　これから夕ご飯というとき、お祖父ちゃんはワサビのチューブを冷蔵庫から取り出してきた。

　そう、万能なあれ。

「あ、お父さんついでにしょうがのチューブも持ってきてよ」

　お母さんはお祖父ちゃんについでによろしくと頼んだ。

「もう使っちゃったからしょうがはないよ。しょうがないだろ～」

　欲しいものがないと言われたお母さん、なぜかくすくすと笑っている。

　なんでショウガチューブがないだけで笑っているんだろう。

「お母さん、どこかに笑いのツボってあった？」

「ショウガがないのはしょうがないってところだよ～」

　はぁ、まったくすぐにギャグを見つけちゃうんだから。

　お母さんもしょうがないなぁ。

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