第2話 嫌いと好き



「ふぅ、到着っと」

僕は店内玄関に引かれたマットで、靴の裏の汚れを取りつつ店の中へ入る。

一つガラス張りの自動ドアをくぐる、

そのまま風除室に置かれている、買い物カゴをひとつ手に取った。

カゴの中央には店の名前「フレッシュ★スターズ」の名前が白い塗料で描かれている。


「えっと、ブロッコリーと・・・ブツブツブツ」

念仏のように今日買う物を口で呟く僕。

センサーが熱を検出して、自動ドアが僕を店内に招き入れる。

その際センサーが僕のマイチップに内蔵された、識別番号・マイナンバーをこめかみから読み取った。

ガラス越しに僕はこめかみの、マイチップが緑色に光っているのを確認した。


「・・・あんまりいい気分ではないな・・管理されてるって・・・。ま、消費税は安くなって便利だけど・・」


一歩店内に足を踏み入れると、冷房がひんやりと効いている。

歩いてすこしだけ、汗ばみだした僕の体にはちょうど良い温度だ。

僕は目的の食材を求め、目の前の野菜売り場から物色していく。

店内は綺麗にディスプレイが施されいて、思わず必要のない物まで購入したくなる。

僕も昔(そういっても1カ月ほど前)は食べもしない物を購入した事がある。

そのせいで、冷蔵庫で余分な食材を腐らせてしまって、もったいないなと感じるようになった。

今では無駄な物を買わなくなった、日々成長している気がする(たぶん)。



「えっと、ブロッコリーと・・・アボカドと・・ごぼうと・・えっと、あとなんだっけ?・・・あ、トマトだ!」

いつものように流れる動線を描く僕。

こなれたように野菜売り場を回遊していく。

店内の床はピカピカに磨かれているし、汚れても店内をお掃除ロボットがすぐに駆け付けて綺麗にする。



次は肉売り場で、僕の主なタンパク源の豚小間切れ。

そしてコレステロール値に気を使っている、母に鯖缶を手に取りカゴの中に入れた。


「・・もう買うものはないな!それじゃあレジでお金を払うか」

僕は清算の為に、レジへと歩き出した。


しばらく歩くと、清算レジへやって来た。

「いつきても、昔の駅の改札みたいだよな!」

僕の目の前には、各レールに区分けされた道がある、僕は開いているレールの先頭にスタンバイした。

視線を横に移すと、買い物かごを置くスペースが設けられている。


「よいっしょっと!」


掛け声を掛けながら僕はその場所に、購入した食材の入った買い物かごを置いた。

置かれた買い物かごはレールの出口に向かい自動で進み始める。

その際に自動で食材につけられたバーコードを読み取り、僕の目の前ボードに合計金額はすぐに表示された。


『こちらの合計金額になります!よろしければ、清算ボタンを押してください』

音声ガイダンスに従い、僕はボードの文字をタップした。

と同時に頭のマイチップから、データが送信される仕組みだ。

いつもこの時は、『ピリピリ』とした刺激をこめかみに感じる気がする。

その事で母に同意を求めても、そんなことないわよって言われた。


「おっと!」


次の瞬間、僕の床は店外に向けて、自動で進み始めた。

万引き防止用のバーが、ひとりでに上に上がって僕を通してくれる。

僕より先に出口近くにあった、買い物かご。

僕が横に到着するすんでの所で、買い物かごの底が抜ける。


すると、次の瞬間あらかじめ補充されていたビニール袋が、抜けたそこ部分に移動する。

空気の力を借りて、一瞬で僕の買った物を優しく包み込んだ。


「いつ見ても、便利~♪」

僕は仕組みが良く分からない、目の前の出来事に感動していた。

