がんばれ!Wile E Coyote

「トムとジェリー」や「ポパイ」と並んで、子どもの頃よく見ていたアニメーションに「ロードランナー(Road Runner)」がある。


 ロードランナーは、「ミッミッ」(表記ではBeep! Beep!となっている)と車のクラクションのような声で鳴きながらアメリカ西部の道路上を高速で走り回っている。

ロードランナーのモデルは、“オオミチバシリ”というアメリカの野鳥だそうだ。実際に時速20km以上のスピードで走るそうだが、アニメに出てくるあれほどの高速ではさすがに走れないだろう(笑)


 対する、“悪役”がワイリー・コヨーテで、いつも腹をすかし、あらゆる計画や発明品を駆使してロードランナーの生け捕りに挑戦するけど毎回失敗に終わっている。そのたびに落下、爆発、激突、下敷きなどの目に遭っているけど、決してあきらめない不屈の精神と脅威の回復力で挑戦し続けている。よく“アクメ(ACME)社”などの企業から通販で商品を購入しては捕獲作戦に使用するけど、欠陥商品が多く、ことごとく失敗に終わっている。


 子どもの頃は、コヨーテの間抜けな失敗を笑い、ロードランナーの無事を喜びながら見ていた。

 だけど、大人になって改めてYouTubeで見ていると、不思議なことに、失敗し続けているコヨーテを自然に応援し、ロードランナーの存在が憎くたらしく思うようになった。

 アップした動画にも出てくるけれど、コヨーテの失敗の中には、不注意による間抜けな失敗もあるけど、地球上の力学や重力や時間までも無視したストーリーによる理不尽な失敗が多数あり、人に「なんで~!?」って尋ねられても返答できないものばかりなのである。


 一方、主役のロードランナーといえば、ただ、したり顔で高速走行しているだけで、特に何にもしていない。していることと言えば、神をも超える理不尽な予知能力や力学や次元移動を使ってコヨーテの魔の手から逃れているだけだ。


 皮が剥がれ落ちたり、高い崖から落ちて身体がアコーディオンの蛇腹みたいになったり、残された手榴弾が爆発して黒焦げになったりしても、ありとあらゆるグッズを駆使しながら綿密に考えた計画を実行し続け、本編の8~9割の時間出演する“コヨーテこそが主役”と僕は力説したい、のであります(笑)


https://www.youtube.com/watch?v=Aewj-0wcMIo

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