第51話 偽物ではなく、本物の天使は翼をしまう 1

 久しぶりに、馬車の窓から見慣れた王都の景色を目にしたビヴァリーは、今までのことは全部夢だったのではないかと思った。


 でこぼこした石畳や、ペンキの剥がれた看板。道端でしゃがみこんでいる靴磨きの少年たちに、花売りの少女。スリに遭って喚いている人や乗合馬車に飛び移ろうとして転んでいる人。薄汚れた壁に穴の開いた屋根。


 つい先日まではそこで暮らしていたのに、今では馬車の窓から別世界のように眺めている。


「ビヴァリー?」


 向かいに座っていたハロルドの声にハッとして振り返る。


「う、うん?」


「何か、気になることでもあるのか?」


 眉根を寄せるハロルドに、何でもないと笑みを返す。


「マーゴットは、どんなドレスを着るのかなって考えていたの」


 ビヴァリーは今、ハロルドと共に、町中にある孤児院が併設された小さな教会へ向かっているところだった。


 王家主催のブレント競馬場でのレースが無事終わり、ハロルドたちの忙しさも一段落した初夏の兆しが感じられる今日。


 テレンスとマーゴットはついに結婚式を挙げる。


 当初は、ビヴァリーのレースが終わり次第と言っていたが、何だかんだとテレンスが忙しく、半月ほど延びてしまった。


 その間、マーゴットはテレンスの衣装も作ることができたので、ちょうどよかったと言っていたけれど、テレンスの行動が日々野獣へ近づいているようだったので、完全に人の意識を失う前に結婚できて本当によかったと思う。


「自分で作っているんだから、自分の好きなものを着るだろう?」


 マーゴットと相変わらず相性の悪いハロルドは、まるで興味がなさそうだ。


「そうだけど、仕立屋でウィンドウに飾ってくれるかもって言ってたから……」


 マーゴットには、ついでに頼んだものもあるのだと付け加える。


「あと、帽子を作るのにも挑戦したいって言うから、父さんのシルクハットのサイズを直してくれるよう頼んだの。あ、それと、私のボロボロになった花嫁衣装も、直してくれるって言ってた」


「……ああ」


 途端に低い声で唸り、何だか難しい顔になったハロルドを覗き込む。


「どうかした?」


「いや……あれは、別に直さなくてもいいんじゃないか? 新しいのを作れば」


「え。でも、このドレスも作ってもらったばかりだよね? それに、花嫁衣装って一度しか着ないものなんじゃ……作り直しても着ないなら意味がないと思うけど」


 ビヴァリーが今着ているドレスは、マーゴットが下請けをしている仕立屋で作って貰った最新のデザインのものだ。


 ハロルドは馬たちと同じで、どうやら草と同じ緑色が好きらしい。爽やかなペパーミントグリーンのドレスを仕立ててくれた。


 白いレースやシルクのリボンが所々にあしらわれた可愛らしいドレスは、ゴテゴテした飾りもない動きやすいデザインだ。絶対高級品だとひと目でわかる艶やかな生地からできている。


 一緒に作ってくれた柔らかくて軽い革の丈が短いブーツは、履きやすく歩きやすいのでお気に入りだけれど、それにしたって以前履いていた、もうすぐ底が剥がれそうだった靴を十足は買える値段がするだろう。


 この調子でいくと、ハロルドは何かあるたびに新しいドレスを作ろうとするのではと思い、ビヴァリーはドレスだって仕立て直して着回せるのだと主張してみた。


「古い花嫁衣装やドレスも、いい生地なら簡単には傷まないから、仕立て直して着ればいいし、ちょっとしたことで今風なデザインにもなるってマーゴットが言ってた。それがダメでも、自分の子どもにあげる人もいるんだって。……あ、女の子じゃなければダメかもしれないけど……」


 ハロルドは何故か目を見開いてぽつりと呟いた。


「……子ども」


「うん? ずっと先の話だけどね」


「…………」


 沈黙したハロルドが虚ろな目をしているのが気になる。


(大丈夫かな?)


