第8話 神様がくれた贈りもの

背中のみぞおち辺りが再びズキン、ズキンと不気味な痛みを走らせた。


“もし自分が余命幾ばくも無いと悟った時に、一番やりたい事は初恋の

相手、裕子さんに一目でいいから会ってみたい”そんな縁起でも無い様

な思い込みを、最近いつも考えるようになっていた。


それが急に今日の昼下がりに本当に偶然に彼女と出会うなんて・・・

これはきっと“神様がくれた贈り物”だったんだって、そう直感した。


何故か涙がこぼれて、いつまでも止まらなく溢れていた。


もし出来るなら、出来るなら、あの頃に、裕子さんと一緒だった中学校

時代に戻って行きたい・・・戻って逝きたい・・・


そう願って、冬の冴え渡る星空をしばらくは仰ぎ眺めていた。

流れ星が一瞬流れて消え去った。


僕の持病もだいぶ悪化しているのは解っていた。


裕子さん、今日はとてもビックリしたけど、本当に嬉しかったよ。

本当に、本当に、ありがとう!


今なら言えるよ、僕ちゃんと言えるよ、言いたいんだよ!君に。


「裕子さん、君は僕の大切な 大切な初恋の人だったんだよ~!」

「裕子さん~!大好きだよ~!今でもずっと変わらないよ~!」

「裕子さん~!また会おうね~!」

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