こんな素晴らしい技術を生み出す、時代の先端を走る科学者に感謝をしながら、僕は重くなったビニール袋を手に取る。

そのまま、持参してきたマイバック(花柄)にそのまま袋を突っ込んだ。

バーの上がったレールを進み、僕は店外へと足を進めた。


AIですべて買い物ができて便利だよね。

一昔前はレジに人間が居て、そこで袋づめや清算をやりとりしていたみたいだ。

不便じゃなかったのかな?前に学校の授業でならったな、懐かしい。



「あ・・どうしようかな・・・・今日は居るのかな?」

頭の中をシーソーの様に行ったり来たりする、動機を感じながら僕は恐る恐る店外にある花屋へと向かった。


ちょっとだけ歩くと花屋『GARDEN』に到着した。

遠目から花屋の中を見つめる僕。

視線の端でその人を見つけ、自分の体温が上昇するのを感じた。

いつも通りと僕は自分に言い聞かせ、花屋へと歩いて行く。


その時!


「あれっ?!おい、お前!銀河じゃね?おーい、銀河!」

集中していた僕は、ビクっとなりながら声の方を向いた。


「・・・ぅ」

これから起こるであろう事を想像して、先ほどの高揚した気分はジェットコースターの様に下って行った。


「ほらな!銀河だったろ?オレ昔っから視力良い方なんだよな!」

「あ、ホントだ!これはこれは・・・クラスの中で一人だけ仕事が決まっていない、銀河君じゃないか!」

「ぷぷぷぷぷ!」


折角の買い物が台無しだ。

目の前には高校で同じクラスだった3人組が立っている。

小中高と一貫式の男子校に通っていた僕。

卒業してまで会いたくもないメンバーに、僕は気分が悪くなっていた。


「や、やぁ。久しぶりだね。卒業して以来だね」


最初に僕に声を掛けてきたのは、同じクラスだったの斎藤 薫

イケメンでそこまで勉強は出来なかったけど、クラスではリーダー格だった。

身長178cm 体重75kg

腕っぷしが強く、よく僕にも暴力を振るってきた。正直いけ好かない!

学校の近くの営業事務所(香辛料会社)に仕事が決まっていた。こんな奴は、とうがらしを食べ過ぎて下痢になればいいんだよ!以上!


次に僕に嫌味を言ってきたのは、田井握 重(たくあい かさね)。

身長167cm 体重55kg

1っ、嫌な奴!2っ.嫌な奴!3っ、凄く嫌な奴!

仕事は家業を継ぐって言ってたな・・・。何の会社かは覚えてない。とりあえず、足の小指を全力でタンスにぶつければいいんだ!以上!


最後に気持ち悪い笑い方をしていたのが、持木 瑠和(もちき るわ)

とりあえず、ずっと笑っている奴。笑い上戸ってやつだ。きもちわる!

身長160cm 体重85kg

コイツもあまり好きじゃないと言うか・・嫌いだ!笑い方が腹立つ!

仕事はエンジニアって言ってたな?コードを書いている目の前のパソコン・・・爆発しろ!以上!


とりあえず、これでもかってぐらいキライな3人組を紹介した。

僕がこいつ等をこんなに嫌っているのは、今からのやり取りでわかるだろう。


「いや・・お前卒業してねーだろ?」

リーダー格の斎藤が僕に言ってきた。

僕は斎藤が話している内容が理解できなかった。


「え・・・いや、今年の3月に学校は卒業したじゃないか?クラスの皆と一緒に!」

僕は斎藤に言い返した。


「いやいや。そういう事じゃなくて・・・な?お前、就職って物を卒業してねーだろ!って話だよ!」

「そうそう、銀河!お前はニートだろ?いつも銀河じゃなくて、『いつもニート』に改名しろよ!いや、それよりも就職童貞・銀河!がいいかな?」

「ぷぷぷぷぷぷ!」


そう言うと僕を取り囲む3人。

正直学校の成績も、下でもなく上でもなく。運動神経も下でもなく上でもなく!

