第16話 スキル使用の条件は?



 俺が得たのは、即殺スキル。

 後は、運命停止スキルと運命改ざんスキル。


 即殺は……、文字通り、相手を即殺する能力だよな。


 そして、運命停止スキルは……時をとめるスキル?

 改ざんの方は……、定められた運命を変えるという意味なんだろうけど、色々な解釈がある。誰かの運命をいれかえたり、おきるはずの特定の事象をなかったことにしたり、またはついかしたり?


 どういった意味なんだ。


 俺はその場に座り込んで、悩んだ。


 スキルの使い方も分からない。


 今まで運命を変えたいと思った事はないし、誰かを亡き者にしたいと思った事もない。


 よくわからないスキルを、よく理解しないまま使用したらとんでもないことになると思っていたから何も知らないのだ。


 一応自分なりに調べてみようと思ったけど、外には出られないし、買い与えられた本の情報には限りがある。


「ちちうえか、ははうえにでも、きいておけばよかったな」


 けど、こんなあからさまな特殊スキル。

 この世界でどう扱われているのか分からない。


 へたな事を聞いて、危ない組織に目をつけられたり、悪魔の申し子だとか言われたら困る。貴重な能力だとか言われて隔離されたりするのも、嫌だ。


「だぁ、もうっ。せつめいしょくらいつけろよっ」


 頭をかきむしる。

 そんな事をして、どれくらいの時間が経っただろう。


 ふいに、夜空が明るくなった。


 赤い色だ。


 日の出まではまだ時間があるはずなのに。


 なら、あれは?


「あっちのほうがくは、たしか……ひるまいったまちの」


 嫌な予感がした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る