　それからもタイトは負け続け、しかし惜しいと言える程度の負けになってきた。オッズもだんだんと大穴というほどではなくなってくる。

　その日のタイトは、何故か自信があった。今日は勝てる、そんな気がしたのだ。

　対戦カードはタイト、ワタル、カズヒロ。

　ワタルが試合開始直後にタイトに向けて強力な攻撃呪文を唱え始める。即座に攻撃呪文だと察知し、馬を御して防御呪文を唱えるタイト。そこを付いてカズヒロが攻撃呪文を唱え、ワタルに向けて放つ。

　ワタルが落馬し、タイトとカズヒロの一騎打ち。タイトは猛スピードで馬を走らせながら攻撃呪文を唱え、カズヒロの後ろから放つ。

　さすがに虚を付かれたカズヒロは防御呪文を唱える暇（いとま）すらなく落馬。タイトの勝利である。

「タイトー！　てめーやるじゃねーか！　明日も儲けさせてくれよな！」

「ばっかやろータイト！　てめーのせいで有り金なくなっちまったじゃねーか！」

「俺もだよバカヤロー！」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい