本物になりきれず、やりきれない男たちの述懐

名前というのは、それだけで人生を変えてしまうほど残酷なものだとこの話を読んで思った。
本作の登場人物の一人、国語が苦手な太宰治は、自身の名前のせいで中学の多感な時期に同級生から様々なからかいを受ける。

そんな彼が大学生となった時、追い求めていたある人物と出会う。
太宰治が彼を求めるのは、もはや必然だったのかもしれない。
最後のオチも見事。ぜひ、ご一読を。

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