第11話 終わりの始まりは常にそこに

高野大善が言うのはこうだったようだ。


それは―――シミュレーションデートもとい

兄妹関係修復シミュレーションなのだ。


内容は簡潔で、妹を高野が演じながら

ショッピングセンターに楽しむために

練習に付き合うと提案したのだ、

おぉー!スゴい案だと思ったが

その練習に時間が大幅に失うので断ろうと

すると、高野は不満そうにした。

そして、なにかをひらめいたようで

その言葉は一体――


「練習が無かったからこんな

引くに許されない状態に追い込まれた

のでないのかな由布くん!」


練習・・・本番にいつでも対処をするために

繰り返し慣れさせ予期しない事も備える

ことも何度も行うもの。

・・・目にも鱗な情報だこれは!


「そ、そうなんだが・・・どうして

くんづけ?あっ、やっぱりいい!

どうせ、なんとなくとか水溜まり並みに

浅い理由だろうし。」


「それは、どういうことだあぁぁぁ!!」


肩を叩いく高野。もちろん戯れのレベル

で痛みなんて・・・・・・。


「い、いたい!いたたた、ストップ。

ごめん。じゃあ、深い理由でいいよ。」


「ブー、それだとわたしが言わせた

みたいで後味が悪いのだけど!」


頬を膨らませそんなことを言う。

その台詞に俺は言わざるにいられない。


「いや!実際そうだからなぁ高野。」


嘆息すると、予鈴が鳴り憩いの時間を

終わりを告げる。

お互い立ち上がり教室に向かうため

高野が先頭に歩きドアノブを掴み

開き歩いていくのをついていく。


そして、廊下をゆっくり下りながら

後ろ姿の高野は少し小さな声で言う。


「由布・・・練習を疎かにする人には

本番に上手く行くことなんて、

なかなかないんだよ。

情報だけで動くと滞ることなく

行くことなんてそんなにないのだって

頭がいい由布がそれを

知っているはずじゃない。」


いつものような、飄々とした態度ではなく

真剣に考えてくれている。

相談して正解だった・・・いつか、恩を返さないといけないな。


それに・・・高野の言う通り練習もなく

本番するよりも練習を積み重ねた方が

飛躍的に成功率は上がるだろう。


「分かった、協力してくれるか高野。」


「友の頼みだからね。」


カッコよく頼もしいそうに答える。

でも、見た目が小学生だから

何て言うかアンバランス。


善は急げで目的地の唯悧と前にデートした

ショピングモールの入り口前の横に着く。


「では、心の準備はよろしいですか?」


「いつでもいいぜ・・・けどなぜ敬語?」


「こう言うとき、こっちの方が気合いが

入れると思ったんだよ。」


「・・・な、なるほど。」


まったく分からないが肯定する。


「確認するけど、わたしと由布が

擬似的なデートなわけだから

今からわたしが、妹さんのように

演じないといけないから、

口癖とか性格とか詳細な説明を求める!」


胸を張りながらデカイ態度で

子細を求めるのをため息してから、

唯悧の天真爛漫で優しく容姿端麗を。


「フムフム、なるほど・・・わかったよ。

治しようがないシスコンだと。」


高野は熱心に詳しく素晴らしさを言う

俺にそう評価をする。・・・んっ?


「ま、待ってくれ!どうしてここで?

前にも、このよく似たやりとりをしたばかり

なんだけど。」


「いやだって、そんなに熱く語り始めたら

普通に引くからねぇ。」


・・・・・そうだった。隠そうとしているが

余裕がなく、親友の前だとつい

思いの丈を出てしまったようだ。

なにか、付け加えて隠蔽しようか悩んでいると、高野はなにが面白かったのか

笑い始める。


「ぷっ、あははっはは!そう深刻な

事ないんだから、そんな真剣にならなくても

いいのに。」


俺、そんなに真剣な表情をしていたのか。

確かにシスコンと言われて真剣に悩んでいたら、おかしいだろうなぁ。

またも選択を――いや、間違っていない

はずだ。おそらく・・・。


「大体は理解した。わたしが妹さん役で

行くことで、いいよね。」


「いいけど、・・・映画とかの

同じ場所を長時間経過するのはなしで

いいか。なるべく早く終わらせたいし。」


唯悧が前にすこぶる心配させたことが

あって、2度としまいと確固たる

強靭な決意をした。


「いえ、映画もデートコースじゃない。

論外の論外。参考する重要じゃない!」


しかし俺の言葉を却下されてしまう。

それは、デートコースに映画なんて

当然の決断だけど・・・唯悧の悲痛な

表情で待っているのを想像したら

俺は、その却下をどうしても覆さないと

いけない!決して。


「ダメなんだ・・・」


しかし上手い言葉を思い浮かべずに――

いや、納得させることがあったじゃないか。


「唯悧を一人させてしまったら

不安で、それに夕食が作れないと

いけないから。」


すると、腕を組む親友は頷きながら言う。


「ほーほー、なるほど。それなら

早く帰った方がいいよね。」


「ああ、助かる高野。」


「それなら、スマホで報せないとねぇ。」


報せる。それがあった!!どうしてそんな

当たり前の事が思い付かなかったのか!