そう、普通だった僕。あまり目立たないようなタイプでもないんだけど。

高校卒業を控えた頃からこうやって、この3人に絡まれるようになった。

できれば会いたくなかった、しかもこんな場所で。


「い、いいだろ。僕だって必死に仕事を探してるんだ。そ、その内、僕にあった仕事が見つかるはずだし・・・卒業した今は、キミたちに関係ない事だろ?」


僕の話を遮り、斎藤が口と手を出してきた。


「うるせぇ!お前恥ずかしくないのか?クラスで一人だけだぞ?ホントお前、何の取り柄もないんだな!」

「そうそう、それになんだよ!そのマイバッグ?花柄って、マジかよ!それに上下オッサンが着てるようなジャージって・・・恥ずかしくねーのかよ」

「ぷぷぷぷぷぷぷ!」


斎藤から肩を小突かれる僕。

体格の違いから、よろっと後ろへと下がってしまう。

なすすべなく、後ろへ後退していく僕。


その時。


『いい加減にしな!あんた達!!!』


花屋の奥から大きな声が、僕たちに届いた。

後退りしながら、僕は声の方を向いた。


「・・・あ!」

僕はまた体温が上昇するのを感じた。

だけど、さっきの嬉しい気持ちとは違い、こんな醜態をみられたことへの恥ずかしさからだ。

よりによってこんな、なさけない場面をこの人に見られるとは・・・。


声の主は花屋の店内から、影を纏いゆっくりとこちらへ向かってくる。

右手には花用のジョウロ。左手には剪定用のはさみを握った凛とした女の子が影を抜け現れた。

女の子って言っても僕より年上だ。


彼女の名前は百花 可憐(ひゃっか かれん)

僕より5歳年上の23歳 A型で仕事ぶりも几帳面だ(僕調べ)

身長は約170cm 体重は約57kg~60kg ※数値には若干の差異がある(一日の仕事量で変化する)3サイズは 上から80 55 75 のナイスバディ※この数値には絶対の自信があり(僕調べ)

趣味は通勤、昼食後の読書 彼女は多読家で見るたびに、本が変わっている。本を読むスピードもかなりのものだ(※僕調べ・・・決してストーカーじゃない・・・よ)

僕が買いものをしていた際、偶然この花屋で彼女を見かけたんだ。そう、偶然だよ、偶然。


髪の毛は艶めいた黒髪ロング、そして後ろで結んでいる、そうポニーテールだ。(風にそよぐと良い匂いがする)

シャンプーはベタベタサスーンを使っている、どうりで艶が出るはずだ。(一日中、髪の毛の匂いをくんかしたいよ)

別に体型を維持するために運動などはしていない、それなのにこのナイスバディだ!

顔は大きな二重の目と、キスしたくなるちょっとだけ厚い唇が印象的。

鼻もちょどよい高さで、耳がすこしだけ人より大きいけど、そんなところがさらにいい。(好きだと全て良く見えてしまう)

肌の色も健康的で、つやつやしている、これはやっぱりあれだろう、彼女が毎日欠かさずにしている、半身浴の効果だとおもう。


服装は仕事中という事もあり、動きやすいモノを着用している。

下はシルエットが美しいブルーのジーンズ。

上は白色のTシャツ、その上に汚れ防止のエプロンを着用している。

ピンクのエプロンが、可憐さんの美しさを約20パーセントは上昇させていると思う。


それじゃあ、最後!大事な大事な、彼女の家族構成は・・・・・・・。


「いい加減にしな!そこの3人組!よってたかって1人を・・・・・」


僕は自分に言われたと思い、一瞬ビクッてなった。

可憐さんの注意をうけ、3人組が口を開く。


「なっ、なんだよ!ちょっと話してただけだろ?」

「そ、そうそう」

「もももももももも!」


3人組は可憐さんの美しさにたじろいでいる。

そりゃそうさ、この花屋の店長らしき男性も、可憐さんの美しさにたじろいでいたし(僕調べ)

そしてこの僕も、そんな中の一人。

それにしても、持木の笑い方気持ち悪いな!よく『も』で笑えるものだ。

僕は可憐さんに、こんな場面を見られないようにその場で顔を伏せた。


「なにが話してた!だよ!私は見てたんだよ!高校生にもなって、幼稚だよ!自分のやってる事が恥ずかしいとは思わないのか!あんた達!」

可憐さんは3人組の目をしっかりと見据え説教している。

やはり年上の貫録だろう、3人とも黙り込んで聞いている。

しかし可憐さんの目には僕たちはまだ、高校生に見えているみたいだ!


