第22回 司馬懿、丞相となる

 漢文大系本、第3巻、72ページ。

 西暦249年。


 ◯魏曹爽驕奢無度。司馬懿殺之。懿為魏丞相。加九錫。不受。爽之党夏侯覇奔蜀。姜維問之曰、「懿得政、復有征伐志否。」覇曰、「彼営立家門、未遑外事。有鍾士季者、雖少、若管朝政、呉蜀之憂也。」


 ◯魏のさうさうけうしや無し。、之を殺す。、魏のじようしやうと為る。九せきを加へらる。受けず。さうの党のこうしよくはしる。きやう、之に問ひて曰はく、「、政を得たり。た征伐のこころざし有りやいなや」と。曰はく、「彼れ家門を立つるをいとなみ、未だ外事にいとまあらず。しようといふ者有り、わかしといへども、し朝政をつかさどらば、しよくうれひなり」と。


 ◯魏のそうそう(第20回参照)は、をこえておごり高ぶっていた。は、かれを殺した。は魏のじようしようとなった。九せき(天子からたまわる最高位の九つの恩賞)を与えられたが、受け取らなかった。そうそうの一味だったこうは、しよくに逃げた。きようはかれに問うた。「が政権を執りましたが、かれには征伐の志がありますか。」こうは言った。「かれは一族の地位を築こうとしており、まだ国外のことには手が回らぬようです。しかししようしようかい)という者がおりまして、まだ若いですが、かれがもし朝廷の政治を管理するようになれば、呉や蜀のうれいとなりましょう。」

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