14.中型スネークヘッドを選ぼう

 スネークヘッドのバリエーションは多種多様だ。しかし、60cm規格の水槽で終生飼育できる種類となると話は違ってくる。最大体長30cmを大幅にオーバーしないことは絶対条件。そのうえであまり泳ぎ回らないタイプが望ましい。


 そうなると、候補は絞られてくる。


 インディアンスネークヘッド。


 スチュワートスネークヘッド。


 アイスファイヤースネークヘッド(※注1)。


 チャンナ・オルナティピンニス。


 ブルームーンギャラクシースネークヘッド。


 適正サイズとしてはこの5種(※注2)に、あとはコウタイがギリギリ加わるかどうかといったところではないだろうか(※注3)。


 さて、2019年現在では少し状況が変わっているかもしれないが(※注4)、少なくともわたしがスネークヘッドを探し始めた2014年末頃においては、これらの中型種の中で最も稀少なのはブルームーンギャラクシーであった。当時わたしが知っていた都内のショップでは取り扱う気配すらなかったし、わたしの行動圏内にあった埼玉のショップにもブルームーンギャラクシーだけはついに入ってくることがなかった。


 しかし、それでもわたしは「飼うならブルームーンギャラクシー」と決めていた。


 ネットの画像検索などで特徴を調べたわたしは、そのくらいこの魚に惚れていたのだ。細身のフォルム。真っ青な体色に黒い斑点。何が「ムーン」なのかはよくわからないが、少なくとも「ブルー」は事実だし「ギャラクシー」も決して言い過ぎではないと思った。


 わたしのことだ、あとで他の魚も飼いたくなることは考えられる(※5)。しかしブルームーンギャラクシーを後回しにした場合、その確率は100%だ。そういう確信があった。


 というわけで、わたしは水槽の環境を整えつつ、目当ての魚が市場に出回るのを待つことにした。


 そして翌年の春、わたしはネットショップにて12cmほどの個体を探し当てることに成功した。お値段は約一万三千円。今ならともかく当時としては若干割高だったような気もするが、とはいえここを逃せば次にいつ見つかるかわかったものではない。


 即決だった。


 2015年3月。わたしの部屋にブルームーンギャラクシースネークヘッドがやって来た。



     ◇ ◇ ◇



 ※注1:アイズファイヤー、カブキなどの名前で販売されることもある。


 ※注2:これらより小さいレインボースネークヘッドやドワーフスネークヘッドは45cm水槽が適正サイズと言える。もちろん60cm水槽で飼うことにまったく問題はないが、わたしはどちらかといえば中型~大型魚志向なのでここでは候補から外した。


 ※注3:コウタイは前述の5種よりも体長が若干大きくなりがちと言われているので、60cmワイド以上の水槽を用意するに越したことはない。同程度のサイズで遊泳を好む傾向にあるチャンナ・プルクラなども同様。


 ※注4:あくまでもわたしの体感なので断言はしづらいのだが、最近ではアイスファイヤーのほうが入手難易度が高いように思える(いざ出回ったときの価格はブルームーンギャラクシーに軍配が上がるが)。実際どうなのだろう……?


 ※注5:事実そうなった。詳細はまたの機会に。

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