(1-2)一旦整理しようか。そんでもって・・・
朝5時。登校前の鍛錬の一環で、俺は家から10キロ離れた場所までランニングをすることにしている。しているのだが、今日だけは集中できないので家で筋トレをすることにした。
「というか、明らかに昨日より回数が増えてる。」
昨日まで腕立ての回数は片腕で78回が限界だった。だというのに今は82回。4回も増えていることに驚くも、原因の予想は大方できている。
「ふー、どう考えても、レベルアップの、影響だよなっと!」
今は自室に取りつけた鉄棒を足で挟むようにして腹筋をしているのだが、これも昨日よりいくらか回数が増えているあたり、本当に体が強化されたと考えていいのではないだろうか。
となると、次のレベルアップでさらに体の状態が向上するということだろう。
不思議なことに、体が目に見えて肥大化したわけではないのに筋力は向上している。いや、数回腕立てや腹筋の回数が増えたところで体つきがすぐに変わるというわけではないが、俺の場合は毎日体の状態をチェックし理想的な体型の維持を心掛けているため、子細な変化にすぐに気づけるのだ。だからこそ、変化のない今の状態に疑問を持った。
「でもまぁ、考えてもわからないことはわからないか。・・・可能性、あるよな。」
可能性とはつまり、レベルアップによる飛躍的な身体能力の向上。
技術も勘も、どうあがいたって俺はあいつには勝てない。だがこのレベルアップがあれば、少なくとも離れた実力差を埋められるかもしれない。そして向上した身体能力に合わせた技術を体得することで、初めて奴から勝利を手にすることが出来るかもしれない。そう思うと、体が自然と裏庭に向かっていた。
外は、ねっとりとした外気に、自然特有の匂いが混じって夏を感じさせる。だというのに、そこの周りだけ少し気温が下がっていると錯覚するような、何とも言えない不気味な雰囲気に包まれていた。
「変化は起きたときから無しか。あのゴブリンはそこまで筋力があるようには思えなかったし、当然と言えば当然なんだが、少し拍子抜けだな。」
俺は昨日の一件を受けて、ゴブリンたちがあの穴から続々と湧き出てくるのではと警戒し、愛犬のポチと共に一緒に外で寝た。そして今朝、変わらず大き目の家具やその他の道具たちでガチガチに封鎖された穴を見て一旦筋トレをするため家に入ったのだが、2時間経ってもポチが吠える気配はなく、家具がどかされる音がするわけでもなかった。
もしかすると、あのゴブリンは偶々入口近くにいただけかもしれない。それなら一応納得は出来る。しかし、それならば他のゴブリンがダンジョン内を徘徊し、家具で塞がれた道を見れば間違いなく怪しむはずではないだろうか。それだというのに一晩経っても何かをする気配すら感じられないというのは不自然だ。
考えられるとすれば、それは。
「ダンジョンに人を呼び込むためのデモンストレーション、か・・・?」
一体の魔物を、それも生命の危機を軽く印象付けるのにちょうどいい相手を用意し、ダンジョン内に人をおびき寄せる為の一種の仕掛け。そう考えれば先程よりは少し納得できる。そうすると、あまりにも人が入ってこなければさらに追加の魔物を、といった可能性も考慮できるのではないだろうか。憶測に過ぎないが、遠からず近からずって感じがするな。
ともかく、情報収集をするべきだろうか。自分でも気づいていなかったがどうやら俺は気が動転しているらしかった。どうしてこの推測が思いつかなかったのか不思議に思う。
「ダンジョンがここ一つとは限らないし、地震の直後に現れた。そして地震は広範囲で頻繁に起こってる。ならきっとあれと関連してるに違いない、かな。」
ポチに再度警戒をお願いしてから家の中に入りテレビをつけスマホを操作する。予想通り、ニュースではひっきりなしにその速報ばかり報道されていた。
