第6話 異邦人

 無職は自由だ。

 金があるうちは、本当に自由だ。

 だけど、楽しくは無い。


 何をしていても…何処にいても…疎外感とでも言うのだろうか?

 不思議と社会に弾かれているような気持ちが続く。


 一生、働かなくてもいいほどの金があれば違うのだろうけど、いつか尽きるのは解っているからだろうか、カウントダウンをされているような危機感が常に付き纏う。


 他人と馴染めないから会社という組織に弾かれる。

 社会に溶け込めないから世間から弾かれる。


 結局、無職になるという人間は、何処に行っても、何をしても疎外感は持ち続けるのだと思う。


 その疎外感ゆえに、他者と争い…我を通す…悪循環を繰り返す。


 心療内科にでも行けば、なんらかの病名が付くのだろうか?


 何処に行こうが、僕は異邦人なのだろう。

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