第7話 気を使え

 会社を辞めると、色々と面倒な手続きがある。

 職安だけでなく、市役所…そして辞めた会社にもだ。


 円満退職じゃないんだから、お互い、気まずい空気が流れるわけだ、書類のやりとりが一般的な方法だろうと思う。

 だが、そういうことに気が回らない総務という者がたまにいる。

「あの、コチラの不手際なんですけど、3000円、積立預金多く渡してしまいました、現金でいいので、持ってきてください」

「はっ?」


 困るのだ。

 行きたくないのだ。

 こういう会社だから辞めたくなるのだ…辞めたのだが…


 2週間悩んだ。

「返してくれないと、自腹で清算しなくてはならないんです、私が、早く返してください」

 なんとも身勝手な話だ。

 内心、オマエが払えバカと思った。

 もしくは、個人的に回収しに来いとも思った。

 なぜ、間違われた僕が行かなきゃいけないんだ?

 オマエの個人的な処理ミスだろうが!!

 だからパソコン使えないヤツは嫌いなんだよ!!


 結局、振り込み手数料、僕持ちで指定口座に入金しました。

 なんとも不愉快である。

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