『現地での中継です!ご覧ください!富士山を消し去り突如として現れた大穴から!しばらく沈黙を守っていた奈落から!叫び声のような音が鳴り響いております!かなりの音量で今にも頭がおかしくなりそうです!自衛隊がバリケードを築き様子をうかがっていますが、音量は一定で鳴り響き続けています、一体何が起こっているのでしょうか!中継からは以上です!』
『今はいりました情報によると、どうやら各地で謎の穴が出現し、そしてそこから醜悪な生物が多数現れたようです。被害は甚大で、自衛隊や民間人が処理するまでに沢山の被害を出している模様。多い所では二桁の死者が出ており・・・たった今新しい情報が入りました!謎の穴は元富士山を中心に放射状に分布、中心に従って数が多くなっていることがわかりました。現場では引き続き・・・』
「やっぱりか。どうしたもんかね。俺一人で倒しちゃったけど、一応通報すべきか?・・・・・・。」
迷う素振りをしつつ、俺は再度穴の方、ダンジョンの入口へと向かう。
未だ沈黙を守り続けているダンジョン。しかしいつ何時変化が訪れるかもわからない。早めに対処する必要があるわけで、そうなるとどうしたって警察などに頼った方がいいに決まっている。それは分かっているのだが。俺は可能性を捨てることが出来なかった。
「ポチ。もし強くなれる道が、俺が勝利を掴めるかもしれないとしたら、どうするのが正解だと思う?」
「ウウウ、ワウゥ・・・。」
「はは、そりゃそうか、わからんよな。・・・ちょっと留守番、頼む。」
「ワウン!」
元気よくそう吠えたポチは犬小屋に戻り、そこからしっかりと警戒するようにダンジョンの入り口を見張り始めた。
そして俺は武器の製作に取り掛かることにした。どうしてかって?そりゃもちろん、強くなるために決まってんだろうが。
「レベルアップ。仕組みも何もわかっちゃいねーが。俺が勝てるなら、それでいい。それに、出てくるやつらをまとめて薙ぎ払っちまえばいいだけの話じゃねーか。俺は強い、剣心にもいずれ勝つ。そうさ、最強に、なってやる。」
もはやこれは意地だった。
最強になったところで生産性はないかもしれない。お金を稼げるわけでもなければ、誰かを幸せにすることだってできないかもしれない。それでも俺は強くなりたい。負けっぱなしは、大嫌いだ。なにもかも一番がいいに決まってる。
そうと決まれば話は早い。
まずは戦う準備、そして昼から、ダンジョンアタックだ。
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ということで俺は自室と物置小屋を探り、何とか武装を整えた。
武器として用意したのは三つ。
一つ目は50センチほどの鉄パイプだ。
物干し竿を作る際出た切れ端で、放置されていたのを使うことにした。もちやすいように野球のバットのグリップを巻き付け、先を潰し鋭くすることで刺突武器の性能を期待している。穴をあけ、紐を通し、S字フックでベルトに簡易的に吊り下げた。地味に電動ドリルで穴を開けるのに苦労したよ、慣れないからなかなか開けられなかった。
二つ目は包丁。
それも鮪の解体をしたいからという理由で数年の貯金を経て母が買った鮪切と呼ばれる、もう日本刀やんという代物だ。とりあえず鞘を紐で隙間なくぐるぐる巻いて、終端が持ち手側まできたところで一旦結び、残りをベルトに括った。これで激しい動きをしても取れることはないだろう。
ここまではサブの武器として用意している。パイプは何かの使い道があるかもしれないが、鮪切は広い部屋でボス的な何かと遭遇した時ぐらいしか用途が無さそうだ。
え、じゃあなんで嵩張るのに鮪切を持ってきたかって?
