イベントコレクション

 ガルドのマイルームを訪れるとすでに2人は戻ってきていた。


「おっ、きたか。どうだった?」

「まあぼちぼちだな」

「アオちゃんお疲れ様ー」

「ヒカリもお疲れ」


 ガルドの部屋は商人用のアイテムで散らかってる。しかし、少なくとも机と椅子は座れるように整えているらしく綺麗だ。

 商談用とかでつかってるって聞いたことがあるけど、部屋が汚いの丸見えだと微妙じゃないか。

 俺は開いてる席にとりあえず座る。


「そんじゃあ、とりあえずまずはそっちの話から聞いていいか? マップどうなってた?」

「廃教会モチーフかと思えば地下によくわからん通路ができてて、ダンジョンみたいになってたな。そんで、しばらく進んだ先にあった広めのフロアでゾンビに囲まれた。さすがに周囲から襲われると2人だときついからそこで引き返してきたな」

「狭い場所なのか。ってことは特別マップについては大人数で行けばいいってわけでもなさそうだな」

「まあそうなるな。あと他にプレイヤーが見当たらないからパーティー単位で個別に入るようなマップになってそうだ」

「隔離されたフィールドってことかー。商人の俺は攻略にはきつそうだ」

「たしかにそうだな。それ以上のことはわからなかった。ゾンビも倒してないから何のアイテムドロップするかもわからないしな」

「後ゾンビが礼服着てた」


 アオが俺がいい忘れてたことを補足してくれた。


「まあイベントだしな。えっと、そんでひとまず俺が集めてきた情報だが、効率重視のイベ好きのパーティーに聞いてきたんだが、やっぱり敵のレベルが高い方がドロップ率が高かったり良いものは手に入れやすいらしい」

「よくあることだろうな」

「それと今回のイベントはランキングがどうこうみたいな要素はなくて生産とどっかに特殊クエストがあるとかないとからしいな」

「特殊クエスト?」

「まあそれは後に置いておいてだ。生産に関しては一応、アバターと家具と防具の3種類で武器はない……って聞いてるが。まあまだイベント開始して間もないし今後出てくる可能性は0じゃない」

「コレクター向けだとかそういうことになるな」

「そういうことだな。そんで特殊クエストだが……どこにあるかさっぱりだ。今回の聞き込みだけだと存在することしかわからなかった」


 やれやれというような仕草でガルドは報告を終了。続いてヒカリさんがぐいっとでてきた。


「じゃあ最後に私から。私はちょっとフィールド走り回って軽く倒してみてきた」

「気づいたらいなくなったと思ったらそんなことしてたのか」


 一緒に動いてなかったんかい。


「まあそれで、動物からは染料。ゴーレムからは金属素材。植物系のモンスターからは布が手に入ることがわかったの!」

「ちゃんと決まってるんだな……他はどうだったんだ?」

「まだ倒してないし1人だったのとリヴァイアス周辺だと限られてるからねー」

「まあ、たしかにそうかもなー。しかし、こうなってくると誰か生産を頼めるプレイヤーに声かけておかないと素材集めてもなんにもできないな」


 ヒカリさんがやりこんでるのは隠してるし、それ以上に生産にどれだけ手を出してるかまでは知らない。アオは十中八九誰かに頼んで作ってもらっていて、俺も同じだ。

 ガルドに至っては商人のツテで装備は整えているし、それを自慢してたから変わってない気がする。


「そうだな。まあまだイベント期間あるし俺の方で色々と話しかけては見るけど、だれか宛があったら話しかけておいてくれるか?」


 ガルドは俺の方を見てそう言ってくる。まあこの面子だと俺ぐらいしかその人脈の可能性はないもんな。


「わかった。とは言え俺も金属系の武器のツテばっかだから期待はすんなよ」

「わかってるよ。そんじゃあ、今日は……まああと2時間やれるかどうかって感じだけどどうすっか?」

「私はせっかくだしイベント装備揃えたいから、今日は一先ず集められる範囲で布と染料集めに行きたい!」

「あたしもちょっと興味あるかな」

「ならそうすっか」

「はいよ」


 その後、ログアウトすることになる時間まで、フィールド中を駆け回って素材を集め回った。とはいえ、流石にアオとヒカリさんの拳闘士のレベルに合わせてるから集まったのはぼちぼちといったところだ。

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