「ハイボールの日」に思い出したこと、思ったこと

 Twitterでも呟きましたが、昨日、8月10日は「8(ハ)1(イ)0(ボール)」ということで、ハイボールの日でした。

 

 今や、何処の居酒屋でも、バーでも、果ては、カラオケ屋でもメニューにあるハイボールは、ウイスキーの炭酸割りを意味していますが、それは、2000年代初めのサントリーの販売戦略(小雪のテレビCM)によって「(角)ハイボール」という名の飲み方が広まったからだと思います。


📺小雪 - SUNTRY WHISKY - 角 ハイボール - CM×8

 https://www.youtube.com/watch?v=2GlHMsRZFP4


 私が「ハイボール」というウイスキーの飲み方を知ったのは、1970年代後半でした。NHK‐FMの名物番組「サウンド・ストリート」の水曜日のパーソナリティを務めていた甲斐よしひろ氏が、「渋谷の円山町のバー(正確には宇田川町。店名は書籍等で明らかになっていました)でハイボールをしこたま飲んだんだよ」と、時々、喋っていたのを覚えていたからです。


 で、1980年代初頭、在京学生になった私は、何処の飲み屋に行っても「ハイボールできますか?(ちなみに、多くの飲み屋のメニューにはありませんでした)」と言っていました。すると、カウンター席の隣に居る初老の方が「おっ、兄ちゃん、ハイボールなんて知ってんの、懐かしいな~ 俺も一杯貰おうかな」なんて声を掛けられ、さらに、「兄ちゃん、ラッキー・ストライクなんて、進駐軍タバコ吸ってんの!これは、また、懐かしい。1本貰える?」と、こうきたりしてね。所謂、ハイボールもラッキー・ストライクも、当時は、そんなに広まっていないアメリカナイズされた記号のようなもので、お金もないというのに、そんな上辺だけのアメリカナイズさを意味なく気どっていたわけであります(笑)


 1980年代中盤から後半に掛けてのバブル景気真っ盛りの頃。いろいろな酒が売り出され、CMも大盛況でした。ちなみに、煙草のCMも、事あるごとに流れていた時代です。

 一次会の居酒屋では酎ハイを、二次会では、(なぜか)スナックや大衆バーに行ってウイスキーボトルを水割りセットで一人〇〇〇〇円でみたいな感じの飲み方から、ショットバーへ移行しました。要するに、ボトルキープするのではなく、グラス一杯ずつオーダーして飲むバーの隆盛です(これも、サントリーの仕掛けだったと思います)。

 すると、現れたサントリーのCMが、作家の村松友視氏出演の「ワンフィンガーorツゥフィンガー」というオーダーの仕方です。ウイスキーグラスの底辺に指を添えて1本分の量のウイスキーを注ぐとワンフィンガー。2本分の量がツゥフィンガーです。いやあ、これはよく覚えていないのですが、きっと、クソ若造の私でもCMを真似てオーダーしたと思われます(恥笑)


📺サントリー「サントリーオールド」TVCM

 https://www.youtube.com/watch?v=tToUSQeKF7o


 シングルorダブルでオーダーすればいいものを、ワンフィンガー、ツゥフィンガーと… 当時の多くのバーテンダーさんが、果たして、CMのようにこの言葉を使っていたのかどうかわかりませんが、これは、黒歴史に相当するのではないでしょうか(^^;

 時節柄、バーになんて、全く行かなくなりましたが、それ相応のお年を召したバーテンダーさんがいる店に入る機会があったら、「バランタインをワンフィンガーのロックで」としれッとオーダーしてみたい衝動に駆られます。

 なんにしても、酒業界の流行は、サントリーが作ってきたと言っても過言ではないでしょう。


 さて、ハイボール。

 夏は、スコッチのソーダ割り、これ一択です。

 炭酸は、しばらくの間、サントリーの「THE STRONG 天然水スパークリング」を使ってきました。いろいろ試してみましたが、強炭酸の中で刺激が最強だと思われます。 

 しかし、いかんせん、ペットボトルで、量が510ml。ハイボールの私の晩酌が2~3杯なので、炭酸が残るのです。飲み残しの炭酸が抜けないようにポンプが付いたキャップも試してみましたが、二日目の炭酸の強度はガク落ちします。

 で、見付けたのが、KIRINの「ヨサソーダ」という強炭酸のアルミ缶です。ネーミングはふざけていますが、量が190mlなのでハイボール2杯の量にピッタリなので重宝しています。


 我が家には、角ハイボールのCMに登場していた小雪や井川遥のような女性は一人も居りませんが、「ウイスキーがお好きでしょ♬」と時々、口ずさみながら、村松友視氏が語っているような和食を肴に飲んでおります。



【おまけ】

 世の流行を作ってきたサントリーのCMを集めたものを貼っておきます。1時間50分もありますので、私もまだ途中です。

 イメージ重視、キャッチ―で記憶に残るコピー、俳優の名演… いろいろな要素がありますが、現在のCMにはない「味」が当時にはあって、CMを眺めているだけでも酒が美味しくなるような気がします。


📺1977-1991 サントリーCM集

 https://www.youtube.com/watch?v=0NVReWexAVo





 

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