第27話ずっと一緒に

 ソフィアのマンコに、直樹の熱くドロドロとした精液が大量に注ぎ込まれた。

 直樹とソフィアは共に絶頂を迎え、汗だくの二人は痙攣する。

 絶頂の余韻に浸りながら、直樹とソフィアは言葉を交わす事も無く、キスをし続けた。

 挿入した性器もそのままに。




「俺、ソフィアさんの事が大好きです」


「あっ、また『さん』付けで呼ぶ!・・・ソフィアって呼んで?」


 微笑むソフィアに、直樹は再びキスをする。

 濃厚なキスをして口を離すと、唾液が糸を引く。


「俺はソフィアが好きだ。大好きだ」


「私も直樹くんが大大大好きだよ」






 リーン・・ゴーン・・リーン・・ゴーン・・。


 鐘が鳴り、二人は水着を着た。



「ソフィア」


 男女の更衣室は離れた場所に有るが、保健室から向かうには同じ方角だ。

 そして直樹とソフィアは更衣室へ歩いている。


「なあに?」


 ソフィアは直樹の呼びかけに答えた。


「あの、やっぱり慣れないから、普段は『さん』付けで良いかな?」


 ソフィアは否定しようとしたが、直樹の気まずそうな顔を見て思案する。


「うーん・・・どして?」


「・・・上手くは言えないんだけれど、結婚しても、俺は『さん』付けで呼んじゃうと思うから・・・」


「結婚?」


 直樹の発した結婚と言う言葉をソフィアが復唱した。


「あっ!えっと、ごめん、勝手なこと言って!そう言う妄想って言うか、えっと、なんて言えば良いんだろう・・」


 直樹は口を滑らして狼狽する。

 いくら自分の気持ちに正直なノーガード戦法とは言え、話が飛躍し過ぎだ。


「ふーん・・結婚、かぁ・・・」


 ソフィアは必死に笑みを抑えながら、何かを考えるような仕草をする。


「うんっ!普段は『さん』付けで良いよっ!!」


 ソフィアは満面の笑みを直樹に向けた。


「そ、そっか」


 直樹は『結婚』と言う単語を口走ってしまった事実と、ソフィアの満面の笑みに赤面する。


「それに、セックスする時は、ソフィアって呼んでくれるんでしょう?」


 ソフィアは甘い吐息と共に直樹の耳元で囁く。

 直樹は勃起しそうになった。


「直樹くんっ、早く行こっ!」


 ソフィアは早足で歩き出す。

 スクール水着姿の濡れたソフィアを見て、彼女の身体を味わい尽くし、彼女の中に精液を注ぎ込んだのだと思うと、直樹は幸福感と達成感を抱いた。

 そして何よりも、ソフィアが直樹を大好きだと言ってくれた事が心を満たした。



 制服に着替えてソフィアと共に2-Fに戻ると、クラス中の視線が集まる。

 が、直樹とソフィアは何事も無かったかのように着席した。

 直樹とソフィアは互いの身体の事で頭が一杯で、直樹が溺れたと言う事実をすっかり忘れているのである。




 放課後。


「ソフィアさん」


 直樹がソフィアに話しかける。


「なあに?直樹くん」


「一緒に帰りましょう」


「うんっ!私もそう思ってた」


 ソフィアは微笑む。そして直樹も微笑む。

 直樹とソフィアは手を繋ぎ教室を出る。


 直樹とソフィアは手を繋ぎ下校した。


 ソフィアを見送った後、帰宅するが直樹は自慰をしない。

 全ての精液をソフィアの為にとっておくのだ。

 夜の闇と共に、直樹の意識はまどろんでいく。

 一人でも、一人では無い気がした。

 離れていても心は繋がっているのだ。


 翌日。


 直樹は晴れやかな気分で目を覚ます。

 自宅を出ると、ソフィアがいた。


「おはようっ!直樹くん!」


 ソフィアは満面の笑みを見せる。


「お、おはよう、ソフィアさん」


 直樹は驚きながらも挨拶の言葉を返す。


「どうしたの?直樹くん。元気無いよ?」


 ソフィアは直樹に歩み寄る。


「いや、あの、ソフィアさんがいたからビックリして・・・」


「私がいたら、嫌?」


 ソフィアは直樹の手を握った。


「そ、そんな!嫌だなんてとんでもないです!嬉しくて、驚いて・・・あの、どうして俺の家まで来てくれたんですか?」


 直樹は戸惑いながら訊ねる。

 するとソフィアは少しむくれながら言葉を紡ぐ。


「私だって、直樹くんの事が好きなんだよ?直樹くんに早く会いたかったんだよ?それとも・・・嫌かな?」


 ソフィアは直樹の顔を覗き込む。

 直樹の体温は俄かに上昇し、顔が赤くなる。


「嬉しいです!とっても嬉しいです!!」


 直樹はドギマギしながらもソフィアから目を逸らさずに、はっきりと答えた。

 ソフィアの手を優しく握り返しながら。


「よかった!直樹くんがそう言ってくれて、私も嬉しい!」


 ソフィアは柔らかな笑みを零す。


「昨日ね、直樹くんが言ってくれたでしょ?」


「えっ?何の事ですか?」


「・・・結婚って・・・」


「あっ、あのっ、それはっ、何と言うか勢いと言うか言葉の綾と言いますか・・・」


「嘘だったの?私の事をからかったの?」


「そっ、そんな事ありません!本気です!本心です!!」


 直樹は慌てて断言した。


「そっか、嬉しい。私ね、昨日の夜、直樹くんが結婚って言った事を思い出していたの。そしたらね、夢を見たの。

 私と直樹くんが、二人で手を繋ぎながら木漏れ日の中を歩いているの。

 そして見た事の無い家に入っていく・・・。

