4

 その夜、都会で開業医をしている友人から電話がかかってきた。お互いの近況を報告する。それから、わたしはふと思い立って男の子のことを話すことにした。


「人骨を集める少年か。それが君の新しい友人なんだな」


「からかうなよ。それより、君は人骨なら見ればそうとわかるかい?」


「ああ」友人は言ってから気づいたように、「ちょっと待て。まさか俺にその骨を見てほしいって言うんじゃないだろうね」


「ダメか?」


「いや、別に面倒というんじゃない。特別な検査なんてしなくても、こっちに送ってくれればぱっと見てわかるだろう。しかし、本当に人骨だなんて思うのか?」


「そうだったら面白いだろ」


「こういうのは本物かどうかわからないときが一番面白いんだがな」友人は呆れたように言った。「まあ、君が気になるなら送ってくればいい。すぐにでも結果を知らせるよ」


「ありがとう」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る