超能力・・・じゃなくて小能力者の日常っ! 

@Oer345

第1話 前編『寝起きのベルがそれの終わり』

他人とは違くありたい。


特殊な人間でありたい。


誰しも中学2年生となったら考える物だろう。


特にアニメとかに感化されるからそれは仕方ない。




でも手から火が出たり、透明になれたり、空を飛べたり、そういうのに憧れたりは誰だってする妄想だろう。しかし、現実を突きつけられ消えてくその妄想




だが、もしその妄想が現実になったら...






ピピピ...ピピピ...ピピピ...ピピピ






嫌いな音が耳元へ届く




中学校に入ってから時間に余裕がなくなり、お陰さまで目覚まし時計の音はトラウマとなった。




近くから階段を昇る足音が聞こえる


僕の部屋は二階にあるんだが、この足音が聞こえた瞬間に僕は悲しくなる。僕の睡眠の終わりを告げるからだ




ガチャッ




もう扉は開いてしまった!




「ヒロキー遅刻するよー?」




姉さんの呼ぶ声だ。僕はそこで観念して起きる事にした




「おー、今日は起きるの早いね」




「お陰さまで」




「へへへ。もうご飯できてるよ~」




そう言うと姉さんは階段を下りて行った




正直この時間が1番心に来る




この布団から出る事!8時間ぐらいこの布団に会えないとなるとやっぱり心苦しい


だが1階から良い匂いがしてきたから背に腹は変えられず布団に別れを告げオレは下へ降りた




下へ降りるや否や


「ヒロキ!早く食べちゃいなさい」




お母さんがそう急かす


朝ご飯はサンドウィッチだった。




綾香あやか裕樹ひろきの事宜しくねー」




そういうと足早にお母さんは家を出ていった




「てかヒロキ、速く行かないとやばいんじゃないの?


 今日始業式だから速めに行くって言ってなかったっけ?」




「あ!そうじゃん」




「ええ...」




「今何分?」




「7時20分だよ」




思わず耳を疑った




「え・・・今日7時30分から始業式じゃん!!!」




「ははは」




後ろで姉さんが腹をかかえて笑ってる


笑ってる場合じゃないのに・・・!




サンドウィッチを口の中に詰め込んでバッグを持って外を出ようとした




「ヒロキ?あんたその格好で行くの?」




自分の格好を見るとパジャマだった事に気づく




それには姉さんも呆れてたと思う。自分でも自分に呆れてたから。




~~~


急いでる時の信号待ちのイライラは尋常じゃない。


無論こっちが悪いのだけれど...それは痛い程に分かってる


バスの中でも僕はずっと時計を確認していた。


降りる停留所に付いた時には時計は 8:00 と示していた




どうしよっかなー、このまま休んだ事にしようかな


このまま帰ってもバレないんじゃね・・?




そう思ってたが足は進み続ける


これは自分の意思で止める事ができない!




ついに学校の前まで来てしまった




始業式は体育館でやってるはずだ!


学校の門を通って体育館まで向かう


その足取りは多分震えてたと思う




僕はスーッと息を吸い込んで体育館のドアを開けた。そのドアは予想以上に重かった




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