ハダカデバネズミが大好きになった!(笑)

 ハダカデバネズミの存在を知ったのは、かなり以前のこと。
 100匹くらいでコロニーを作って一生を暗い穴倉の中で暮す。その生態は哺乳類でありながら一匹のメスだけが子どもを産む。幾匹かのオスとあとは働きネズミ。近親交配を繰り返しながら、なぜか加齢知らずの病気知らずで、その寿命は驚異の30年。ただし、その見かけは無毛で肌はブヨブヨのシワシワ。大きな前歯4本が唇の皮膚を突き破って飛び出している。目はあるのか、ないのか…。
 それ以来、ハダカデバネズミは私にとってアンタッチャブルな存在だった。

 それがハダカデバネズミを名乗る星都ハナスさんの『ハダカデバネズミの幸年期』を、ご縁があって読むこととなった。ハナスさんの独特の人生観と幸福感にたっぷりと触れること1週間。読み進めるうちに、ちょっと齧った知識を振りかざして、自分の価値観をハダカデバネズミに押しつけていたことに気づいた。すごく反省した。人も動物もいやすべて生き物は、それぞれに置かれた環境で、幸福を求めて一生懸命生きている。

 そしてそして、今の私は、ハダカデバネズミが大好きになった!(笑)

 この『ハダカデバネズミの幸年期』、永遠に続きますように。
 そして私も、自分の命のある限り、読み続けたい。

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