 これから、重大な役目を果たさなくてはいけないのに、意識がしっかりしていないのはまずいのではないかとビヴァリーは目の前で手を振ってみた。


「ハル?」


「見えている」


 むすっとして答えたハロルドは、「それにしても、こんな町中でやらずとも、大聖堂でやればよかったものを」と呟いた。


 王宮近くに聳える王家ゆかりの大聖堂は、王族だけでなく貴族や一般庶民にも広く開かれている。


 ただし、それなりの金額を寄附しなくてはならないので、そこで結婚式を挙げるのはやはり上流階級の人々だけだ。


「テレンスも、早く言えばコネなどいくらでも使ってやったのに」


「うん。テレンスさんも、陸軍の偉い人にコネを使ってやるかって言われたみたいなんだけど、マーゴットが嫌だって言ったんだって」


「嫌? ブレントリーで最も格式のある場所だぞ。内装も見事だし、実に厳かな雰囲気だ」


 なぜ嫌がるのか理解できないと言うハロルドに、ビヴァリーはわからないのは仕方のないことだと思ったけれど、黙っているわけにはいかないとも思った。


 聞く耳を持っているハロルドには、ちゃんと説明したほうがいいだろう。話してみなければ、無駄なことかどうかもわからない。


「綺麗すぎる場所は、自分には似合わないってマーゴットは思っているみたい」


「綺麗すぎる……?」


 ビヴァリーは、マーゴットがハロルドを嫌い、ハロルドがマーゴットを嫌う理由をはっきり口にしたことはなかった。


 馬車の窓の外にある世界で暮らしていた時でも、やっぱりそれはあからさまには言えない仕事だったし、捕まる危険もあって堂々と言いたがらない人がほとんどだった。


「娼婦を買っておきながら、娼婦を蔑むようなお綺麗な人たちが誓う神様は、きっと自分の言葉なんて聞いてくれない。人を殺したわけでも、人のものを盗んだわけでもないのに、許されない罪を犯したと言うような人たちが信じる神様は、自分が信じる神様とは違うから、話が通じるとは思えないんだって」


 ハロルドは、ぐっと唇を引き結んだきり、何も言わなかった。


 以前は、ハロルドもマーゴットの言うお綺麗な人たちと同じだった。


 今もそうだとは思わない。ビヴァリーのことを蔑んでいるとは思わない。

 けれど、ビヴァリーのことを理解してくれたように、マーゴットのことも理解してほしかった。


 マーゴットは、もう一人のビヴァリーだ。

 ほんの少し。何かの拍子に運命が変わっていたら、二人の人生は入れ替わっていたかもしれない。


 沈黙するハロルドに、それ以上言う必要があるとは思えず、ビヴァリーは話を変えた。


「結局……マクファーソン侯爵の馬たちは、どうなったの?」


「競売にかけられた。どれも高値で売れたので、コルディアの馬産事業へ投資する」


「ギデオンさまも欲しい馬があるって言っていたけれど?」


「ああ。ナサニエルが乗っていた、葦毛の牡馬を競り落としたようだ」


「あの馬ならレースにも勝てるだろうし、いい種牡馬にもなれそう」


 最後のゴール前での攻防を思い出し、ビヴァリーはナサニエルの行方をハロルドに確かめてみようかと思った。


「あの……ハル。ナサニエルは、どこに行ったの?」


「どうしてそんなことを俺が知っていると思うんだ?」


 その答えこそ、知っているという答えだった。


 ブレント競馬場での四日間のレースが終わった後、マクファーソン侯爵とコルディアで馬産事業を統括していたバルクール担当官が拘束され、貴族院でその罪を問われることとなった。


