第10話 実践の前に練習するべし!

あれから一週間くらい過ぎ

高野と相談しては

実践しては失敗し妹の関係は後進していく。


そして、昨日は好きなアニメをリアルタイムで見ずに部屋に行ってしまったのだ。

今までは、このアニメを終ったら

就寝をしていたのに・・・きっと

睡魔に襲われていたから諦めたのだろう。


そして、明日つまり今朝は

録画したアニメを鑑賞していた。

つい笑ってしまうラブコメなのだが

唯悧は、笑っていなかった。


それどころか俺には笑うのだが明らかに

作り笑いだった。それをはたして問うっていいのか躊躇うと妹は、早く登校した。


そして、12時の昼食タイムの屋上で

俺は高野に愚痴る。


「唯悧がなぜか、俺が声を描けなくても

しっかりしていたんだ!?

いつもは、声か揺さぶらないと

起きなかったのに・・・

船をこぐような事もなくって

心配なんだ!?」


「フムフム、なるほど。」


高野は自分の長い白髪をいじりながら相づちを打つ。そして弄っていた

手を次は顎門あごに触れ

おもむろに腕を組むと言葉を発する。


「むずかしい。」


「ああ、万策つきたにもほどが

あるよなあ・・・これ。

妹に普通に楽しく会話がこんなにも

むずかしいなんて思わなかった。」


「まぁ、それもそうなんだけど

わたしの言っている事は別の事を

なんだけど。」


「別の事・・・俺が見落とした

なにかなのか?」


一体どんなことを言うのか・・・。


「船をこぐって何?」


「・・・あ、ああ。船をこぐ言うのは

眠り状態かその一歩手前の体を

前後を揺らぐような動きの事を言うんだ。」


「おぉー!さすがは由布。博識だね。」


「はは、どういたしまして・・・

って和んでいるじゃなくて

どうすればいいのか思案と愚痴をだな!」


「はい、はい。でも思案ならともかく

ぐちは要らなくない?」


「いや、確かに必要ない場合もあるけど

立ち直るためとかストレス解消のために

必要だって思う!ちなみに

俺の場合は、前者の立ち直るために!」


弁当の玉子焼きを口に運び咀嚼する高野。

ゴクンと飲み込むと箸を向けて喋る。


「そんなの理由は色々だと思うけど。

それなら、次はわたしと一緒に

映画を行くのはどう?」


「えっ?一緒に・・・もしかして!?」


「えっ、なにその反応?

わたしなにか変なこ・・・と・・・っー!」


高野は箸を落とフリーズすると

顔がトマトまでいかなくても近いぐらいに

赤くなっていく。ど、どうしたんだ?


「高野・・・大丈夫か?」


「ひゃい!?だ、だだだ、だだだだだ!」


えっ、なにかのバトルマンガの

技か叫びか何かかな?


「だだだ・・・大丈夫だから。

勘違いしないでひょ!デートじゃいん

だから!!」


「えっ、デート・・・流石にそれは

断らせてもらうよ。」


さすがに許容はできない。もし想像すると

きっと、美しいだろけどそれは認めない。


「え・・・・・・・そ、そうなんだ。

即答されると・・・ううぅー。」


嗚咽を堪えきれず、涙や詰まらせた声に

俺はやり過ぎたと遅蒔きながら

気づいたのだ。相手が好きで苦しいのは

俺がよく知っているのに。


「ごめん・・・言い過ぎた・・・・・」


「ぐすっ。ほんとうだよ・・・

好きだったのに・・・どうひぃて、

そぅんなひどいごどを?」


「・・・だって、妹とデートなんて

聞いたからには兄として止めないと

いけないだろう。そりゃあ

やり過ぎたけど。」


感情的になってしまった。

本当に悪いことをした。高野だって勇気を

ふりしぼって告白したのに。

俺はなんて最低な発言をしたんだ。


「そうだ・・・よ・・・・・・・・・

んっ?・・・わたしが妹さんとデート?」


「え?どうして疑問そうに・・・。」


お互い顔を傾け見つめ合う形になる。

すると、頬を赤らめ逸らす高野。


「オーケー、なんとなく理解した。

勘違いそれ!わたしが言ったのは

三人で出掛けることで

わたしと妹さんが行っても初対面だし

困るでしょ?」


「そうだったのか・・・あれ?

そうなると何に泣いていたんだ。」


「そ、そんなことよりもどうこの提案?」


「うまく行かないと思う。

俺が高野の話をすると嫌そうにするから。」


それと、悲しそうにもなっていた。それを

伝えるのはけっこうダメージを受けそう

なのであえて言わなかった。

すると、高野は苦笑して答える。


「そうなんだ。うまく行かないよね・・・

本当に。」


「・・・ああ。」


俺が小さく答える。すると、食べ終わったようで弁当箱を片付けながら

思い付いたような顔立ちに俺に伝えるは。


「妹さんと遊ぶなら・・・わたしと

一緒に練習するべきだって思う!」


「一緒に練習?」


そう俺が鸚鵡返おうむがえしのように言うと嬉しそうに恥ずかしさ混ざった

表情で強く言うこだった。



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