未来を決めるAI

影山洋士

第1話




F博士はとうとう長年の研究を完成させた。それは過去へ物質を転送するタイムマシンだった。

「テストも上手くいった。後はもう実行するだけだ」

そのタイムマシンに乗せたのは一つのロボットだった。行動機能こそ特別な物はないが、特筆すべきはその頭脳であるAIだった。

そのAIは現代科学最高水準であらゆる計算、解析を瞬時にこなす国の行く末を変える程の物だった。F博士はそのロボットに「T-10」と名付けた。


「T‐10よ。お前はこれから100年前の世界に行く。そこで初めて出会った人間の所有物となり命令を聞くのだ」

「ワカリマシタ、ハカセ」

静かにT-10 はタイムマシンの中に入り所定の位置に着いた。

「このロボットを手に入れた人間はその時代を統べる覇者にもなるし、世界を混沌に導く破壊者にもなる。果たしてどちらになるのか。それは神のみぞ知る。。いいやAIのみぞ知るか。。。この荒廃しきった世界が少しでもましになるように」外では放射性物質に汚染された粉塵が風で舞っていた。

そして博士はゆっくりとタイムマシンのスイッチを入れた。




そこから100年前、とある民家の部屋。

「昨日拾ったこのロボットすげえな。ソシャゲの効率プレイ、神プレイだわ。よしこいつは俺専用のソシャゲマシンにしよう!」





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未来を決めるAI 影山洋士 @youjikageyama

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