 祝賀会に出席するために王宮を訪れたところを拘束された二人は、すぐには罪を認めようとしなかった。


 しかし、コルディアの元宰相から届けられた数々の証拠や証言、取引のあった商人や侯爵家の使用人、レースで買収された騎手や貴族などの名前や事細かな証言を次々と突き付けられ、言い逃れできなくなった。


 バルクールは、反ブレントリー派による反乱を画策した大逆罪とコルディアでの馬産事業に関しマクファーソン侯爵に便宜を図っていた罪に問われた。それに付随して、王宮厩舎の火事やブレント競馬場でのビヴァリーの監禁についても、犯人に指図したとされた。


 ビヴァリーも、厩舎に呼び出すメッセージを渡した給仕係の顔を確かめるためにその場に呼ばれたが、そこであの夜会で見た背の高い、痩せた鷲鼻の男がバルクールだと初めて知った。


 マクファーソン侯爵は、コルディアでの馬産事業で国王の承認を得ずに取引を行い利益を得ていたこと、デボラとその再婚相手の死に関与していた罪に問われた。


 ラッセルが死亡した五年前の火事についても、未だ真相は不明のままだが、関与した疑いがあるとされた。


 ブレント競馬場やその他のレースにおいて、不正な取引による勝敗の操作を行っていたことについても言及されたが、そちらはあくまでも罰金のみを徴収されることになるらしい。


 バルクールとマクファーソン侯爵の二人は、貴族院での審議で同席することもあるらしく、そのたびに互いに罪をなすりつけ、激しく言い争うため、毎回二人を大人しくさせるために駆り出されるテレンスは、うんざりしているようだ。


 コリーンについては、狐狩りでジェフリーの飲み物に薬物を混入させて暗殺を企てた罪に問われた。ただし、未遂に終わったことと、毒ではなく媚薬を混入したと自白したため、療養と言う名目で山の中にある戒律の厳しい修道院へ送られることとなった。

 侯爵家は取り潰しとなることが決定しているため、一生をそこで過ごすことになるだろう。


 マクファーソン侯爵夫人については実家へ戻されることになったが、侯爵家の財産はすべて国に没収されるため、自身の持参金以外の財産を持ち帰ることはできない。


 侯爵家で働いていた使用人たちは、真面目なものは他の貴族の屋敷で働けることになったらしい。先代から侯爵家に仕えていた家令は、主を諫めることができなかったことを悔いていたらしく、進んで取り調べに協力しているという。


 ハロルドは、テレンスや陸軍大臣、コルディアの元宰相などの協力により、それらすべての罪を暴くために必要な情報を揃え、証人を確保していたのに、唯一ナサニエルだけを取り逃がしていた。


