第1話 ②視点の話と、冒頭のねらい

第1話 〈隠れ里〉の少女

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885843307/episodes/1177354054885843357


 第一部は、ほぼリアナからの視点で書きました。(場面だけでいえば、デイ視点も多少はありますが)

 シリーズが二部、三部と進むごとに視点は増えていき、四部以降は、ほぼ群像劇となっています。

 ただ、読み返すとときどき視点が混在していることがあるようです。見つけたら修正しているんですが。


 視点というのは創作論でもしょっちゅう話題になってて、それくらい関心が高い部分なんでしょうね。読専さんの意見では、複数視点が許されるのは恋愛ものだけとか。

 個人的には、恋愛ものでヒーロー(女主人公の相手役男性)の内心は蛇足だなーと思うこともあります。主人公視点で書かれているほうが好き。ちょっとした言動でヒーローの心情を想像できるほうが楽しい。


 なので、リアナシリーズもできれば主人公視点中心に書きたいんですが、陰謀とか策略とかがあるとどうしても、他者の視点を避けるのは難しいですね。

 

**


 第1話は、主人公のリアナが「洞窟の陰からひょこっと」あらわれてから、竜の発着場を通って、近所のパン屋に行くまで。舞台となる隠れ里や、竜のこと、相棒のルルのこと、もうすぐ成人の儀を迎えること、それなのに養父が旅に出たまま音信不通であることなど情報量がとても多い。


 「パンを買いに行く」という、ごくふつうの行動からはじめることで、スムーズにカメラを移動させ(比喩です)、物語世界をイメージしてもらえるといいなぁと思って書いています。

 主人公が移動していく=同時に現代日本とは違う舞台が提示される、というのはアニメの導入などに多いような気がします。ディズニー/ピクサー映画やハウス食品世界名作劇場みたいな。ちょっとクラシックかな。


 ただ読み返すと、やっぱり情報量が多いかな。

 あまり冒頭から情報を詰めこみすぎると、読む人は疲れてしまいますよね。当然、読んでもらいづらくもなる。それに、この里は物語の主要舞台ではないので、読者が膨らませたイメージを無駄にしてしまうことにもなる。

 そういう理由で、ときどき読み返しては削っています。


 また、パン屋の旦那ロッタは、(本人は襲撃で死んでしまうものの)シリーズを通して名前が出てくる人物でもあります。


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【2019/02/10】

また情景描写をちょっと削った。

里のなりたちのところは三話に移した。(・`ω・)ドヤッ


【2020/01/17】

このメイキングふくめ、ふたたび改稿中。ここはほとんど読まれてないので、改稿用のメモ代わりにも使ってます。序盤に出す情報って、もっと少ないほうがいいですよね。


【2020/08/29】

他サイトに投稿するため、またマイナーチェンジ中です。ほとんどは漢字をひらくのと視点の統一くらいですが、第一話に出てくる専門用語はずいぶん減ったと思います。国名地名もほぼゼロ(ケイエくらい)で、読む負担は減ったんじゃないかな。


ちょっと追記。

出だしが鳥の声なのは、リアナたち竜族が「鳥=小型の竜」と思っていることを冒頭で出すことで、人間とちょっと違った価値観の人々だということを印象づけたいねらいがあります。そのあと二話、三話でロッタ夫妻の話が出たりして、竜族と人間の婚姻観の違いへと情報がふくらんでいきます。個人的には、これくらいゆったり情報を出されたほうがわかりやすいんですが、感想のなかには「冒頭のつかみが弱い」という指摘もありましたね。一理あるなと思いますが、シリーズ全体にかかわる重要なモチーフが無理なく出せて、気に入っている出だしです。もっといい案が思いつくまで、このままかな。


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