第18話 ケイリンに会いたい

カイトはメラの方を見た。

「ふうん、そんな事があったの。でも、高原までの道を教えずに、出口までの道を教えるって、結構意地悪フクロウね。」

「そんな事ないよ。帰りたいって思ってる時に帰る道を教えてくれたんだから、嬉しかったよ。」


メラは道がわかんなくてちょっぴり残念なよう顔をしたが、気分をきりかえた。

「道はわかんないけど樹海の事はそのフクロウが詳しそうね。フクロウってのが怖いけど、きっと空腹じゃない時なら大丈夫よね。フクロウにはどこに行けば会えるの?」


「ケイリンはね。樹海の入り口に一軒だけ人間の家があるんだ。そこの家のそばに大きな木があって、その木の枝でよく休んでいるよ。」


「ケイリンに会うんだ。懐かしいな、僕も一緒に行っていい?」


「私たちも仲介してくれる人がいると心強い。有難いよ。」


カイトは下を向きながらドトウに言った。


「ドトウには重たくて申し訳ないけど、お願いします。」

「ちっこいモモンガくらいドトウ様にはへっちゃらさ。大船に乗ったつもりでいろ。

それより、俺は歩きっぱなしで喉が乾いてきたんだが、この近くに水場はないのか?」


「実は僕もしゃべりっぱなしで、喉が乾いてたんだ。案内するよ。」


「このやろー」ドトウが突っ込むがみんなわきあいあいと、水場に向かった。

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