これは「小説が書けない」病に対する一つの薬、もしくは予防接種です!

「小説が書けない!」
 それは作者にとって、恐怖以外の何物でもいでしょう。

 今作は、作者様自身の小説が書けなくなった時の経験を赤裸々に描きつつ、それに対する対処が丁寧に語られている良作です。

 小説を書いたことがある方なら、読んで共感するところ、羨ましくなるところ(私自身は、忘我の自動筆記状態になったことはないので、そんな経験が羨ましくなりました)、がきっとあると思います。

 また、ラストでは小説を殺してしまうプロットの問題についてもふれられています。
 ここで「なるほど!」と唸らされました。自分が思ってもみなかった視点を提示されるのは快感です!

 小説が書けなくて苦しんでいる方だけでなく、今、幸運にも小説が書けている方にも、予防接種を受けるような気持ちで読んでいただきたい作品です。
 きっと、糧になるところがありますから!

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