探偵青葉の尾行

 次の日曜日。

 光莉からこの日に出かけるということは聞いていた。だからなんだっていうのかと今日になるまで悩んだ。

 しかし、あたしはその答えがわかった。追いかければいいのか。

 平日の夜に悩みすぎたあたしと今日の朝に何も疑問に思わず実行したあたしに対して「少し落ち着いて考え直そう」と言いたい。

 集合場所とかプランは聞いていないけど、一番気楽にいける所なら前と同じショッピングモールと園周辺のハズと山をはって最寄り駅前の端っこにいるわけだけど。


「なんでこんなことになってるんだろ……」


 あたしは自分の着てきた服を見てそう思う。普段夏樹の前でも着たことは少ない暖色系のパンツスタイルにキャスケット帽だ。少なくとも悪目立ちはしないと思うけど、普段機内から違和感がすごい。

 光莉が前に選んでくれたワンピースも結局は大枠で言えば寒色系だからそっちのイメージを持たれているんだと思う。

 集合時間は店の開店時間から予想しても9時半以降と思ってあたしは9時から待機してる。そして待つこと40分ほどした時に、光莉が改札口から現れた。

 あたしはバレないようにしながらも見失わない位置でスマホをイジるふりをして見守る。


 ただ、やばい。ここまできて光莉の姿を見てますますあたしが何やってるのかわからなくなってきた。

 ポジティブに捉えたら探偵だけどやばい方向に振り切ればストーカーだよねこれ。いや、でも夏樹と光莉がいざ2人で絡むことになって仲違いしたら困るのってあたしだから仕方ない。

 もしもの時にフォローできるように見守ってる。もうそういうことにしておこう後悔はは遅くて早い。次の後悔タイミングは家に帰ってから。


 そんなふうにしてさらに数分後に夏樹も現れた。遠くて何を話しているかはわからないけど夏樹緊張してる。


「あっちに行くってことはやっぱりショッピングモールかな」


 2人が移動を始めたのであたしも適度に距離を離してついでに電柱とか隠れる場所の近くを意識して追跡を開始する。

 光莉は何時も通りだけど、夏樹は緊張しながらも楽しそう。なんかあたし相手だとあんまり見せないタイプの楽しそうな顔でどう思えばいいかわからない。


「んー?」


 移動途中で人通りはこの時間は少なめの道に入った時、光莉が突然後ろを振り向いてくる。ギリギリで居酒屋の看板に隠れられたけどバレてないよね。


「どうかしたのか?」

「うーん。なんでもないかな!」

「そ、そうか」


 あと無意識に距離詰めすぎたかもしれない。人通りが少ないとは言え会話がそこそこ聞こえる。

 その後も光莉の勘がいいのか、唐突に後ろを振り向いたりしてきてドキドキしながらもショッピングモールにたどり着いた。

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