初めてのヘルプ

席に着く、ヘルプに着く


すなわち、客の席に共にすることを言う。


そもそもヘルプとはなにか。


客として来た女の子は、通うためには誰かホストを一人指名しなければならない。


永久指名制といって、一度指名をしたらまた別の日に来ても指名を変えることは出来ない。


指名をもらっているホストのことをその女の子の担当と言い、その席に着く。


しかし、人気のあるホストは何人にも指名をもらうため、同じ日ににたくさんの女の子が来店することもある。


何組か自分指名の客がいる事を被りという。


被りが出たときに、担当の代わりに接客するのが「ヘルプ」である。


ヘルプをしていくら酒を飲んだからといって、ヘルプの売上が上がる訳ではない。


自分のことを指名してる女の子の売上でしか、自分の売上にはならない。


そのため、ヘルプをないがしろにするホストも多い。


しかし、このヘルプは非常に大切である。


ヘルプが下手くそで売れてる人はいない。


売れてる人は皆ヘルプがうまい。


俺が初めてヘルプした席はものすごく覚えている。


良い意味で印象的だったからだ。


というのも超爆乳のセクシー女優だった。Kカップらしい。


スタイルよくはないが、あそこまでデカイと胸にしか目がいかないっていう程でかかった。


めちゃ胸元の開いてる服を着ていた。


セクシー女優をやっているということもあってか、見られるのは慣れているんだろう。


むしろ、見られるということで承認欲求を満たしているのかもしれない。


その人のところにセラと一緒に着いた。


「今日から入店のゲンキ!一緒に仲良くしてなぁー!」


「よろしく~」


この子ははとても優しかった。どんな人でも優しく包んでくれる。


「なに飲む~?」


よく見たらその子のテーブルにはカロリ(缶チューハイ。ホストでは一番出る)が20缶程あった。


「ゲンキはレッドブルウォッカ好きらしいから俺の分も合わせて2つもらってもいい?」


「いいよ~」


「僕持ってきますよ!」


「いやいいからゲンキはおっぱいでも見とけよ!ギャハハ」


そういってキッチンに去っていった。


「今日からなの~?」


「そうです!よろしくお願いします!」


「よろしく~」


そんなこんなしてるうちにセラが戻ってきた。


「はいよ!」


レッドブルウォッカを2つ持ってきてくれた。


女の子と乾杯して一口グイッと飲んだ。


その瞬間、


「まず!!!!」


思わず叫んでしまった。


隣を見ると腹を抱えて笑ってるセラがいた。


「ギャハハ!!!!!」


レッドブルウォッカは通常

ウォッカ1:レッドブル9くらいなのだが


セラは俺のだけ


ウォッカ7:レッドブル3くらいで作って来たらしい。


気合いで飲み干した。


セラはまだ笑ってた。


セラの笑ってる姿みると怒る気さえ失う。


「ゲンキリスト、ゲンキリスト」


マイクで呼ばれた。


(リストと呼ばれたら飲み物を飲み干してその席を外れなければならない)


「ご馳走さまでした!ありがとうございました!」


そんな初めてのヘルプ席だった。


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