最終回 あれから…

鏡花水月の花言葉喫茶店を誰しも記憶の彼方から忘れかけてから数百年の歳月が経過してしまった。



 澤村 あやめは今、何処にいるのだろうかぁ…?


『あぁ…暇だなぁ…。鏡花水月の花言葉喫茶店を久しぶりに開店しようかなぁ…』

『おいおい、又、現世で問題を起こすのはかなわないなぁ…』

『でもさぁ。天界での生活もそろそろ、飽きてきたんだもん。』

『それは解るけど…又、大好きだった岩村元太の事を考えて涙を流して現世では洪水を起したり、壁を叩いて地震を起こして、大災害になるし、見かねた天界の神様が招いただろぉ?忘れたのか?』

『解っているけど…天界は暇なんだもん。でも現世で知り合って元太が亡くなってから10年は涙が止まらなかったからなぁ…。』

『おいおい、今でも思い出しては涙を流すだろぉ?お兄ちゃんは辛いだよぉ。出来れば記憶を消去したいさぁ。でも、現世に行きたいと言われて、お兄ちゃんと離ればなられになっても元太を選んだよなぁ。何度も止めたけど…。俺も悪い事をしたと今でも思うよぉ。あの時、強引に止めておけばと後悔したさぁ。もしも、生まれ変われるならどうしたい?』

『人間として、元太に逢って、素敵な奥さんとして、生涯を終えたいなぁ…。』

『お兄ちゃんは?そうだなぁ…。やっぱり、大好きな妹が幸せになれば幸せだなぁ…。実はなぁ…天界に来て、100年以上の年月を経過して、『記憶の消去』と『現世での甦り』の力を得たんだよぉ。そろそろ、お互いに兄妹の絆を切ろう…』

『えぇ?突然何を言っているのぉ?私には使わないわよねぇ?大好きな妹だよぉ。』

『ごめんなぁ…俺はこれ以上は見ていられないだぁ。許してくれ…』

『嫌だよぉ。これからも大好きなお兄ちゃんの側にいたいよぉ。お願い!』

『でも、元太を忘れられないだろう?元太に逢いたいだろぉ?違うかい?元太郎ラーメン屋で一緒に働いた頃が幸せだったじゃないか?忘れたのか?その時、何と言った?覚えていないか?』

『『生まれ変わったら、一緒になるからねぇ?私を探してねぇ?』と言ったよなぁ?』

『元太はすでに100年以上もあやめを探しているぞぉ?これも、家族よりも大切な人が出来たからなんだぁ。よく、辛抱してくれたねぇ?ありがとう。来世は幸せになるんだよぉ。』

『お兄ちゃん、お兄ちゃん、嫌だよぉ…。元太を探して幸せになるんだぞぉ!さようなら…ありがとう。』

『お兄ちゃん、ありがとう。幸せになるねぇ。』


『終わり』

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鏡花水月の花言葉喫茶〜澤村 あやめ 末吉 達也 @yasu8376

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