第2章 西晋

第1回 司馬炎の即位

 漢文大系本、第3巻、76ページ。

 西暦266年。


〔西晋世祖武皇帝〕、姓司馬、名炎、河内人。昭之子、懿之孫也。昭為晋王、議立世子。議者以炎髪立委地、手垂過膝、非人臣之相、遂立。已而嗣為王、即帝位。追尊懿為宣皇帝、師為景皇帝、昭為文皇帝。大封宗室。


 西晋の世祖武皇帝、姓は司馬、名は炎、だいの人。昭の子、の孫なり。昭、晋王と為り、世子を立つるを議す。議者、炎の髪は立てば地にし、手は垂るれば膝よりも過ぎ、人臣のさうに非ざるを以て、遂に立つ。すでにしてぎて王と為り、帝位にく。を追尊して宣皇帝と為し、師を景皇帝と為し、昭を文皇帝と為す。大いに宗室をほうず。


 西晋の世祖武皇帝は、姓を司馬、名を炎といい、だいの人である。司馬昭の子であり、司馬の孫である。司馬昭は晋王になると、後継ぎを立てることを話し合った。相談役たちは、司馬炎の髪が立ちあがると地面に落ちかかることや、手が膝より下に垂れさがることが、臣下の位に収まる容貌でない(皇帝になるべき容貌である)ということから、かれを後継ぎに立てることとした。しばらくして、司馬炎が後を継いで王となり、皇帝に即位した。司馬に後から尊号を贈って宣皇帝とし、司馬師を景皇帝とし、司馬昭を文皇帝とした。多くの親戚に領地を与えてほうじた。

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