第3話だからなのか

唯悧ゆいり!明日よかったらショッピングしないか?」


俺はその後、夕食を作りながら話をする。

妹が受験勉強で忙しくなれば

デート・・・もとい

遊ぶことができないなる前に

いっぱい出掛けて映画を見たり

手を繋いだりしようと計画を立てっていた

のだ。・・・我ながら危険な思考だな。


それにしても相変わらずの

芸術性の極められた腰まで伸ばした

煌めく黒髪。そして、

雪のような肌は―――いやいや

流石さすがに気持ち悪いぞ俺!?

それをもし言うことになれば終わりだ。


そんなバカな事を考えていると、夕食の

カレーが出来たので、テーブルの上に運び

呼びだし食事する。


カボチャカレーを頬張りながら

思考を巡らす。

カレーを飲み込むと誘うそして

首を傾げる唯悧。


「いいけど。

いつもは休日に誘うのに

平日の放課後なんて珍しいよね。」


そういつもは、学校が休みのときに

よく出掛けたりする。

だが、これからは

残された時間を有意義に使うと決めたんだ。


「ああ。

そうなんだけど、たまには一緒に

出掛けたいと思ってね。」


「え?

・・・う、うん。」


頬を赤らめうつむく姿は

ラノベのヒロインのような反応だった・・・

いやいや!待って俺よ。

自信過剰にもほどないか?


い、い・・・妹が俺を好きになるわけが

ないだろう。

ずっとそうなったらいいなぁ

思っていなかったと言ったら嘘になるけど

・・・だーかーらー落ち着け俺!

なんだか支離滅裂!?


「・・・・・」

「・・・・・」


それからお互い黙々と食事をする。

時々、目が合ったりすると

俺はすぐに逸らす。


今ごろ唯悧は、呆れているか

傷ついているだろうなぁー。

そして次の日になり

いつもの授業が終わる。


放課後になると

俺はすぐに約束の地に行く。


(いつものショッピングセンター近くにある

噴水広場のベンチに会う約束したが

・・・ま、まずい!

これなんだかデートの待ち合わせみたいに

なっているような・・・・・

ええい!

ちがう!そうだけどちがうんだ!)


そうだ。

ただの仲がいい兄弟による

買い物にしかない。

だ、だからこの高まる感情を

静まりたまえぇー。


「お待たせお兄ちゃん。」


いつもの白銀中学校の白銀の制服。

特に唯悧のためにあるのだと

そう思わせるほどに可愛い。


もはや宇宙は唯悧の美しさにある。

っと、まずい

いつもの発作が起きた。


落ち着こうとしていたら突然に

声を掛けられたから

内心爆発した!


さて、本当に俺の心を落ち着かないと

とんでもない発言するから

気をつけるとしよう。


「ゆ、唯悧その来るの早かったんだな。」


すると唯悧は、時計塔モニュメントクロックを一瞥すると口を開き軽く驚き

そして、視線を俺に戻し

呆れと申し訳なさそうに・・・する?


「お兄ちゃんの方が速いよね。

あきらかに!

少し時間が掛かると思ってゆっくり

歩いたのが・・・油断だった。

もう少し早かったら

アドバンテージだって過信していた。

わたしのミスだったよ!」


歩いたのが所で視線は下の方向になり

右手をあごに触れ一人推測に耽る。

それにマンガやラノベだと

小声なのだが

普通に聞こえる。


残念なことにこれは、現実だから

小声でも聞こえるときもある。

それと、現実だから実の妹が

兄を好きになることなんて

あるわけがない・・・。


「そうなると、この後の映画で挽回を。」


「唯悧そろそろ行かないか?」


「あっ!

そ、そうだねお兄ちゃんえへへ。」


隣に一緒に歩く。

時々、手を繋ぎたいとか

こんな願望が出るが

そんなことをすれば汚物の扱いが確定。


それよりも一緒に買い物が出来る

だけで嬉しい。

俺がゲームやマンガを愛するのは

知っていたので

最初はゲームセンターにしよう。


いつもは、家でゲームを一緒に

しているので

これなら喜んでくれると思い

選んだ。


「うわぁ、最近来てこなかったけど

色んなゲームがあるんだな。」


「ねぇ、ねぇお兄ちゃん!

あのアニメのゲームもあるよ。」


入り口に入ると唯悧は、すっかり

目を輝かせ筐体を見て廻る姿を見て

来て良かったと満足する。

妹の笑顔を見るとこっちも

元気になるってもんだぜ!


そして気に入ったゲームが見つけたようで

俺を呼ぶ。


「はい、はい。

あっ、今期のアニメにあったなぁ、

確か。」


「うん。

なんだかワクワクしてきたよ!

わたしやるね。」


「それじゃ、俺もやるとしよう。」


お互い百円を入れプレイする。

スマホを置くような所がある。

確かデータとかなにかあったなぁ

よく分からないけど。

格ゲをするそして第一ラウンドで敗北する。


「む、難しい。」


家庭用のゲームをよくやるので

ゲーセンは、久しぶりなのか

かなり腕が落ちてしまった。

隣の妹の方を見ると・・・圧勝していた。


「おもしろいよ、お兄ちゃん。

あれ?

もう負けてしまったの。」


「あ、ああ。

来ないうちに下手になっていたよ。

唯悧はこのゲームを・・・

あー、少し前の反応からして

やっていないこと思い出した。」


「加えるならゲーセンに来たのも

ずっと前になるよ、わたし。」


ずっと前だって・・・こ、この腕前がか!?

画面には、もはや分身だと言わんばかりの

動きと攻撃しているのですけど。


(ゲームが強いのは分かっていたが

ここまでの実力だったのか・・・。)


知らない一面を知った。


「お兄ちゃん対戦をしよう!」


「そうだな。

二人以上に来たら対戦だからなあ・・・

たぶん。」


基本的にぼっちなので

おそらく連れと一緒なら対戦はすると

推論している。


「・・・ま、負けた。

こんなにあっさり・・・・・。」


「・・・わ、ワーイ

勝ってた。」


ノーダメージで完勝をされる。

ボロ負けされ悔しいし、

さらに後から忖度する妹の言葉に

嬉しくもあり情けなくあり

惨めであり・・・。

そして、俺はゲーマー唯悧の

活躍をただ見ていた。


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