月下美人【物リン】

Darsan

自称何でも屋(ニート)

伏見の元に、一本の電話が鳴り響く。


その電話に出ると、


「もっしもーし。どう凛?『空気圧』の方は、進んだ?」


と、快楽的な音声と共に今回の事件の収穫を聞く相手がいた。


電話の相手は、「十六夜 照子しょうこ」。


二十歳の女性で、自称何でも屋をやっているニート気質な能力者である。


「……成る程ね。一回、私のところに来なさい。その『詩』って子と顔を見ておきたいし。」


そう言った照子は、集合場所をいい、電話を切った。


凛と照子は、小学生の頃から腐れ縁で、今でも情報共有する程の仲である。


「来たわよー、照子。って、うわぁ。ひどい、散らかり様ね。流石ニート。」


「ニート言うな!」


そう言って出てきたのは、黒髪ロングのパッツンで、整った顔立ちで、洋服が場違いな程和服が似合う美人がそこにいた。


「この人が、あんたと電話していた人?」


「そう、名前は……」


「『十六夜 照子』。君が、詩でいいのかな?この通り、何でも……」


「黙れ、引きニート。」


「だ・れ・が引きニートよ! 誰が!」


「おい、コントしに来た訳ではないだろう?」


「そうね、悪いけど私からの依頼で、あんた私達のボディーガードしてくんない?」


「仕事は嬉しいけど、外出るの? 嫌だなー。ゲームしたい! FPSか、格ゲーしたい。」


「兎に角、外に出るわよ。」


「いやー!」


そして、


「本当に買ってくれるんだね。新作のゲーム」


「本当だから、落ち着いて。」


「で、この人強いの?」


「うん、少なくとも……」


と話に夢中になっていると、誰かの肩にぶつかった。


「おい、ネーチャン。どこ見て歩いているんだよ。」


「ご、ごめんなさい。わざとでは……」


「うるせぇ!」


と、男が殴り掛かろうとした瞬間、凛と男の間に、


「悪いけど、私の友人に何してくれてるの?」


と、照子が割って出た。


「うるせぇ! お前には関係ねぇだろう!」


そう言った男の拳は、照子目掛けて放たれるが、一瞬、その一瞬で、照子は男にアームロックした。


「どうなってんだ……。この人は……。」


「照子は昔、柔術や格闘術でなを馳せた。

そしてこの子の能力は『夜の月華フワラリング・ルナ=ナイト』時間を操る能力らしい。」


「『らしい』ってどういうことだ。」


「詳しく教えてくれないのよ。」


「ちょっと、はやくケーサツに連絡しなさいよ!」


「はいはいっと。」


その後、まさか真の黒幕に会うとは私達三人は思っていなかった。

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