第5話 ハロウィンパーティー

 私は一年生の頃、マサトに告白して断られた苦い経験から、マサトに対し毛嫌いする様になっていた。その為、私はクラスメイトのサトミに持ち掛けた、渋谷駅 そばで行われるハロウィンパーティーの誘いをあきらめたのだ。


 そして季節は十月上旬に入り、私の高校では文化祭が行われる事となった。二年生で有る私達も、お化け屋敷、食べ物屋、そして劇など、クラスがまとまってこの大イベントにのぞむべきはずなのだが、私のクラスは相変わらず意見がまとまらない。


 すると担任の若林がこんな事を言った。

「意見がまとまらないから、くじ引きで決める。クラス代表の田中、くじ引きするからくじを用意してくれ!」


 この言葉を聴いた田中は、担任の若林に向かってこう言ったのだ。

「先生 クラスで文化祭を何にするか、くじで決めるんですか?」


 その言葉を聴いた担任の若林は、ニヤッと嫌らしい顔をしてこう答えた。

「俺の今年の運だめしだ! 俺は今年、初詣はつもうででおみくじ引けなかったから、今からお前らの為に引いといてやるよ!」


 この言葉を聴いたクラス全員が、空気読めない担任にドン引きした。そしてりによって劇と言う、とてもハードルの高いくじを引き、更にクラスをドン引きにさせたのであった。


つづく…

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