第39話 Moscow -intervention of KGB and……-

中年売春婦の体に刃を突き刺す

だらしのない脂が邪魔をして

若干不快ではあるが仕方ない

これはこれで愉しむことにしよう


老いも若きも人は人

吹き出る血の紅に概ね変わりはない

老いも若きも人は人

黒い罪の味に概ね変わりはない


ただ 若干のテイストの違いが

ワインに拘るソムリエのように

私を愉しませてくれる


嗚呼 人殺しは何て愉しいことか

人殺しは何て気持ち良いことか


私はモスクワの外れで

中年売春婦を殺っていた


最近若い女性は警戒心が強くなったのか

売春婦も含めて殺るのが難しいが

中々客の取れなくなった焦りもあるのか

中年売春婦は警戒心の薄いままだ


嗚呼 何て馬鹿なんだろう

嗚呼 何て浅はかなんだろう


生きる為に売春しているのだろうか

その結果 彼女は死ぬ

モスクワ郊外の小さな一室で

銀色の剛直に貫かれて


それって実に本末転倒じゃないか

それさえも知らず


sfhし;fh;HEH:gだだgfほ+あd@あ

セックスではなく殺しを愉しむ私を

彼女は意味不明な言語で罵る

dhiあせgpgfl;NetgsAdfopoあdがfpが

自分の命を奪おうとしている私を

彼女は意味不明な言語で罵る


アハハハ ハハハハ

私はそんな彼女を見下し 嘲笑った

彼女は自分の価値を分かっていない


彼女はただの駄肉だ 決してシンデレラではない

彼女は粗末な駄肉だ ただの腐りかけの屑だ

ひと山いくらか程度の値打ちしかなく

一時の快楽程度しか必要とされない


そして今 彼女の命は終わる


さあ 目玉を抉ってやろう

安心するが良い 思い切り痛くしてやるから

さあ その肉を削ぎ食らってやろう

安心するが良い 狂いそうな程痛くしてやるから


反抗的だった彼女の顔は

次第に絶望で潰されていった

屑ながら生きようとしていた彼女は

次第に死で塗り潰されていった


両目を失い 両手足をバラバラにされ

全身切り刻まれ 腸を晒し

彼女は死んだ

私が殺した


全て失った眼窩は ただ虚無を映し

まるで此処に何もないように思わせたが


久し振りの殺しではしゃぎ過ぎてしまったようだ

部屋を見渡すと一面の朱 紅 赤

掃除のしようがない程に埋め尽くされてしまった

生臭く鉄の臭いの籠った朱 紅 赤


これではどうしようもないので仕方なく

私はこの部屋を放置して立ち去ったが

これが今後 大きな動きの元凶になると

その時は気付けずにいた


そう 後で知ったことだが

これを機に 一連の殺人事件にKGBが介入し

これを機に 腐った民警が改められ始めたのだ


私の行き場所はもう

なくなり始めていた


じわりじわり 真綿で首を絞められるように

ある意味私もまた 殺され始めていた

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