童話の絵本になりそうな話です。この話を読み聞かせてもらう幼児は何を考えるのだろうか?人の宿命、定めみたいな事だろうか。それとも一緒に過ごす内に情が湧く事だろうか。それは幼児には無理か。まぁ能くは分からなくても、優しい気持ちになって眠りに就くような気がします。星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。
なんとも心に沁みる、どこか遠くの昔話、という感じでした。悪い狐だって、何年、何十年、何百年と一緒にいることで、良い狐と離れられない仲となっていたのでしょう。時間とは、それまでの間柄をゆっくりと解し、知らないうちに断ち切れない絆を築いているものなんだなぁと考えさせられました。
きれいでやさしい物語ですね。人間の根底にある絆を描いているので、昔話ではあるのですが、緊張感が漂っています。楽しませていただきました。