 目が覚めてから、その夢の意味を考えたの。考えたら、どう考えても、私と直樹くんは結婚しているんじゃないかな、って・・・。

 そう思うと、なんだか嬉しくなっちゃって、直樹くんの家まで来ちゃったの」


 ソフィアは直樹の目を真っ直ぐに見詰めながら、昨夜見た夢を語る。


「そうですか、嬉しいです」


 ソフィアの話を聞いて、直樹は嬉しさと気恥ずかしさに包まれた。

 今まで、ソフィアの魅力にばかり気が向いていたから、未来の事を考えていなかったのだ。


「直樹くんは、私と結婚してくれるの・・・?」


 ソフィアは少し俯いて直樹に問う。

 ソフィアの左手は直樹の右手を握り、ソフィアの右手は直樹の制服の襟のボタンを摘まんで弄くる。

 ソフィアの肌は相変わらず白雪のように白い。

 それでもソフィアの頬は、緊張と気恥ずかしさで赤く染まっていた。


「は、はい。ソフィアさんが良ければ・・・」


 直樹も緊張と気恥ずかしさで赤面しながら答える。


「そうじゃない・・・」


 ソフィアはポツリと零す。


「えっ、そうじゃなかったんですか?」


 直樹は狼狽する。


「そうじゃなくって!・・・そうじゃなくて・・・ちゃんと言葉にして欲しいの。

 ワガママなのは分かってるけど、直樹くんの口から、しっかりとした言葉にして欲しいの・・」


 ソフィアは目を伏せたまま言った。

 ソフィアの顔は先ほどよりも赤くなる。

 ソフィアの手は震えていた。

 その様子を見て、ようやく直樹も悟る。

 これは冗談などで言っている訳では無いのだ。

 正真正銘、真剣勝負の会話、告白なのだと。

 直樹は覚悟を決める。この場で茶を濁す訳には行かない、今は真剣を抜く時だ、と。

 茶人では無く武人として向き合わねば。


「ソフィアさん!手を離してください!」


 直樹は先程までとは打って変わり、はっきりとした強い口調で言った。


「あっ・・・ご、ごめんなさい・・・」


 ソフィアは少し怯えた声で答えて手を離す。

 直樹は乱れている制服を正し、ネクタイを直した。


「ここで五分だけ待っていてください。その五分の埋め合わせはどんな事でもします。

 だから、五分だけ待っていてください」


 直樹は両手でソフィアの両肩を掴み、頼んだ。


「は、はい・・・」


 困惑しながらもソフィアは承諾する。

 直樹は走った。



 ≪五分後≫



「ソフィアさん、お待たせしました」


 戻ってきた直樹の手には、紅い薔薇の花束が有った。

 呼吸を整え、乱れた服装を直す。


「な、直樹くん・・・?」


 ソフィアは動揺する。


「俺はソフィアさんが大好きです。ソフィアさんと出会えて俺の人生は変わりました。

 ソフィアさん。俺はソフィアさんの事を一生愛します。

 ソフィアさん、俺と結婚してください!」


 直樹はソフィアから一瞬たりとも目を逸らさずに、紅い薔薇の花束を差し出す。

 紅い薔薇の花束の向こうに輝く、ソフィアの青い眼から涙が零れる。


「わ、私もっ・・・直樹くんの事が大好きです。直樹くんと出会えて私の人生も変わりました・・・。私も直樹くんの事を一生愛します。

 だから・・・だから・・・」


 ソフィアはポロポロと零れる涙と嗚咽で上手く言葉を紡げない。


「・・・ごめん・・・ごめんね?直樹くん・・・上手く言葉が出てこないの・・・だから・・・だから、もう一度だけ、最後の言葉を言ってください・・・」


「ソフィアさん、俺と結婚してください!」


「はい・・・!!」


 直樹とソフィアは花束を越えて抱き合った。


「私・・・直樹くんと出会えて良かった・・・」


 ソフィアはポロポロと涙を零す。


「俺も・・・ソフィアさんと出会えて良かった・・・」


 直樹の目からも涙が零れ出す。

 まだ早い朝焼けの中、まだ若い直樹とソフィアが、キスをした。

 誓いの言葉は無いし、立会人も居ない。

 それでもそのキスは、二人にとって何物にも代えがたい永遠を誓うキスだった。

 誰の言葉も、神の言葉さえも必要とせずに、直樹とソフィアにはそれが分かる。

 直樹の心とソフィアの心が通じ合ったのだから。




「あの、受け取ってください」


 直樹はソフィアに紅い薔薇の花束を渡す。


「ありがとう。直樹くん」


 ソフィアは泣き疲れた笑顔で紅い薔薇の花束を受け取る。


「私と直樹くん、これからも、ずっと一緒だよね?」


 ソフィアは直樹に訊ねる、いや、確かめる。


「はい!ずっとずっと一緒です」


 と直樹は答える。


「ずっとずっとずっと一緒だよね?」


「はい!ずっとずっとずっとずっと一緒です」


 そう言うと二人は見詰め合い、笑い合った。

 直樹とソフィアは手を繋ぎ、惜しみなく降り注ぐ太陽の光の中を歩き出す。

 薔薇の花束はいずれ色褪せるだろう。

 それでも、直樹とソフィアの思い出は決して色褪せる事が無い。

 いつまでも、いつまでも・・・。



 おしまい。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ブロンド彼女 シルヴィア @dasdbbjhb

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