もちろん、ロマンに決まっている。
いやほんと、日本男児なら誰でも刀に憧れると言っても過言ではないだろうよ。幼いころに台所でこれを握って鮪と格闘していた母さんを見て、俺もいつか強大な敵と、ああやって切り結んでみたいと思っていたんだ。だが、そんな機会はないと、成長してから悟った。だからこそ、俺はこいつを持って冒険に挑もうと考えたのだ。
「まあ、実際は取り回しがしやすいこいつを使うんだけどな。」
パイプと鞘に納められた鮪切をベルトに固定した俺の手には、最後の武器が収まっている。
「うし、重心は申し分ない。振りぬいた感じも悪くないな。」
ブンッと振るわれたのは、全長約80センチの斧。
しかも市販の刃渡りが短い代物ではない。もはや人を殺すために作られたとしか思えない刃渡り約40センチの凶悪な斧だ。もちろん、外国製。ああそうとも、アメリカから直輸入だ。空港で没収されてしまいそうなものだが、父がどうやってか簡単に取り寄せられてしまった。そして結局こいつの出番はなく、物置の奥に隠すようにして仕舞ってあった。そうだよな、これはさすがにすぐに見つかるところに置いておくわけにはいかないよな。
ともかくこいつの持ち手の部分にもグリップを巻き付け滑りを防止しておいた。何故か持ち手の終端に巻き付くように金属のリングが装着されており、見た目がかなり厳つい。指三本ほどの幅で厚さが約5ミリ。それが二つ並んでいて、終端は金色の合金で蓋をされている。意匠もかなり凝っており、個人的にはものすごく気に入っている。
心配なのは木製の柄で、こいつの強度がいかほどかによって俺の勝敗が左右される。まぁ、浅いところだけしか探索しない予定だし、最悪壊れても逃げに徹するだけなら鉄パイプでも事足りる。
「武器はいい。でも防具が心もとなすぎるな。」
一応、ぴったりとしたアンダーシャツと、その上からライダースジャケットを着ている。父から譲り受けたこいつはとても使い込まれており、動きやすさとしては申し分ない。新品であれば動きづらかったかもしれないが、むしろ体にフィットして動きやすい方だ。
下はランニングで来ているズボンを履いてみた。こちらもシュッとしていてシルエットとしてはかなりすっきりしている。裾が締ったデザインでヒラヒラしないのも高得点だな。
正直、防御面はどうしようもなかった。皮鎧がベストだがそんなものない。攻撃を避け、きっちりと一撃で仕留めるスタイルが俺ができる精一杯だ。そのための主武器、斧といった構成にした。
準備は整った・・・・・・などとは思わない。
「水、軽食、明かり、タオルにゴーグル。よし、完璧だな。」
ゴーグルに頭を通し、首にかけておく。その他の物は斜め掛けのカバンに収納することにした。カバン自体は体にフィットするタイプで、動きを阻害しない。フィットフィットうるさいという苦情は、仲間がいないからそんなものは出ないということにしよう、うん、大丈夫。
これで本格的に準備が整った。
母の寝室からインテリアとして使っていたランタンを持ってきて実際に火をつける。うむ、こちらも外国から取り寄せた物を使っていて、品質は上々のようだ。土木会社を開く前は世界中を飛び回って旅をしていた父さんと、旅先で父さんを口説いた母さん。そんな二人だからこそ、普通じゃない装備がそろったと言える。ありがとう、大事に使うよ。
「目標は、浅いところのマッピング、そして、あわよくばレベル2に上がることだな。」
さて、ダンジョンアタック開始といきますか。
慎重に家具などをどけていき、中が覗けるようになったところでしっかりと一度確認する。
「よし、近場には何もいない。一応一本道なのは確認してたが、変わりはないな。」
残りの家具をどけて、完全に洞窟の入り口を露にさせる。
「いざ!」
腹をくくり、未開の地へ一歩、俺は踏み出した。
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進んでみてわかったのは、壁も地面もしっかりとした硬さがあり、ある程度の整地もされていて進みやすいということだけだった。