「ナサニエルと何か話したんじゃないの?」


 ビヴァリーとのレースを終えた後、ナサニエルは忽然と姿を消した。


 ナサニエルが騎乗を予定していたマクファーソン侯爵所有の馬は別人が騎乗してレースに出たが、期待されていたような成績は残せず、かなりの人間が損をした。


 これから起きることを知っていたから、ナサニエルは早々に姿を消したように、ビヴァリーには思われた。


「何を話すと言うんだ?」


「わからないけど……」


 ビヴァリーは、その疑惑を裏付ける、先日ギデオンから受け取った手紙について尋ねてみた。


「ギデオンさまがこの前くれた手紙に、目つきの悪い馬が突然尋ねてきて、父さんの墓にクローバーの花を添えて行ったって書いてあったの」


 ハロルドは行儀悪く舌打ちし、後ろめたいことや、やましいことなどがあるときにするように、顔を背けてぶっきらぼうに答えた。


「昔、おまえの父親に世話になった馬が、礼でもしたかったんじゃないのか?」


「……父さんは、目つきの悪い馬は飼っていなかったけど」


「昔は、可愛い目をした可愛げのある馬だったかもしれないだろう?」


「可愛げのない馬は、やっぱり可愛げがないままだと思うけど」


 そう言った途端、窓の外を見ていたハロルドが、ものすごい勢いでビヴァリーを振り返った。


 鳶色の目を見開いたその表情は、アルウィンが「何だと? もう一回言ってみろ」と言っているときとそっくりだ。


「でも、そのうち、可愛げのないところが可愛いと思えるようになるんだけど」


 ビヴァリーが苦笑しながら付け足すと、ハロルドは何かを言いかけ、もうちょっと考えたほうがいいと自身をたしなめるように口を閉じた。


 期待を覚られたくないと言うように、伏し目がちになり、ちらりちらりと視線を寄越す。


 角砂糖に釣られまいとするアルウィンの姿を思い出し、ビヴァリーは込み上げる笑いを堪え切れなくなった。


「は、ハル……そんなに……我慢しなくても……」


「別に、我慢などしていない」


 偉そうに言い返す様子がまた、やせ我慢しているアルウィンを思わせる。


 ビヴァリーが笑い過ぎて苦しくなってきたところで、馬車が止まった。


「お、降りないと……」


 笑い過ぎて滲む涙を手で拭おうとすると、先に降りたハロルドに真っ白なハンカチを押し付けられた。


「立会人は泣いたりしないものだ」


 偉そうな態度に、再び笑いの発作が起きそうになったが、何とか堪えて差し伸べられた手を取る。


 貧民街の端っこあたりにある小さな教会は、鉄の門がさびれて傾き、壁も崩れたり欠けたりした場所を無理やり補修していて、立派とは言い難い。


 教会の隣にある二階建ての煉瓦造りの建物は、もう少しマシではあるが、外で遊んでいる子どもたちの姿を見れば、衣服だけでなく、食料も足りていないことはすぐにわかる。


 ビヴァリーとハロルドを見ても、子どもたちは走り寄って来るようなことはなく、逆に戸惑った笑みを浮かべて後退りする。


 大人に対する警戒心の強さは、厳しい現実を生きてきた証拠でもある。


 その中の一人の少女が、勇気を振り絞った様子でおずおずと手を振って来たので、ビヴァリーも微笑みながら手を振り返した。


 すると、周囲の子どもたちも、次々に手を振り出す。


 こそこそと囁き合っているつもりなのだろうが、話しているうちにどんどん声が大きくなる。


「お姫さまだ」

「お嫁さんじゃないの?」

「ドレスが白くないよ」

「王子さまかな?」

「ええっ!? 天使さまじゃないの?」

「翼がないのに?」

「それは、しまってるんだろ! 歩くときは邪魔だから」

「そっかぁ。本物の天使さまは王子さまみたいなんだね」

「俺、さっき怪物をみたぜ」

「わたし、きれいなお姉さんたちをみたよ」


「ハルは天使さまなんだって。翼はどこにしまってるの?」


「知るかっ!」


 見上げた頬が心なしか赤いのは、真剣な顔をした子どもたちに「天使」や「王子」と言われて、照れているのだろう。


 ぐらぐらする石段を上り、不吉な音を立てる扉を開いて薄暗い礼拝堂へ足を踏み入れた途端、ハロルドが息を呑んだ。


 どうかしたのかと視線の先を追うと、可愛らしいと言うには少々大きすぎるネズミとその子ども二匹が身廊を横断中だった。


「信心深いネズミだね?」


 ビヴァリーがくすりと笑うと、ハロルドは「正気か?」と言うような顔で見下ろす。


「ネズミでも、お祈りしたいときがあると思うけど」


「それは、どんな時だ?」


「え? 住んでいる家の台所で、ジャガイモじゃなくてちょっと贅沢にチーズを齧っちゃった時とか?」


「…………」


 ハロルドは、それきり下を見るのはやめることにしたらしく、色付きのガラスを適当に嵌めただけのステンドグラスがある祭壇の前で、仁王立ちになっているテレンス目がけ、脇目も振らず歩いて行く。


