第11話 再会

人間の街の中は研究所に向かう消防車でごった返していた。

しばらく走ると、消防車も見かけなくなってきたが、次はパトカーがサイレンを鳴らして、あちらこちらと走り回っている。

パトカーのスピーカーからアナウンスが流れている。

「危険なイノシシが出没しています。住民の皆さんは家から出ないでください。決して家から出ないでください。」

メラとメイチが顔を合わせ声を合わせて言った。

「ドトウだ!」

優しい性格なんだが、あの体重があのスピードでぶつかってくると、確かに危険だ。

危険なイノシシ呼ばわりされてもしかたがない。


それはともかく、パトカーはドトウを追いかけているのだろうが、あっちに行ったりこっちに行ったり、一向に北に向かう雰囲気はない。

「きっと、方向見失ってるよね。」

やがて、パトカーがメラ達の方に近づいてきた。パトカーの前にはドトウが全力で走っている。

「ドトウ!こっちだ!」メラの声にドトウが気づいた。

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