「う、うるせぇ!お前にとやかく言われ無くていいだよ!それにオレ達はとっくに社会人だよ!」

「そ、そうそう!どこからどう見ても、立派な社会人だろ!」

「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽ!」


3人組は仲良く可憐さんに言い返した。

それにしても、持木の奴、珍しく本気で怒ってるな!でも『ぽ』で凄まれても・・・あんまり怖くないな。


「ふん、社会人ならなおの事だよ!まだ社会の基本もわかってない、青臭いガキの鼻ったれが何いきがってんだ!

ほら、その子にちょっかい出すのはそれぐらいにして、3バカ!あんた達解散しな!」

可憐さんは可愛いそのルックスとは裏腹に、怒ると口がもの凄く悪い(ちょっぴり、スケバン口調が入っている)


「さ、さっきから聞いてりゃー、いい気になりやがって!すこし可愛いからって・・・いや凄く可愛いからって!」

「そ、そうだぞ!オレ達は悪くない!オレ達は悪くない!オレ達は悪くない!」

「ぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ!」(凄く怒っているみたい)


可憐さんに味噌糞に言われ、3バカは最後の手段・・・そう、暴力に出やがった。

見るからに体格差がある、可憐さんと3バカ。

僕は心配して顔を上げた。


すると、次の瞬間!一斉に可憐さん目掛け襲い掛かる3バカ達。


僕は体を心配するあまり、咄嗟に声を発してしまった。


「あ、あぶない!!!」


瞬きほどのすき間で、僕は確かに聞いたんだ。

そう・・・3バカ達が全力で叩きのめされる音を・・・・。


『バキッ!ボン!!ぺ・・・ベヒッ!」


音だけが確かに・・・・でも、僕の目には今の経緯が映っていなかった。

可憐さんは空手の正拳突きの構えをとっている。

その時、春のうららかな風が吹き、可憐さんの長い髪の毛がなびいた。


『ぐあっ!』(3バカ合唱)


風が吹くと同時に、3バカはその場に倒れこんだ。


「ホント!腐った奴らね!データが記録されないとでも、思ってるのかしら!」


可憐さんは両手に付いた繊維クズを『パンパン!』とはたいている。

僕の耳にも届いた、可憐さんのいうデータが記録とは、政府が日々吸い上げているデータの事だ。

もちろん、こめかみのマイチップで。

僕が住むこの町にある、民家や商業施設など。

その殆どに、マイチップとデータを送受信するカメラ、別名『Observer(監視者)』が設けられている。


今立っているこの場所は、店からすこし離れているから、3バカ達はカメラに映らないと思っていたらしい。

だけど実際には道路にも、隠された監視者、そう隠しカメラが仕掛けられていた。

僕は小さい頃、母・遥かに教えてもらった記憶がある。

母は『みんなには内緒よ♪』って言ってたな?どうして可憐さんも知ってるんだろう?