「壁に目新しいものもないし、十分に動けるスペースもある。本当に人を招いているように思えてきたな。光源がないのは仕方ないことだが。」
鮪切を振るうには少し戸惑いを覚えるが、斧程度なら簡単に振り回せるほど横幅も高さも十分あり、これなら戦闘の心配はしなくてよさそうだ。
罠や魔物の警戒をしながら慎重に歩いていく。前方の地面や壁を斧で確かめながらの前進なので、普通に歩くよりは遅いし、緊張もあって疲労が溜まってきた。
途中、分岐が何回かあったがすべて右方向の分岐を選んだ。これで戻るときに迷わずに済む。マッピングの技術を学び次第、徐々に地図作成を進めていこう。
それから程なくして、俺は前方から近づいてくる音を察知した。
「いよいよお出ましか。戦いに関しちゃ、気負いはないさ。存分にかかってきな?」
「ギギャギャ!」
俺の声に反応しながら光の中に足を踏み入れてきた小さい影。
黒く皺を刻んだ醜い生き物、ゴブリンが一体、こん棒をもってこちらを威嚇するように牙を剥いて唸る。
そっと壁際にランタンを起き、戦闘態勢を整える。一通り威嚇が終わったのか、こん棒を左右に揺らしながらこちらとの間合いをはかるゴブリン。
「意外に知能が高いな。相手との距離をはかるなんて芸当してくるなんて。それなら、こちらから行かせてもらうが。」
一歩強く踏み込み、ゴブリンとの間合いを詰める。こちらが動くのを待っていたのか、足を狙うかのように低く地面を這わせこん棒を振るうゴブリン。俺は下からすくい上げるようにして斧で対抗。鈍い音を立ててお互いの得物がぶち当たる。
力負けしたのはゴブリンだった。大きく弾かれたこん棒は勢いよくその手を離れ明後日の方向に飛んでいく。間髪入れず、振り上げた腕を折りたたんだまま振り下ろし、肘打ちを顔面に当てる。強い衝撃によろめいたゴブリンにすかさず両手で持った斧で肩口に全力で斧を叩きつける。
「ギギャァァァアアアアア!」
喚き散らすゴブリンの体は肩からぱっくりと割れ、胸の中心まで叩き切られている。むしろここまでの傷を負ってまだ息があるのが不思議なくらいだが、ほどなくして、どさっと地面に倒れこみ、痙攣の後ピクリとも動かなくなった。
一戦目、完勝。
だがまだ油断してはいけない。
「ちっ!挟み撃ちかよ!」
倒れるのとほぼ同時、前と後ろに一匹ずつ現れた新手のゴブリン。片方は石のナイフのようなもの、もう片方は素手という組み合わせ。なら狙うは素手の方か。
「「ギャッ!!」」
同時にこちらへ向けて突っ込んできたゴブリンたち。その勢いを利用し、後ろから迫る素手のゴブリンの掴みかかろうとした腕を逆に鷲掴みにし、すれ違うようにして体を回転させつつ、場所を入れ替える。子供みたいな体格通り、ゴブリン自体はかなり軽く、なんなく入れ替えを完了することが出来た。
そのままもう一体のゴブリンとぶつかりもみ合うかと思われたが、前方のナイフ持ちが仲間の頭を支えにして跳び箱のように飛び越えたではないか。さらに、意外に高いそのジャンプはほぼ直線のような放物線を描き、俺へとまっすぐ飛び掛かってくる。ナイフの振り下ろしが、跳躍の勢いと合わせて唸りを上げながら襲いかかった。
『ガキン!』
だが俺は、すぐさま両手を使って斧を水平に構えて、力強い一撃を受けとめきった。
「ギャギャウ!!」
「てめーのサイズを、考えやがれ!」
打ち合う瞬間気合の声を発するゴブリンだったが、その体躯にしては力強く重いというだけで、押し負けるほどではない。互いの体格差を考えれば、飛び上がっての振り下ろしはさほど効果を発揮しないのだ。
すぐに重力に従い、自由落下を始めるゴブリンに対し、左足を引き攻撃を受け止めた俺はその姿勢のまま、斧から左手だけを離し、腰、上半身と回転さえ拳を相手の腹に打ち込んだ。渾身の左ストレートは内臓に達したのではないかと思うほど重い音をたて、ゴブリンの小さい体躯を吹き飛ばした。
飛んできた軌道をなぞるように吹っ飛ぶゴブリンは、そのまま地面を数度転がる。視線を移動させればそこには、先ほど俺に前へと流され、仲間に踏み台のごとく扱われたゴブリンがこちらへ駆けだそうとようやく態勢を整えだしていた。
