村へ行こう!②

父さんが統治している「ヨロコ村」は屋敷から歩いて5分のところにある。




「父さんは何しに行くの?」




「父さんは村長と話をしに行くんだよ。ネスには銀貨を5枚ほどあげておくから、それでいろいろ買ってくるといいよ。」




「ありがとう!」




お金は銅貨、銀貨、金貨、白銅貨、白銀貨、白金貨がある。


日本のお金で換算すると


銅貨=百円


銀貨=千円


金貨=一万円


白銀貨=十万円


白金貨=百万円


になる。




村に着いた。ここからは自由行動だ。今回の目的は1つだけ。




「遊び道具が欲しい!」




要するに娯楽品が欲しい。父さんや母さんは全然くれないっていうか本当に遊び道具があるのかすら怪しい。




最悪、元いた世界の知識を使い、作ってもらおうと思う。




道具屋はどこかにないかな?




あそこで座っている村の人に聞いてみるか。




「すみません。ここら辺に道具屋はありませんか?」




「道具屋ならここだぜ。何か用かい?ていうか金髪に碧眼ということは貴族かい?」




「はい。ここの村を統治しているグレンの息子です」




「お前、グレンの息子のネスか!?」




「はい、そうです。」




「やっぱりな。昔のグレンにそっくりだもんな。」




「父を知ってるんですか?」




「グレンには昔、世話になったからな。」




「そうなんですか。」




「それよりだ。ここに何の用だい?」




おっといけない。話がそれてしまった。




「遊び道具が欲しいんですけど、何かないですか?」




「遊び道具かー。どういうのだ?」




「人と一緒に遊ぶ事が出来る遊び道具がいいです」




「対人戦の遊び道具かー。残念だがここには1人で遊ぶ用のしか無いぞ。」




「そうですか。王都に行ったらありますか?」




「いや。あるにはあるんだけどそれは祭りの時にしか使えないからな、それ以外はどこにも無いんだよな」




マジか。ほんとに最悪の事態になった。早いが最終手段を使うしかない。




「おじさん、すいません。」




「ん?なんだ?あと俺のことはゴーギと呼んでくれグレンの息子だからな呼び捨てで構わない」




「じゃあゴーギさん」




「さんはいらん」




「ゴーギ、縦50cm×横50cmの木の板と適当な木材を用意できる?」




「お安い御用だが何をするんだ?」




「それは出来てからのお楽しみ」




作業を始めて5分くらいでゴーギが木の板と木を持ってきた。




「ほら、出来たぜ。」




「ありがとう」




木材って言ったはずだけど木を持ってくるなんて。


まあいいや。やることは変わらないしね。




これから作るのは元いた世界で誰もがやった事のあるオセロを作ろうと思う。




まず風魔法で木を切ってひっくり返すやつを64個つくる。その後木の板も風魔法で8×8の盤面を作る。




これだけでおしまい。色はゴーギに頼もうと思う。




「はい。終わったよ。ゴーギこの後さこの丸いやつに色を」




「おいネス。」




「なに?ゴーギ?」




話を遮られた。なんだろう?




「お前何歳だっけ?」




「昨日3歳になったばっかりだけど」




「普通の3歳児は風魔法を詠唱無しでそんなに器用に使うどころか、魔法を使えねーよ!」




キー姉はもちろん魔法が苦手だったシュウ兄も魔法は使ってた気がするんだが。いまいち、基準がわからんな。




「今のどこがおかしいの?」




「全部だよ!」




ゴーギの声が村中に響き渡った。




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