「テレンス、待たせたな」


「少佐! 本日は、お忙しい中わざわざお運びいただきまして……」


「無駄な挨拶はいらない。花嫁は?」


「現在、鋭意作成中……いえ、支度中です」


「お針子の友達が髪を整えて、お化粧もしてくれるって言ってたし、楽しみですね? ドレスも初めて見るんでしょう? テレンスさん」


「あ、ああ」


 テレンスは、緊張のあまりか汗だくだ。 


 しきりにハンカチで汗を拭っているが、ハンカチじゃなくてシーツが必要ではないだろうかと、ビヴァリーは心配になってきた。


「ねぇ、ハル。テレンスさんのハンカチがびしょびしょなんだけど……孤児院からシーツを借りてきたほうがよくないかな?」


 新婦側の席にビヴァリーを座らせようとしていたハロルドにこそっと囁くと「ヴェールを被るのは花嫁だろう」と一蹴された。


「それはそうなんだけど……」


 渋々座ろうとしたが、椅子にお尻をつけた途端に、ミシッと言う音がした。


「え、きゃあっ!」


 椅子の上に座るはずが、肝心の椅子が潰れる。


「ビヴァリーっ!」


 慌てたハロルドに抱き上げられて、床にお尻を打ち付けることは免れたが、質素な木製の長椅子はぺしゃんこになっていた。


「ご、ごめんなさい……そんなに重くないと思っていたんですけれど……」


 テレンスの向こう側にいた、鼻眼鏡をかけた若い司祭は「神がお決めになった寿命ですので、お気になさらず。あとで、台所の窯に放り込んで燃料にします」とにっこり笑った。


 ハロルドは、新郎側の一番前の席へ移動し、念入りに強度を確かめてからビヴァリーを座らせ、自分もその横に腰を下ろした。


 ほどなくして、テレンスの汗で池ができる前に、マーゴットが現れた。


「マーゴット……」


 テレンスは、マーゴットが礼拝堂の入り口に現れた瞬間から滂沱の涙を流しており、やっぱりシーツが必要だったと、ビヴァリーは思った。


 マーゴットは、豊かな胸と細い腰を存分に引き立てる身体にぴったり合った白いドレス姿で、黒髪はすっきり纏めて結い上げている。


 驚くほど装飾が少ないが、シルクだとわかる美しい光沢を放つ生地と薄いヴェール越しに見える晴れやかなマーゴットの笑顔だけで、十分豪華だった。


「ちょっと、テレンス。そんなに泣いてたら、誓いの言葉が言えないでしょ!」


 祭壇の前でテレンスに並んだマーゴットが呆れ顔でたしなめると、テレンスは一か月前から暗記に取り掛かったので、眠っていても言えると宣言し、さらにマーゴットを呆れさせた。


 二人が司祭に向き合うと、ビヴァリーとハロルドも立会人としてそれぞれの横に控えるように言われた。


 司祭が軽く咳払いして説教を始め、二人が誓いの言葉を述べて指輪を交換し合い、微笑みながら慎ましいキスを交わす。


 マーゴットとテレンスが結婚証明書にサインするのを待って、ハロルドとビヴァリーもサインした。


 無事一連の儀式を終えた二人は、仲睦まじい様子で身廊を退場して行く。


 外では子どもたちが待ち構えているらしく、くすくす笑う声が聞こえてくる。


 ビヴァリーは、終始穏やかで幸せそうな二人の様子を見て、何から何まで、自分とハロルドの結婚式とは大違いだと思った。


 指輪も交換していないし、結婚証明書とやらにサインした記憶もない。


 そもそも花嫁は「誓えない」なんて叫ばなかったし、逃走したりもしなかった。


 無事役目を終え、二人の後に続いて礼拝堂を出ようとしたビヴァリーは、自分は後悔していないけれど、ハロルドは後悔しているのではないかと思った。


「ねぇ、ハル……結婚式のこと後悔してる?」

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