ僕も着替えるね。この堅苦しい格好疲れたし」

 今日の斗真は珍しくグレーのスーツ姿だ。白にも近い光沢感のあるネクタイがドレッシーに映す。普段カジュアルな服装が多い斗真にとっては少し堅苦しい。

「……でも、貴公子みたいで素敵だったけど……」

「ん? レディなんか言った」

「なんにも! 言っておりません!」

 レディは焦った。小声で思わず本音を零してしまっていた。斗真は何を着たって似合うけれど、フォーマルな格好は大人の印象を強くする。心臓に悪い。

 レディの小さな本音を聞いた唯一の証人であるアンナは、嬉しそうに笑いながら、主人の髪型を直すのだった。




****************************


◆after time(戯曲形式です。気を楽に御覧ください。作者も気を楽に書きました笑)



   斗真は着替えを終え、レディも髪とメイクを整えて、ホテルのロビーに出た。

   蘭もコンパニオン姿からワンピース姿に着替えて二人が出てくるのを佐々木と待っていた。


レディ「あれ、蘭まで着替えたの?」

蘭  「そうだよー! 二次会お呼ばれしたからね!」

レディ「へ? そうなの?」

斗真 「僕がどうしても離れなきゃいけなくなったとき、レディについててほしいから」

蘭  「任せて! トイレまでついていくもんね!」

レディ「もう、蘭ったら……」

斗真 「あ、ちょっとまってて、佐々木と打ち合わせるから」


   斗真と佐々木がその場を離れ、一度ホテルの外に出る。

蘭  「ところでーどうだった? 盛り上がった?」

レディ「へ?」

蘭  「二人で控え室入っていったの見たよー。あんなところでもうー!」

レディ「何もしてないわよ」

蘭  「えー? なんだつまんなーい。でももう付き合ってるんだね、斗真さんと」

レディ「付き合ってないけど?」

蘭  「ん? えっそうなの?」

レディ「ええそうよ」

蘭  「なんで?」

レディ「なんでもなにも――」

???「蒼真! ロビーを走るなって……」


   ドンッとレディにスーツの男がぶつかる。

レディ「痛っ……」

蒼真 「あ、ごめんなさい! 病院行かなあかんくて、急いでて!」

レディ「いえ、私もよそ見してて」

???「おい蒼真、急いでんだろ」

蒼真 「うん! ほんまにごめんなさい!」

   

   二人はそのまま立ち去る。

レディ「関西弁……? でもイントネーションが」

蘭  「大丈夫だった?」

レディ「ええ、大丈夫」

蘭  「イケメン二人だったね! スーツだし同じ会場にいたのかな?」

レディ「さあ、よく顔を見なかったわ」

蘭  「そうー? 結構若かったよ、斗真さんとかとおんなじくらいかな? レディにぶつかった方女の子みたいな顔してた!」

レディ「あの一瞬でよくそこまで見てるわね」


   二人の姿が見えなくなって暫くの後、斗真と佐々木が戻ってくる。

斗真 「ごめん二人ともおまたせ。車つけたから行こうか」

蘭  「お世話になりまーす」

レディ「歩きでも良かったのに」

斗真 「ドレス汚したくないでしょ。ほら行くよ」


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