だがしかし、俺はすぐに起き上がらんとするゴブリンまで詰め寄り、起き上がらないようにその背を踏みつけ地面に押し付ける。そしてそのまま斧をその頭に当て、更に上から踏みつけた。
「ガジュブッ!」
短い断末魔は地面に吸い込まれ、血しぶきがそれをかき消すように吹き散らかった。もう一体はその光景を見て恐怖を感じたのか、俺に背を向け走り去る。
「ふう、ゴブリン程度なら余裕を持って戦えるな。」
だが、少し全力を出しすぎたようだ、疲労が予想より大きく体にのしかかっている。
「二体じゃさすがにレベルアップとはいかないか。よし、引き返して休憩だな。」
一旦引き返して、一番最初の分岐まで戻り、一旦休憩してから今度は左の道へむかうか。そう考え、すぐにランタンを拾い、来た道を引き返す。そして最初の分岐まで戻った俺は一旦軽食などを軽くいただいて休憩を挟み、今度は左の道を進んでいった。そして何度かゴブリンに出会い、その悉くを瞬殺し、右に行った時と同じ回数分岐を迎えたところで再度引き返し、今日の探索を終えることにした。
何事もなく入口まで戻ってきた俺は、疲労が溜まった体に鞭打ちながら家具等でしっかりと封鎖を施して家の中へと引き上げた。
ベットに倒れ込み、天井を眺めながら一人、物思いに耽る・・・と、その前に風呂だな。返り血塗れじゃないか。
服をササっと脱ぎ、洗濯機を回す。これで血は落ちるはずだ。ライダースジャケットの方はしっかりと表面の血を拭い、消臭剤を吹きかける。しばらく着ることになるだろうから洗濯にはだせん。
俺は一糸まとわぬ、完全な全裸となって風呂に足を踏み入れた。
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夕食を食べ、ニュースを流し見して自室に戻った。ダンジョン関連については進展はなさそうだ。どうやら穴の多くは自衛隊のバリケードで封鎖され、一般人は近づけないようだ。そして詳しいことが判明しないからなんら公表もされない。まぁ大方予想した通りだ。
続いて携帯を開き、ネットでそれとなく検索をかける。ダンジョンとか大穴、奈落など調べても今は洪水のように様々な情報が表示されるだけだろう。だから検索ワードを絞ってみることにした。
「レベル、魔物、倒したっと、これくらいでいいかな。」
しばらく見てみたが・・・うーん。やっぱり掲示板等でダンジョンに対する推測がされ、その中にこれらの単語が出てきているだけで、いまのところそれらしい情報は無いな。でもきっと俺一人だけレベルの存在を知っているわけではないだろう。実際にダンジョンの入り口から出てきた魔物を倒した人はいるんだし、その人たちも今は様子見といったところだろうか。それとも、人によってはレベルアップが成されないこともあるのか?
ともかく、それらに関してはしっかりと情報収集をしていくとして、今度はぱぱっと母からのメールに返信をする。
「・・・そうか、父さんは日常生活に問題はないくらい回復するのか。それなら早めに家に戻ってくるかもしれないな。それでも学校に戻ることは出来ないだろうな、きっと父さんはデスクワーク中心になるだろうし。仕事をしつつ、時間を見つけてダンジョンに潜るしかないな。そうすると、鉄格子とかできっちり塞いでおいた方が得策か?」
ともかく、今夜は緊張により普段よりどっと疲れた気がする。早めに寝て、出勤の段取りを母さんとしないとな。
こうして俺のダンジョンアタック初日が終了したのだった。
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ダンジョン攻略進捗状況
『不知火勝利』
到達深度 →一階層・入り口付近
討伐関連 →ゴブリン5匹
レベルアップ→なし
*** →なし
** →『****』
攻略状況一覧
ほぼ横並び状態のため詳細不明
【**・**】保持者追加情報
new!『****』→
new!『****』→
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