俺は鞄からスマホを出し遅れると押す。

一言と帰路の時間帯を送れば

あの顔をさせずにいられる。


「ありがとう高野これなら

映画もなんとか入れるかも

しれない。」


「それは、よかった、よかった。

入ったらスタートことで。」


「りょうかいした。」


そして、本番のためのシミュレーションを

ようやく始まったのだ。


「・・・・・なあ、近すぎないか?」


「ど、どど、どうして?」


パニック状態寸前かそうなっている

高野に俺は、繋いでいる右手に

視線を向ける。


「・・・いや、だっていきなり

手を繋ぐなんて。

それに距離もかも。」


「ち、ちがうから!これは・・・

言ったでしょう。練習、擬似、

シミュレーションだって!だから今のわたしは妹さんをなりきっているわけで

他意とかないから、理解したよね!

違った、分かったよね。」


ここまで、恥ずかしいだろうに無理させて

申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

俺と付き合っているなんて変な噂とか

流れたり、妹の唯悧のように振る舞うため

言動も頑張っているのだ。唯悧は

そんな言葉とか動きはしないけど、

ここまで、協力しているんだ俺も

しっかりしないと失礼になるだろう!


そして、俺は唯悧にいつも向けるような

笑顔を向けながら答える。


「そうだな。分かった・・・まずは、

雑貨に寄らないか?」


すると、高野は呆然となりみるみる

顔が赤くなっていく。


「あわわ、はわわぁ!?」


「た、高野なにかミスがあったか?」


不安になりそう訪ねる。まだ始まった

ばかりだけど、不安になった。

高野は俺の問いに目を覚ますかような

目を瞬かせ、そして一回の咳払いする。


「コホン・・・大丈夫だよ、大丈夫。

あっはは、でも心配してくれて

ありがとうねぇ、お兄ちゃん♪」


そう明るく言うと俺の腕に密着する。

そして意識せずできないのがあった、

当たているのだ胸があ、当たっていて・・・

なにを考えているんだ俺!


そんなものを意識しないでデートに

意識を向けるべきじゃないか!

・・・それと、お兄ちゃんの言葉の威力も

絶大的で嬉しそうにするところだった。


「あ、ああ。どうもしたしまして。」


雑貨では、妹が好きそうな物を

積極的に勧めたりして

次の映画ではとりあえず人気の恋愛映画を

観て、レビューの高い喫茶店に入って

映画のコメディーを言って楽しんだ。


そして、ショピングモールを出る頃には

空は闇夜に変わり車や建物の光の時間。

そして、しばらく同じ道を歩いていると

高野は振り返る表情は下に向いているので

分からなかった。


「・・・ねぇ、もしかしていつも

こんなデートを?」


肩が震えながら質問をする。寒いのかな?


「えっ、デートじゃないんだけど。

いつもは、そうしている。」


デートなんて現実の妹とそんなことは

出来るわけがないので否定。


「そう。・・・由布・・・・・・

この、ヘタクソがあぁぁぁぁぁ!!」


指を顔を差して鬼の形相で激怒したの

だった。えぇー、どうしたの急に!?


「ど、どうしたんだ高野そんな

怒ってしまって?」


「はい?自覚はないと、もういい!

帰ったら欠点をまとめたライントークで

送るから参考にするように。」


それだけ、伝えると地団駄を踏みながら

歩き始める。ついていこうとすると―


「今日はこれで解散ことでいいよね!

それじゃあバイバイ。」


一人、帰ろうとする高野に俺は、手を掴み

引き止める。高野は、怒ったのか

顔が赤くなり口が開きぱっなし。

でも、なんていうか怒っているように

みえないんだよなぁ。これ?


「女の子が夜道に一人だけで帰ろうと

するなんて危ないから、

俺も家の近くまで送るよ。」


「い、いいから。」


「近くまででいい!心配なんだ・・・

危険な目に遭ったと思うと、だから

本島に近くまででいいんだ。」


「・・・由布のそういうところが

カッコよくって、好きなのよね。」


「好き?カッコいい?」


呆然となったようにらしくない台詞?

熱とか病気じゃないかな?


「ち、ちがう!?こ・・・・・これは

・・・友達として、仲間として

理想的な行動だった意味だから!」


「いや、大丈夫だ。そんな慌てなくても

恋愛対象としての意味として

間違わないから。」


「・・・・・・」


なぜか、地団駄を踏みながら無言で

再び歩く高野に俺は、ついていき

機嫌を取るためにアニメなど話をすれば

よくなると考えたが甘かった。

空返事だけされるということになった。



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