灯せ。空に町に、導の光を

 太陽が沈まない町、という設定に惹かれて読みました。
 まず、情景描写の細かさに引き込まれました。太陽が沈まない空の様子や、蒸気機関が人々の暮らしを支えるファンタジックなスチームパンクの世界観がしっかりと書き込まれていて、独特の世界であるのがよくわかる。
 そこに、どこか謎めいた夜宵や大人しそうなメル、師匠のアゲハの個性がはっきりと示され、たたみかけるように世界が歌声と共に一変する。その想像するだに幻想的なクラスマックスを見るために読んでみてはどうでしょうか。