僕はそんな事を考えながら、倒れている3バカに近づく。

キライな3バカが、容赦なく倒され、僕はちょっとだけスカッとした。

だから言ったのに『*あぶない*』って・・・。


正拳突きの構えをとっていた可憐さんが僕の方を向いた。

顔を上げていた僕は、可憐さんと目が合う事に・・・。気まずい・・・。


「え・・・あ、あれ?あ・・・あんたは!?」

僕と目が合い、可憐さんのつぶらな瞳がさらに大きくなる。

僕は逃げるように視線をそらした。


「あ、ストーカーだ!」

僕はビックリした。


「誰かと思えば、あんたは・・・・最近私によく付きまとってくる、ストーカー君じゃないか!また、私にやられたいの?あんたも懲りない奴だね!」

そう言うと可憐さんは、ボキボキと腕を鳴らしながら僕に近づいてくる。


「い、いえ!今日はち、ちがう・・・」

「問答無用~~!!!」


その時、僕のみぞおちを光の速さで殴打する可憐さん。


痛気持ちいい、いや懐かしい? よ!待ってました的な!通いなれた行きつけの店に通うような、そんな感じかな?

ゆっくりと僕の体が、くの字曲がる。みぞおちにゴフッと衝撃が走り、その後悶絶するような痛みが時間差で襲ってくる。

もう何度、僕はこの痛みを経験しているだろうか?口からはこらえきれなかった、白いウニョラが放出される。

それは辺りに散らばっていく。キラキラとして綺麗・・・いや本当はモザイクを入れて欲しいほど汚いものだ。

僕の目はうつろになり、次の瞬間糸の切れた人形のようにその場に倒れこんだ。

長かった・・・これが、走馬灯という奴か・・・・。母さん・・・ぼ、僕は・・・。



「おーい!死んでんじゃねーよ!このストーカー!毎度毎度、すぐ私の殺人パンチでゲロ吐きやがって・・。掃除しなきゃいけないだろ!」

可憐さんは倒れている僕の胸倉をつかんで、ブンブンと振っている。ゲロを吐くのは、あなたが僕を殴るからで・・・。

脳を揺らされ、僕はまた吐き気がぶり返してくる。


「なんども言ってるだろ?ストーカー君!私は私より強い男しか興味ないの!あんたみたいな奴はタイプじゃないんだよ!」

そう言いながら、可憐さんは3バカを店内パトロールロボットに突き出している。

時間にして数秒後、赤くランプを点滅させたパトロールロボットが走ってきた。

丸い球体のパトロールロボット。ボディーは鉄製で、ボディーペイントは白。そこに青い色でパトロールロボットのロゴがでかでかと描かれている。


3バカの前に到着すると、中心部分から大きく半分に割れる。

次の瞬間、3バカを飲み込むように内部に収納した。

そのまま、お客様センターへと走っていくパトロールロボット。

僕の母はまるで『パッ●マン』みたいだと言っていた、だけど僕には例えが分からなかった。


可憐さんは魂の抜けかけの僕を、その場に雑に投げた。

「う、ぅ!」僕は気分の悪さを噛みしめる。


「ホント!そのガッツは認めるけど・・・いい加減あきらめな!ホント、しつこい奴!そうさな、風呂場をのぞいた時も・・。

深夜の帰り道に、電柱の陰から見ていた時も。私が家にいるか確認するため、玄関の覗き窓からのぞいていた時も。私のパンツを自作のドローンで捕ろうとした時も・・・」


可憐さんは今までの僕たちのヒストリーを思い出している。なつかしい。


「・・・あんた、何ニヤニヤしてんだい?ホント普通の人だったら、とっくに警察に突き出している案件よ!

私だったから未然に天誅を下す事が出来たけど・・・」


そう、可憐さんは・・・ものすごく『カン』が良い!さっきのヒストリーはすべて未遂で終わっている。

素早くて的確で、そして容赦のない可憐さんの目つぶし攻撃で僕はノックアウトだった。

文字どおり、指先ひとつで僕はダウンだった。


僕は薄れゆく意識を何とかつなぎ留めながら、横に立つ可憐さんに尋ねた。


「ど、どうしてそんなに強いんですか?か、空手か何かやってるんですか?」

「え・・・・」


一瞬考え込む可憐さん。


「いや?私生まれた時から、こんな感じよ?元から強いってことでしょうね?知らないわ、そんなの!なんでかしら?」


首をかしげながら可憐さんは僕に行った。


僕はそのまま意識を失った。

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